年齢別の注意点
幼犬期(0~1歳)
水頭症
頭蓋骨の中は脳脊髄液と呼ばれる液体で満たされています。
脳脊髄液は衝撃から脳を守る役割を果たしています。
しかし、何らかの原因で脳脊髄液の流れが悪くなり、液が必要な量以上に貯まって脳を圧迫することがあります。
これが水頭症です。犬の水頭症は先天的な要因での発症が目立ち、特に4~5ヶ月~1歳未満の子犬の例が多くみられます。
水頭症の症状は、てんかん発作や視力障害、意識障害、円運動等の異常行動、性格の変化、斜視など多岐にわたります。
症状の重さは脳脊髄液の貯まり具合で変わってきます。
薬の投与で症状を緩和する処置を行いますが、薬で改善しない場合や重症化した状態では手術が必要になることもあります。
パピヨンの様子に普段と変わった様子が見られたら、すぐにかかりつけの病院に相談してください。
成犬期(1~7歳)
アレルギー性皮膚炎
アレルギーの原因物質(アレルゲン)に免疫機構が過剰反応して引き起こされる皮膚炎です。
アレルギーの原因によって4パターンに分類されます。
・吸引性アレルギー(ハウスダストなどのアレルゲンを吸い込むことで起こる)
・食事性アレルギー(食物がアレルゲンとなる)
・ノミアレルギー(ノミに血を吸われることで起こる)
・接触性アレルギー(食器やおもちゃなどがアレルゲンとなり、それらに接触することで起こる)
痒みを感じる、じくじくする、乾いてフケが出るなど症状も様々です。
食物性アレルギーの場合は、皮膚炎に加えて、下痢や外耳炎を併発することもあります。
治療の第一歩はアレルギーの原因を特定するアレルギー検査です。
原因が判明したら、アレルギーの原因を取り除くようにし、免疫を抑制する薬の投与等を行います。
アレルゲンの特定には飼い主による日常の行動観察が重要です。
パピヨンが何を食べたか、どんな環境で生活しているかを獣医に正確に伝えられるようにしましょう。
また治療の最中は、皮膚炎の医療処置にとどまらず、アレルゲンをそばに近づけないように気を配ってください。
目の中でカメラのレンズのような役割をしている場所「水晶体」が何らかの原因で白濁してしまう病気が白内障です。
若いうちに遺伝的原因によって発症する「若年性白内障」もありますが、多いのは加齢によっておこる「老年性白内障」です。
後者は主に6歳以上で発症します。
糖尿病に伴って起こる場合もあります。
白内障が進行すると目が見えづらくなり、階段でつまづいたり、家のあちこちにぶつかるようになったりといった視覚障害が起こります。
完全に水晶体が濁り切ってしまうと失明してしまいます。
初期段階では内服薬や点眼によって病気の進行を遅らせる内科的治療を施しますが、この方法では白内障を完治させることはできません(ただし糖尿病に伴う白内障は初期段階なら回復することもあります)。
濁った水晶体を手術で取り除く外科的治療もありますが、人間の手術のように一般的に行われているものではありません。
高齢の犬の場合、慣れ親しんだ環境が変化しなければ、失明したとしても日常生活に問題がない場合もあります。
動物病院でよく相談して治療方法を決めてください。
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