この記事をまとめると
犬の無駄吠えには、以下の原因が考えられる。
- 警戒心や恐怖心から吠える(警戒吠え)
- 要求吠え(散歩やごはんなどの要求を吠えてする)
- 退屈やストレスから吠える(ストレス吠え)
- 病気やケガから吠える(痛みや不快感から吠える)
防止策は以下の4つ。
- 警戒吠え:吠える原因となるものをなくす、吠えないようにしつける
- 要求吠え:要求をすぐには聞き入れず、吠えなくなったらご褒美を与える
- 退屈やストレス吠え:散歩や遊びの時間を増やす、吠えないようにしつける
- 病気やケガ:病院で治療を受ける
要約
犬の無駄吠えは、飼い主が適切なしつけを行うことで改善できる可能性が高いです。
吠えの原因を特定し、その原因を取り除くための対策を検討しましょう。
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犬の無駄吠えとは、簡単に言えば「飼い主が困ったり、隣人から苦情が出るような犬の吠え方」のことです。
例えば、以下のような事例が無駄吠えと考えられています。
・チャイムの音がすると、激しく吠える
・散歩中、すれ違う人や犬に吠えつく
・おやつが欲しくなると、飼い主にしつこく吠える
・飼い主の姿が見えなくなると吠えだす
ところでこのような無駄吠えの捉え方は、人間側の都合に左右されているといえないでしょうか。
犬は本来吠えるのが当たり前の動物です。
吠えることは、犬が自分の意思を伝えるための手段の1つです。
また、危険だと判断したものに対して威嚇するために吠えるのも、自分を守るための正当な方法と考えられます。
このような「吠え」は、犬が自然の中で生きていたら問題にはならなかったでしょう。
しかし、人間は犬をペットにし、自分たちのパートナーとして生活させています。
こうなると、犬を吠えさせてばかりいるわけにはいきません。
犬に吠えられて驚いた人が転倒した、鳴き声がうるさくて苦情が来るなど、無駄吠えはトラブルの原因になります。
犬が人間社会で暮らしやすくすることは、飼い主の義務なのです。
ペット保険で犬の病気に備えるのと同様に、犬の生活トラブルについても考えていきましょう。
「無駄吠え」とはいいますが、犬は決して無駄に吠えているわけではありません。
無駄吠えを止めさせるためには、その背景にどんな原因が潜んでいるのかちゃんと把握することが大事です。
ここでは、無駄吠えの原因となる犬の気持ちをご紹介します。
飼い主への強い要求
飼い主に対して激しく吠えたてるのは、何かを要求しているからではないでしょうか。
・ご飯が欲しい!
・散歩に連れていって!
・もっと遊んで!
犬がこのように「要求」の無駄吠えをするのは、飼い主の日常的態度に原因がある可能性が高いです。
うるさいからといって、すぐに犬の要求に応えてあげたりしていませんか。
無駄吠えすることで飼い主が反応を示すと、犬は「今自分の要求が通ったのは吠えたから」「吠えればわがままが通る」と間違った学習をしてしまいます。
デパートで「おもちゃが欲しい!」と泣き喚く子供に、おもちゃを買い与えるのがよくないのと同じです。
危険なものに対する警戒心
犬は縄張り意識が強い生き物です。
自分のテリトリーと考えている場所に、異物が入ってくることをとても警戒しています。
自分の縄張りに入ってくる見知らぬ生き物に対し、吠えて排除しようとするのは犬の特性といえます。
この特性を持つからこそ、犬に番犬の役割を期待する飼い主もいるのです。
しかし、犬にとっては泥棒も飼い主の友人も外部から来る異物であることには変わりありません。
自分のテリトリーを犯す敵とみなせば、来客にでも激しく吠えるでしょう。
来客の手前、早く犬を落ち着かせようと抱き上げてしまうことはないでしょうか。
しかしこれは、よくない行動です。
「吠えたら抱っこしてくれた=吠えるのはいいこと」と犬が誤学習する原因になります。
嬉しくて興奮している
前述したように犬は来客に対し、警戒心をもって吠えることがあります。
しかしそれとは別に、来客が来たことを喜び、嬉しさで興奮して吠えることもあるのです。
犬は嬉しい気持ちも吠えることで表します。
飼い主が外出先から帰ってきたときに激しく吠えるのも、嬉しさを表現しているのかもしれません。
知らないもの・怖いものに対する恐怖心
自分が知らない生き物が近づいてきたり、聞きなれない大きな音がすると人間でも怖くて泣いたり叫んだりすることがあるでしょう。
犬も同様で、見知らぬ生物・人間、台風や落雷の音、慣れない環境などに怯えて吠えることがあります。
飼い主とはなれるのが不安
飼い主の留守中にも、犬が激しく吠えることがあります。
さらには家の中の物を壊したり、自傷行為を始めたり、失禁したりと留守番中に様々な問題行動を起こしてしまう犬もいます。
これは大好きな飼い主と離れることが極端に不安な場合に見られる行動です。
飼い主への愛情が過剰すぎて、離れるとパニックを起してしまうのです。
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犬の無駄吠えを控えさせるには、犬が無駄吠えをする理由に合わせてしつけや防止策を講じていく必要があります。
飼い主への要求が原因なら
まずは遊んでほしい、食事が欲しいなど強い「要求」としての無駄吠えがみられる場合の防止策です。
犬は「吠えれば飼い主が自分のしてほしいことをしてくれる」と勘違いしています。
この誤解を解くためには、飼い主は犬が吠えても無視して、知らないそぶりを続けなければいけません。
犬が吠えた時点で、飼い主がしばらくその場を立ち去るのもよいでしょう。
逆に犬が吠えるのをやめたら、してほしかったことをしてあげます。
吠えても良いことはない、静かにしていると良いことがあると犬に学んでもらうことが大事です。
犬の気をそらしてあげることも1つの対処法になります。
無駄吠えが始まったら「おすわり」「おて」等の指示を出し、上手くできたら褒めてあげます。
また、犬が吠えだす前に散歩に連れていったり、食事を与えたりして犬の要求を先に満たしてしまうという方法もあります。
警戒心や恐怖心が原因なら
犬が警戒心や恐怖心から無駄吠えをしている場合は、無駄吠えの原因に「慣らす」こと、そして無駄吠えの原因を「避ける」ことが防止策になります。
例えばチャイムの音に対して吠えている場合は、チャイムの音に慣れさせ「警戒する必要はない」と教えます。
具体的には次の方法を取ります。
まず玄関にクレートを用意しておき、チャイムが鳴ったら「ハウス」の命令を出して、中に誘導します。
おやつなどを使ってもよいでしょう。
上手くクレートに入り、吠えるのをやめたら褒めます。
チャイムの音がして来客が来ても、クレートに入れば安全だということを覚えてもらうのです。
また散歩で無駄吠えが発生しているときは、吠えている原因を避けられるようコースを変更します。
吠える機会を減らせるよう、工夫することが大事です。
警戒心や恐怖心で吠えている犬はとても不安定な状態です。
犬の心を安定させてあげることが、無駄吠え防止に繋がります。
嬉しくて吠えているなら
来客が嬉しくて吠えている場合は、犬の興奮に付き合わないことが大事です。
犬が吠えだしたら、来客と飼い主はその場から姿を消すようにします。
犬が吠えるのをやめて来客が入ってきても静かにしていたら、ご褒美を与えます。
飼い主の帰宅時に騒ぐ場合も同様です。飼い主との再会に、激しく吠えて嬉しさを表す姿は可愛いものです。
しかし「さみしかったね、イイ子ににていた?」とすぐに構のはやめましょう。
犬に言葉をかけたり、なでたりするのは犬が吠えるのをやめたときです。
飼い主と離れるのが不安なら
飼い主と離れるのが不安で無駄吠えしてしまう犬は、普段から飼い主との距離が近すぎるのかもしれません。
飼い主がいない状況に慣れてもらうことが、無駄吠えの防止策になります。
まずは、短い時間の留守番から始めます。
留守番といっても、最初はほんの短時間、犬がいる部屋から出ていくだけで構いません。
徐々に犬が1人で過ごす時間を伸ばしていき、「留守番していても飼い主は必ず帰ってくる」という気持ちになれるようにします。
なお、家を出る前に犬に構うと、かえって動揺させてしまいます。
出かける時は「いつの間にかいなくなる」ように心がけましょう。
なお、あまりに激しい分離不安がみられるようなら、ドッグトレーナーや獣医といった専門家に相談してみてください。
分離不安は時に投薬の対象にもなります。
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犬が激しく吠えることは、人間にとって無駄な行為に見えるかもしれません。
しかしその裏には恐怖、不安、威嚇、要求など犬なりの様々な感情があります。
この感情を無視して、犬を叱ったり、逆に甘やかしたりしても根本的な解決にはならないのです。
犬の無駄吠えをどうにかしようとするなら、飼い主はまず犬が吠える原因や気持ちを理解しなくてはなりません。
そして、その原因や気持ちに即した対処法をとっていくようにしましょう。
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