13周年

マルチーズに多い
病気やケガは?

マルチーズの写真

この記事をまとめると

マルチーズは、長い被毛と愛らしい性格で人気の高い犬種です。
しかし、遺伝性疾患や肥満による病気など、注意が必要な病気やケガがあります。

マルチーズに多い主な病気やケガは以下の3つ。

  • 膝蓋骨脱臼(パテラ):膝蓋骨が正常な位置からずれてしまう
  • 皮膚炎:アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など
  • 骨折:骨が折れてしまう

予防や対策

  • 定期的な健康診断を受ける
  • 適切な食事と運動で肥満を防ぐ
  • 被毛を清潔に保つ

要約

これらの病気やケガは、早期発見・早期治療が重要です。定期的な健康診断や、日頃の健康管理を徹底することで、病気の予防や早期発見につなげましょう。
また、マルチーズは、被毛が長いため、ブラッシングやシャンプーなど、清潔に保つことが大切です。被毛が汚れたり、もつれたりすると、皮膚炎などの原因となる可能性があります。

マルチーズの
特徴・遺伝性疾患

身体的特徴

家族が大好きで甘えん坊な性格が特徴のマルチーズですが、一方で落ち着きのある側面も見られます。

常にだれかがそばにいるようなにぎやかな家庭のペットに向いているといえるでしょう。

体重1.5~3Kgの小型犬で家庭内でも飼いやすい犬です。

遺伝性疾患

マルチーズが先天的に持っている可能性が高い病気です。

子犬のころから、かかりつけの動物病院を決めておくと安心ですね。

グリコーゲン貯蔵症(糖原病)

本来分解されて体のエネルギーになるべき物質であるグリコーゲン(糖原)が何らかの異常で分解されず、体に蓄積していってしまう遺伝性の病気です。

グリコーゲンは主に肝臓や腎臓、中枢神経などの体の重要な部分に貯まっていき、結果的に肝腫大や腎肥大を引き起こすことがあります。

また、本来はエネルギーとなるべきグリコーゲンが材料の段階で止まっているわけですから、低血糖状態に陥り、けいれんなどの異常を起こします。

他にも嘔吐、高脂血症、筋力の低下等の症状があります。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝にある皿状の骨が正常な位置からずれてしまう病気です。

マルチーズのような小型犬の場合は、先天的に膝関節や靭帯・膝周辺の筋肉(または骨)に異常が見られることがあります。

歩き方が不自然だったり、立ち上がるときに痛そうな鳴き声をあげていたら要注意です。

またケガや落下によって後天的に発症する場合もあります。

飼育時に
気をつけたいポイント

飼育時に気をつける事

まずは、マルチーズを飼育するときの基本的な注意点についてみていきましょう。

定期的な被毛のお手入れを

マルチーズと言えば純白の被毛が魅力的ですが、一方で毛がとても絡まりやすいため、毛の手入れを十分に行う必要があります。

特に湿気の多い夏場や梅雨には皮膚トラブルになりやすいです。

お家では1ヶ月に1,2回のペースでシャンプーを行うことが推奨されます。

またマルチーズの長い被毛はほっておけば床についてしまうぐらい長くなってしまいます。

ほつれや毛玉が発生するとそこから炎症を起こしてしまう危険性があるので、プロのトリミングを定期的に行って皮膚の健康維持に勤めましょう。

小さいうちから歯の健康管理は重要

歯根が浅いマルチーズは歯周病になるとすぐに歯が抜け落ちてしまうので、小さいうちから飼い主が定期的に歯磨きをしてあげることが重要です。

特に注意しなければならないのが、「乳歯遺残」。マルチーズも人間と同じように乳歯から大人の歯に生え変わります。

しかし乳歯の根が深く、大人の歯が生えてきても乳歯が抜け落ちない場合があるのです。

これを「乳歯遺残」といい、マルチーズのような小型犬に起こりやすいといわれています。

2つの歯が重なって生えていることで食べカスがスキマに貯まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因にもなってしまいます。

特に歯の生え変わり時期には口内の健康チェックをこまめに行い、「乳歯遺残」をみつけたら獣医さんでケアしてもらうようにしましょう。

生活面の注意点

マルチーズは運動できる広さのスペースがあるなら室内運動でも満足できる犬種です。

とはいえマルチーズは肥満になりやすいので、運動不足を防ぐために毎日20分から30分程度の散歩を日課として取り入れるとよいでしょう。

ストレス解消にも適度な散歩は大切です。

おやつを与えすぎたり、日々の食事の量を適当にしていると、肥満が進行してしまいます。

肥満は足腰に負担をかけ、糖尿病など様々な疾患に繋がるので食事の管理はしっかり行うことが大事です。

ただし、食事と運動については注意点があります。マルチーズのかかりやすい病気の1つに低血糖という病気があります。

これは空腹や過度な運動によって引き起こされること等が原因で起こります。食事の管理や運動をしすぎては逆に病気にあることもあるのです。

小型のマルチーズはゆっくり歩く散歩でも十分運動になります。犬の様子を見て、適度な健康管理を行ってください。

かかりやすい病気・ケガ・治療費用

マルチーズがかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。いざというときを考えて、医療費の準備をしておきましょう。

かかりやすい病気 主な症状 治療費用
膝蓋骨脱臼 (初期は無症状)
・足を引きずる
・歩行困難
・X脚・O脚
・外科手術 約16万~40万程度
流涙症 ・涙が常に流れている
・涙やけの付着
・投薬 約千円~2千円程度
・鼻涙管洗浄 約1万~2万程度
・外科手術 約2万円程度
僧帽弁閉鎖不全 ・呼吸困難
・チアノーゼ
・食欲減退
・咳
・投薬 約3万円程度
(1年間)
(病気の進行具合による)

年齢別の注意点

幼犬期(0~1歳)

低血糖症

生後3か月程度までに発症することが多い病気です。

文字通り、血糖値が低下することが原因です。

成犬の場合は空腹の期間がある程度続いても血中の糖分を保つことができますが、子犬の場合は糖分を維持する機能がとても弱く、たった6~12時間食事をとれないだけでも低血糖症をおこしてしまうことがあります。

子犬の間は食事1回分の量を減らしながら食事の回数を増やし、空腹の期間をできるだけ短くするようにします。

症状が出ても、意識がある場合は砂糖水をなめさせることで症状悪化を防ぐことができます。

ただし、昏睡・けいれんが起きた場合は、すぐに動物病院に連れていきましょう。

 

なお、成犬以後も他の病気や空腹、過度の運動が原因で低血糖症が発症することがあります。

涙管閉塞(流涙症)

常に目の周辺に涙が出ている状態になる病気です。

流れた涙は目じりから鼻周辺の毛に付着し、赤茶色の「涙やけ」を作ります。

鼻に涙が流れるための鼻涙管が炎症、異物、外傷、あるいは先天的な原因でふさがってしまうことが原因です。

涙は常に目の表面を覆っているものです。

しかし流れ落ちるための水路がふさがっているため、目の表面から涙があふれ出てしまうのです。

白い被毛のマルチーズは「涙やけ」が目立ちますので、目元を絞ったタオルなどで拭って清潔にしてあげましょう。

この病気そのものには痛みが伴いませんが、「涙やけ」が皮膚疾患や炎症の原因となる場合もあります。

病院では、涙が流れるように涙管を洗浄するという治療法が行われます。

また、涙管が詰まっている原因となる病気がある場合はその治療を行います。

成犬期(1~7歳)

膝蓋骨脱臼

幼犬期~高齢期までマルチーズの一生を通してかかりやすい病気です。

マルチーズの後ろ脚には膝蓋骨とよばれる皿状の骨があります。

これが正常な位置から外れて脱臼してしまう病気です(マルチーズの場合内側に外れることが多いです)。

先天的に膝・膝関節周辺に異常がみられる場合、もしくは後天的に交通事故等によるケガが原因で起こります。

もともと骨格のバランスがおかしく成長とともに膝蓋骨脱臼が進行していく場合は、痛みが少ないので、外側からの発見が困難です。

歩き方が変だったり、段差を嫌がったりといった症状を見逃さないようにしましょう。定期的な健康診断も大事です。

高齢期(7歳~)

僧帽弁閉鎖不全

高齢になるほど発症率が高い病気で、9歳以降は発症率が急激に増加します。

僧帽弁というのは、心臓の左心室と左心房の間にある弁です。

通常、心臓の血液は左心房から左心室へと血液を送り出しており、僧帽弁はこの血液の循環にそって開いたり閉じたりしています。

しかし、僧帽弁閉鎖不全を起こすと左心房から左心室へ血液が流れる時だけ開いていた僧帽弁の機能が壊れてしまい、血液が心臓内で逆流してきます。

心臓はうまく血液を体に送り出すことができなくなり、結果、運動を嫌がるようになったり、食欲が落ちるようになります。

さらに症状が進むと心臓に貯まった血液が肺に流れ込み、肺水腫という状態になります。

肺に液体が入り込むので、呼吸がうまくできず呼吸困難やチアノーゼの症状が出るようになります。

 

治療は心臓の負担を減らすための投薬が治療の基本となります。また病気の症状に応じて酸素吸入などを行うこともあります。

予防が困難な病気ですが、心臓に負担を与えないような日常生活を送ることが大切と言われています。

食事内容に気を付け、肥満を防ぐように心がけましょう。また、初期段階では無症状なので、定期的な健康診断が早期発見・早期治療のカギです。

保険の選び方

マルチーズには様々な病気が発症する可能性があります。

万が一に備え、高額な医療費を補償するペット保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

ペット保険選びの比較ポイントを見てみましょう。

補償の免責金額

ペット保険には免責金額というものがあります。

免責金額は飼い主が自分で負担しなければならない保険の金額です。

だいたい免責金額が大きいほど保険料は安くなります。

ただ、保険料を節約しようと免責金額を大きくすれば、かなり大きな手術でもしない限り保険金が下りないという事態になることも。

保険金が支払われない保険対象外の項目も必ずチェックしてください。

 

ペット保険を万が一の高額医療のお守りとしてみるか、日常的に使える補償としてみるかで免責金額の捉え方が変わってきます。

保険料、自分が負担できるペットのための医療費などを考慮に入れながら、保険を比較してみましょう。

保険金請求のしやすさ

保険金をどのように請求するのかは各ペット保険会社によって違います。

基本的には一度動物病院の窓口で飼い主が医療費を支払い、ペット保険会社に保険金を請求。

請求内容が認められると保険会社から保険金が支払われるという仕組みです。

請求書は手に入りやすいか、保険金を受け取るまでかかる日数は短いかなど保険金が実際に支払われるまでのステップを比較のポイントにしてください。

また、提携している動物病院で保険証を見せれば、人間の健康保険証のようにその場で保険料が割引されるペット保険もあります。