病名 | 症状 | 治療と費用 |
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外耳炎 | ・脚で耳や首をかく、首を振る(耳の痒み、痛みが原因) ・耳が赤くなる ・耳からの悪臭 ・耳垢が増える |
・投薬治療 1日約150~200円×数ヵ月 ・耳の洗浄 約2,000~3,000円 |
進行性網膜萎縮症 | ・視力の低下 ・失明 ・目がキラキラして見える(瞳孔が開くため) |
・検査費用 眼科スクリーニング検査 約2,000円 網膜電図検査 約1万円~ 遺伝子検査 約5,000円~ (進行性網膜萎縮症には治療が確立されておらず、サプリメントなどで対処することが多い) |
尿路結石 | ・血尿 ・頻尿 ・尿の出し渋り ・排尿場所を間違う ・下腹部を触ろうとすると嫌がる ・吐き気 ・動きの鈍化 |
・投薬等の内科的治療 約5~7万円 ・入院、手術 約20万~30万円 (+療法食の費用) |
中型犬の子犬がかかりやすい病気に、皮膚炎があります。
一口に皮膚炎といっても、病気の原因は様々です。犬がかかる皮膚炎は大別しすると以下の3種類になります。
・感染性皮膚疾患
細菌、皮膚糸状菌、マラセチア酵母菌に感染して起こります。膿皮症もこのカテゴリーに含まれます。
・アレルギー性皮膚疾患
食物や花粉、ダニ、カビなどのアレルギーに反応して起こります。アトピー性皮膚炎はこのカテゴリーに含まれます。
・内分泌、代謝性皮膚疾患
体内部の機能に問題が生じることで発症する皮膚疾患です。副腎皮質機能亢進症等があげられます。
皮膚炎にかかると、患部に強いかゆみを伴います。
後ろ脚で体をかきむしったり、体を床にこすりつけたりして皮膚を傷つけてしまう子もいます。
皮膚炎は種類によって治療方法も変わってきますが、飼い主が皮膚炎の原因を突き止めることは困難です。
皮膚が赤い、毛が抜けている、しきりに体をかく・なめるなどの症状が見られたらすみやかに動物病院を受診しましょう。
各種検査を受けることで、原因を特定し、治療につなげることができます。
外耳炎とは、耳の穴に炎症が起きる病気です。
中型犬の中では、フレンチブルドッグなどが外耳炎にかかりやすい犬種になります。
耳の中に皮脂腺が多いブルドッグは、皮脂が出やすくなっています。
もともとは皮膚を守るための機能ですが、貯まった皮脂が逆に耳の炎症の原因となる場合があります。
他にも、アメリカン・コッカー・スパニエル、柴犬等の中型犬が外耳炎を発症しやすい犬種といわれています。
外耳炎にかかると、耳の痒み・痛みが生じます。犬はこの不快感を何とかしようとし、後ろ脚で耳をかこうと必死になります。
しかし、脚の短い犬だと耳まで脚が届かず、まるで首を掻いているように見えることがあります。
飼い主としては首に注目してしまいがちですが、このような症状が見られたら耳の疾患を疑ってください。
また、耳垢が増えたり、耳から悪臭がするなどの症状も外耳炎の特徴です。
外耳炎は初期に治療を始めれば、比較的簡単に治すことができます。
一方重症化すれば長期の投薬が必要になりますので、犬・飼い主双方に負担が大きくなります。
普段から愛犬の耳の健康状態をチェックし、異常には早目に気が付けるようにしましょう。
椎間板とは、背骨同士をつなげている柔らかい接着剤のような部分です。
この椎間板は普段背骨の動きを滑らかにする役割を担っています。
ところが、激しい運動をしたり、外部から圧力がかかると椎間板が変形して元の位置からずれてしまいます。
結果椎間板が脊髄を圧迫する、これが椎間板ヘルニアです。
加齢は椎間板ヘルニアになる原因の1つとされており、年齢を重ねるごとに発症率が高まっていきます。
中型犬の中では、柴犬やウェルシュ・コーギー・ペンブローク等が椎間板ヘルニアにかかりやすい犬種です。
初期は痛みを感じる程度の症状ですが、脊髄の圧迫がひどくなると麻痺症状が現れるようになります。
重症化すれば、立ち上がることができなくなったり、排泄障害が起きることもあります。
進行性脊髄軟化症が合併すると、背骨の神経が死んでしまい、命にかかわる事態になることもあるので要注意です。
抱っこしたとき痛そうに鳴く、高いところへの上り下りを嫌がる、背中が丸くなっているなどの初期症状が見られたら、なるべく早く動物病院を受診してください。
初期段階なら投薬治療が中心になりますが、重症化すれば手術が必要になってきます。
犬を飼う以上、様々な病気・ケガの可能性があります。
愛犬を家に向かえた時に、あらかじめ考えておかなければならないのが犬の医療費についてです。
人間には国民健康保険制度があるため、窓口で個人の支払う医療費は全体の1割~3割になります。
また高額療養費制度を使えば、高い手術を受けても自己負担は一定額に抑えられます。
一方犬については、このような制度がありません。すなわち医療費は飼い主が全額負担することになります。
犬の病気の中には発病すれば長期の治療が必要になるものもありますし、高額の手術費がかかることもあります。
医療費が足りないせいで、愛犬に十分な治療をさせてあげられないのは大変悲しいことです。
ペット保険に加入しておけば、犬の医療費の負担を減らすことができます。
ペット保険の基本的な仕組みは人間の民間医療保険と似ています。
毎月一定の保険料を払うことで、いざペットが病気になった時に既定の保険金を受け取ることができるという仕組みです。
ペット保険には様々なプランが用意されており、医療費の何%を補償してもらうか(例えば50%プランなら医療費の半額を保険金として受け取れる)によって保険料が変わってきます。
普段からペットのための積み立てをしているけれど大きな病気にも供えたいという人は、補償割合が少ないプランに入って保険料を抑えることができます。
逆に定期的な貯金がなかなかできないというタイプの人なら、補償割合が大きいプランに入るのがおすすめです。
このようにペット保険を使えば、飼い主の状況に合わせて医療費の準備を行うことができます。
「中型犬」におすすめのペット保険を選ぶポイントについてみていきましょう。
ペット保険における犬の料金はだいたい「大型犬」「中型犬」「小型犬」の3つのカテゴリーに分かれています。
基本的に中型犬は大型犬に比べれば保険料の金額が安いですが、小型犬よりは高くなります。
この大型犬、中型犬、小型犬の違いですが、実はペット保険会社によって解釈が違います。
例えばイーペット損害保険では柴犬は小型犬とされますが、SBIプリズム少保では中型犬に分類されています。
これらの分類はペット保険会社の基準によるもので、ペットショップや動物図鑑の記載とは異なる場合があります。
ペット保険を比較する際には自分の犬がどのカテゴリーに当てはまるのか、保険会社ごとに1つ1つ確認していきましょう。
ペット保険を比較する時、まず飼い主が気になるのが保険料ではないでしょうか。
ペット保険の保険料は基本的に年齢が上がるほど、高額になっていく仕組みになっています。
保険料は、契約期間中ずっと払い続けるものです。
現在の犬の年齢では金額が安くても、高齢になってから飼い主が払えない保険料になってしまっては意味がありません。
各ペット保険会社のパンフレットには、年齢によってどのぐらいの保険料がかかるのかシュミレーションできる料金表が付いているはずです。
ペット保険を比較する際は現在だけでなく、5年、10年後の保険料もチェックしましょう。
ペット保険では、動物病院で払うすべての医療費が補償対象になるわけではありません。
例えば、予防接種で防げる病気や自然災害が原因のケガは、ほとんどのペット保険が補償対象外にしています。
また、ペット保険には免責金額つきのプランがたくさんあります。
これは医療費が一定額以上にならないと保険金が支払われないかわりに、保険料を安く抑えているプランです。
入院や手術の回数に制限があるプランもあります。
ペット保険を選ぶ際は、以下の点に注目しながら補償範囲を比較することをお勧めします。
・補償対象になる病気
・入院・手術の回数制限
・免責金額
・保険開始期間
ペット保険の保険金支払い方法は、各会社によって様々です。
基本的には、動物病院の窓口で飼い主が医療費の全額を支払い、後で保険金を請求するという流れになっています。
ただこの方法だと飼い主側に一旦現金を用意する必要が生まれますし、請求の手続きが面倒というデメリットもあります。
一方ペット保険の中には、動物病院と連携して窓口精算を可能にしているものもあります。
こちらのタイプでは窓口で保険証を提示することでその場で保険が適応され、自己負担分のみの支払いで済ますことができます。
かかりつけの動物病院で、窓口精算ができるペット保険があるのかどうか確認してみましょう。