「ビーグル」の
特徴・遺伝性疾患
身体的特徴
「スヌーピー」のモデルになったといわれる大きなたれ耳がビーグルの特徴です。
ただしたれ耳ゆえ、耳の病気になりやすいという注意点もあります。
性格は明るく、愛情深い犬種です。
集団で狩りをしていた犬なので、社交性が高く、多頭飼いにも向いています。
一方寂しがり屋の一面もあるので、一人での留守番は苦手です。
寂しくなると吠えたり、いたずらしたりすることがあります。ビーグルを飼い始めたら、たくさんかまってあげましょう。
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遺伝性疾患
遺伝性白内障
白内障といえば、高齢犬の病気と考える人もいるかもしれません。
しかし、白内障の中には遺伝が原因とされる「若年性白内障」もあります。
若年性白内障は2歳までの若い犬に発症する白内障です。
白内障にかかると水晶体が白く濁り、視覚障害が現れてきます。
根本的な治療方法としては外科手術がありますが、若年性白内障の場合、視力の回復は難しいこともあります。
早期発見することで、点眼薬などの内科的治療で進行を遅らせることができます。
ビーグルは白内障のほか、緑内障にもなりやすい犬種です。
定期検査を受けて、目の健康状態を確認することが大事です。
ピルビン酸キナーゼ欠乏症
ピルビン酸キナーゼ欠乏症は、病名の通りピルビン酸キナーゼという酵素が不足する病気です。
ピルビン酸キナーゼは赤血球の維持に関わってきますので、この酵素が足りなくなることで赤血球が壊れてしまいます。
犬では稀な病気ですが、ビーグルには発症例があります。
詳しくは、「年齢別の注意点」の子犬の項で後述します。
飼育時に気をつけたい
ポイント
飼育時に気をつける事
被毛と耳の手入れを怠らない
ビーグルは短毛種ですが、被毛はアンダーコートとオーバーコートを持つダブルコートになっています。
そのため、抜け毛が多い犬種といえます。
ラバーブラシ等で被毛のお手入れを毎日行ってあげてください。
なお、ビーグルはにおいがあまりしないので、シャンプーは月1回で大丈夫です。
また、たれ耳のビーグルは耳の中が蒸れやすいため、外耳炎などの耳の病気にかかりやすい犬種です。
週に1、2回は耳掃除をして、耳の中を清潔に保ってあげてください。
ただし、間違った耳掃除をするとかえって外耳炎の原因になってしまうこともあります。
耳掃除の方法が分からない時は、獣医やトリマーなど専門家に相談してみるとよいでしょう。
生活面の注意点
たっぷり運動させて、肥満を防ごう
ビーグルは小型犬もしくは中型犬に分類されます。
小柄な体ながら、運動大好きの活発な犬種です。
ウサギ狩りに活躍したハウンド犬のルーツを持っており、スタミナもあります。
食欲旺盛な犬なので、たっぷり運動させて肥満を防ぎましょう。
散歩は1日1時間以上を心がけてください。
なお、ビーグルは好奇心旺盛で、徘徊ぐせや興味を持ったら無我夢中で追いかけてしまうところがあります。
散歩中に行方不明になってしまわないよう、リードをしっかり持ちましょう。
また万が一に備えて、首輪の名札には名前や飼い主の情報をはっきり書いておきましょう。
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かかりやすい
病気・ケガ・治療費用
ビーグルがかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。
いざというときを考えて、治療費の準備をしておきましょう。
病名 |
症状 |
治療と費用 |
白内障 |
・視覚障害
・(視力低下による)歩行異常
・失明 |
・外科手術(入院料・検査費などを含む)
片目で20~40万円
|
外耳炎 |
・足で耳や首をかく、首を振る(耳の痒み、痛みが原因)
・耳が赤くなる
・耳からの悪臭
・耳垢が増える |
・投薬治療 1日約150~200円×数ヵ月
・耳の洗浄
約2,000~3,000円
|
椎間板ヘルニア |
グレード1
・抱っこすると痛がる
・階段の上り下りを渋る
グレード2~
・ふらつく
・歩行困難
・足の麻痺
・排泄障害 |
・投薬 約1~3万円
・レーザー治療 約3~5万円
・手術 約13~20万円
・入院費 約3400円~/日
|
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年齢別の注意点
子犬(0~1歳)
ピルビン酸キナーゼ欠乏症
ピルビン酸キナーゼ欠乏症は、赤血球を正常に維持するための酵素が欠乏する病気です。
この病気を発症すると赤血球が壊れていってしまうため、重篤な貧血を引き起こす場合があります。
具体的な症状としては、
・食欲低下
・運動への抵抗
・疲れやすい
・口や舌など赤いはずの粘膜が白っぽく見える
・赤茶色の尿が出る
・呼吸や脈が早くなる
などです。
ピルビン酸キナーゼ欠乏症は遺伝性の疾患です。
予防方法や根源的治療法はありませんが、定期検査で貧血の有無を確認することができます。
貧血の症状を和らげるための対処療法はいくつかありますので、定期的に病院で体調を確認することが大事です。
成犬(1~7歳)
外耳炎
外耳炎は鼓膜より外側に炎症が起きる病気です。
成犬期から高齢期に多くみられます。
外耳炎にかかると耳の中をかゆがったり、痛がったりします。
そのため後ろ足で耳をかこうとするのですが、足が短い子の場合、耳まで届かず首をかいているように見えることもあります。
また、首をしきりに振ったり、頭をあちこちにこすりつける動作がみられる場合もあります。
耳が腫れている、耳を触ろうとすると嫌がって怒る、耳から悪臭がするなども外耳炎の症状です。
外耳炎の原因となるのは、湿気、寄生虫、アレルギーなど様々なものがあります。
ビーグルのようなたれ耳の犬は耳の中が蒸れやすく、外耳炎になりやすい犬種です。
高齢犬(8歳~)
椎間板ヘルニア
椎間板とは、背骨と背骨の間にある組織です。
椎間板にはゼリー状の髄核とそれを取り囲む線維輪があり、背骨にかかる力を吸収したり、背骨の動きを滑らかにしたりしています。
ところが、激しい運動や老化が原因で椎間板が元の位置からずれて背骨を圧迫してしまうことがあります。
これが椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは症状によって、重症度(グレード)が5つのステージに分かれています。
グレード1の場合、抱っこしたときに痛がるなど「痛み」の症状のみが見られます。しかし、グレードが進むにつれ麻痺症状が現れてきます。
麻痺が進むと、立ち上がることができなくなるだけでなく、排泄コントロールができなくなる場合もあります。
呼吸器の障害などを起こす進行性脊髄軟化症が合併すれば、命の危険にさらされます。
グレードが低い場合治療は投薬が中心ですが、麻痺症状が重くなれば手術が必要になるケースが多いです。
椎間板ヘルニアの兆候が見られたら、早目に病院を受診して早期治療につなげられるようにしましょう。
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保険の選び方
保険選びのポイント
ビーグルには様々な病気リスクが存在することが分かりました。
万が一、病気やケガをしてしまったとき必要な治療費を補償してくれるペット保険に加入しておくと安心ですね。
ペット保険には様々な種類があります。
補償内容の検討に加えて、ペット保険選びで重視したいポイントについてみてみましょう
補償範囲はしっかりチェック
ペット保険を選ぶ際、最も優先したいチェックポイントが補償内容です。
ペット保険では、動物病院で払うすべての医療費が補償対象になるわけではありません。
例えば、予防接種で防げる病気や自然災害が原因のケガは、ほとんどのペット保険が補償対象外にしています。
また、ペット保険には免責金額つきのプランがたくさんあります。
これは医療費が一定額以上にならないと保険金が支払われないかわりに、保険料を安く抑えているプランです。
入院や手術の回数に制限があるプランもあります。
ペット保険の検討をする時は、以下の点に注目しながら補償範囲を比較することをお勧めします。
・補償対象になる病気
・入院・手術の回数制限
・免責金額
・保険開始期間
値段を比較するときは、年齢に注目
ペット保険を比較する時、まず飼い主が気になるのが保険料ではないでしょうか。
ペット保険の保険料は、基本的に年齢が上がるほど高額になっていく仕組みになっています。
保険料は、契約期間中ずっと払い続けるものです。
現在の犬の年齢では金額が安くても、高齢になってから飼い主が払えない保険料になってしまっては意味がありません。
各ペット保険会社のパンフレットには、年齢によってどのぐらいの保険料がかかるのかシュミレーションできる料金表が付いているはずです。
ペット保険を比較する際は、現在だけでなく、5年、10年後の保険料もチェックしましょう。
保険金の支払い手続きは簡単か
ペット保険の保険金支払い方法は、各会社によって様々です。
基本的には、動物病院の窓口で飼い主が医療費の全額を支払い、後で保険金を請求するという流れになっています。
ただこの方法だと飼い主側に一旦現金を用意する必要が生まれますし、請求の手続きが面倒というデメリットもあります。
一方ペット保険の中には、動物病院と連携して窓口精算を可能にしているものもあります。
こちらのタイプでは窓口で保険証を提示することでその場で保険が適応され、自己負担分のみの支払いで済ますことができます。
かかりつけの動物病院で、窓口精算ができるペット保険があるのかどうか確認してみましょう。
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