ペットトリミングの
施術で
ケガしてしまった時の
対処法
この記事では、ペットのトリミング中に起こり得るけがのトラブルに対する対処法や、トリミング店の対応について説明します。
万が一ペットが施術中にけがをした場合の請求方法や、飼い主が取るべき行動についても詳しく解説します。
主なポイントは以下の3つ。
ケガの程度によって治療費や慰謝料の請求ができること、トリミング店の対応が規約に基づくことが述べられており、証拠の確保や冷静な話し合いが重要です。
トリミング店からの誠実な対応がない場合には、弁護士など専門の第三者に仲介を依頼すると対応もスムーズになるでしょう。
ペットに関連するトラブルでは、トリミング施術中にペットにケガが発生してしまった、というトラブルも少なくありません。
国民生活センターのホームページでも、「ペットに関する相談が多く寄せられています」としており、相談事例の一つに、「ペットの美容院などのペットサービスに関する相談」を挙げています。
カットをするためにはハサミやバリカンなどの刃物を使用する必要があり、ペットも動物なので予測のできない動きをすることがある以上、リスクは避けられないものですが、万が一、ご自身のペットがトリミングの施術によってけがをしてしまった場合には、どのような対処ができるでしょうか?
今回位の記事では、ペットトリミングの施術によってけがをしてしまったときの対処法について案内いたします。
ケガが発生してしまった場合のトリミング店の対応については、一律ではありません。
結論をいえば、トリミング店の規約に従って対応がなされています。
しかし、店舗側が希望する通りの対応を行ってくれない場合、根拠となる法律や規定はいくつか存在します。
トリミング店やトリマーの活動を支え、ペット共生文化の推進を目指して設立された非営利一般社団法人日本ペットサロン協会では、トリミング店が施術中にけがをさせてしまった場合の施術量の取り扱いについて、以下のように記載しています。
①ケガをさせた場合、軽微で獣医に診せなくても問題ない程度のものであれば、店側の気持ちとして減額することはありえますが、しなくても理屈上は問題ありません(店の評判に関わりうることかもしれませんが)。
②獣医の診察・治療が必要な程度であれば、カットが仕上がっていても、診察費分は差し引くことになります。
③ケガの程度がさらに酷い場合は、仕事は完成していないとして代金の請求もできず、 お客さんから治療費以外の損害(慰謝料など)賠償請求を受ける可能性もあります。
※顧問弁護士より回答
自然治癒ができ、痕が残らないほどの軽微な怪我の場合には、けがを負わせたことに対する責任まではペットトリミング店に問うことは難しい(トリミング店側の回答次第)ですが、治療が必要なほどのけがの場合には、責任が発生する可能性が高いとしています。
上記の回答は、ペットサロン協会の顧問弁護士の方による意見ではありますが、実際のトリミング店で必ずしもけがが発生してしまった場合に誠実に治療費などの対応がなされているかといえば、そういったわけではありません。
それどころか、けがが施術中に発生したものであることを認めなかったり、施術前にサインをもらった「施術中の怪我については一切の責任を問いません」といった内容の同意書・誓約書を根拠に支払いを拒んだりされるケースもあるようです。
しかしながら、トリミング店にはペットを安全に預かり施術を行う義務があるので、万が一同意書にサインをしていた場合でも、治療費や慰謝料について請求ができないということはありません。
もし、万が一トリミング中にけがが発生してしまった場合に、どのように請求金額は算出されるでしょうか?
過去にトラブルになった事案を参考にすると、以下の計算式にて算出されています。
(治療費実費+慰謝料)×トリミング店側の過失割合
この中で特に難しいのが過失割合についてです。
トリミング店側が積極的に過失を認めることは少なく、また数値化することも非常に難しい部分だからです。
また、治療費については、規約によって「〇万円まで」、「ペット購入代金まで」と上限額が設定されているケースもあります。
慰謝料についても過去の事例を元に算出されますが、日本の法律上、ペットは「物」という扱いなので、飼い主にとっては納得のいかない金額で決着してしまうことも珍しくないようです。
トリミングの絵術中に起こったけがを飼い主が発見した場合の対処法について案内いたします。
飼い主がトリミング店に対して請求できる内容は以下の通りです。
・治療費+慰謝料の請求
・トリミングの再施術
具体的に、治療費や慰謝料をどこまで負担してもらえるのか、トリミングの施術についてどうするか、についてはケースバイケースで当事者同士の話し合いが基本になります。 双方の主張がかけ離れている場合には、裁判で決着をつけるケースもあります。
トリミング店側が誠実な対応を取って繰らない場合については、飼い主の行動も重要です。
患部の写真を撮っておくこと、獣医に診断書をもらっておくことなど、トリミングによる施術によってけがが発生してしまったことを客観的に照明できる材料をそろえておきましょう。
はさみやバリカンによるけがの場合には、比較的けがの証明が容易ですが、施術中にペットを落としてしまったり、打撲してしまったりといったけがについては証明が困難になる傾向があります。
請求方法は、口頭で店頭に伝える、書面で請求書を送付する、弁護士に代理請求を依頼する、などの方法があります。
トリミング店側の態度にもよりますが、裁判で争うよりも、示談・和解によって解決できた方が、心情的にも金額的にも満足のいく結果になることが多いようです。
感情的に話を進めようとした場合には、店舗側の態度を硬化させてしまう場合もありますので、ペットがトリミングの施術中にけがをしてしまった、という事実に対して冷静に対応をしましょう。
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犬の正しいシャンプーの方法や頻度は?トリミングを行った際に、ペットがけがをしてしまった場合には、非常にショックも大きいことでしょうし、店舗側の対応が不誠実なものであればとても大きな怒りを覚えるものでしょう。
治療費が必要なほどの重賞については、トリミング店も補償を行う必要があると考えられており、施術前にけがが起こった場合に責任を負わない、という旨の同意書や誓約書を交わしていた場合でも、店舗側の責任を追及することができます。
けががトリミング店での施術中に起こってしまったことを証明できるように準備したうえで、冷静に請求することが重要になるので、弁護士など専門の第三者に仲介を依頼すると対応もスムーズになるでしょう。
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