この記事をまとめると
ペット保険の乗り換えは慎重な比較と判断が重要
ポイントは以下の4つ。
- 乗り換えは新規加入と同様で審査が必要である
- 病歴や高齢のペットは加入が難しい場合がある
- 補償内容・保険料・待機期間を事前に要確認
- 保険の重複・無保険期間を避ける手続きが大切
要約
ペット保険の乗り換えは、健康状態や年齢制限に注意が必要である。
補償内容や保険料を比較し、無保険期間が生じないよう慎重に手続きを進めるべきである。
ペット保険の乗り換え前に知っておくべき重要ポイント|最適なタイミングと後悔しない選び方
ペット保険の乗り換えは慎重な比較と判断が重要
ポイントは以下の4つ。
ペット保険の乗り換えは、健康状態や年齢制限に注意が必要である。
補償内容や保険料を比較し、無保険期間が生じないよう慎重に手続きを進めるべきである。
最初に、乗り換えを検討するうえで重要となる、ペット保険の乗り換えについて理解しておきましょう。
結論から言うと、ペット保険の乗り換えと新規加入に大きな違いはありません。
乗り換えは現在のペット保険を解約し、別のペット保険に新規で加入することを指します。
同じペット保険会社で複数のペット保険がある場合に、ほかのペット保険のプランに変更する場合も乗り換えとなります。
ただ、同じペット保険で補償割合の変更を検討している場合は、乗り換えとは言いません。
新規加入する際は必ず既往歴などの加入審査が行われるため、乗り換えであっても初めてペット保険に加入する場合であっても必ず加入できるというわけではないので注意が必要です。
一般的に、ペット保険の乗り換えを考える理由には以下のようなものが挙げられます。
実際、筆者もこれまで3社のペット保険に加入してきて、現在も4匹の愛犬が1社のペット保険に加入しています。
しかし、使用すると更新時に保険料が割増しになることから、シニアになったときのことを考えて3匹の乗り換えを検討しています。
ただ、上記に挙げた乗り換えを考える理由の中には乗り換えが難しい理由もあるため、乗り換えは慎重に検討することが大切です。
ペット保険の乗り換えで後悔しないためにも、乗り換え前にチェックしておきたい基本ポイントをまとめました。
ペットの状態が上記のいずれかに当てはまる場合は、乗り換えはおすすめできません。
ペット保険は「相互扶助」で成り立っており、公平性を保つために新規加入は原則健康体であることが前提です。
そのため、現在治療中であったり過去に重い病気をしたことがある場合は、加入できない、もしくは条件つきの加入となる可能性が高くなります。
重い病気の例 |
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悪性腫瘍(ガン) / クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)/ 甲状腺機能低下症 / 心臓病 / 腎臓病 / 肝臓病 / 糖尿病 / 水頭症 / 突発性てんかん など |
また、通院・手術・入院のすべてをカバーしてくれるフルカバータイプのペット保険は、多くが7歳や8歳までとしており、年齢を重ねるごとに加入できるペット保険が限られます。
12歳11ヶ月以上ではフルカバータイプで新規の受け入れをしているペット保険はなくなるため、ペットの年齢も重要です。
ペット保険の乗り換えにはメリットとデメリットがありますが、後悔しないためにもデメリットをよく理解しておくことが大切です。
ペット保険を乗り換えることで得られるメリットは、より自分とペットに最適なペット保険を選ぶことができるということでしょう。
ペット保険に初めて加入したときはどのペット保険が良いかよくわからず、ペットショップやブリーダーからすすめられたものに加入したという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
また、SNSでよく目にする広告のペット保険に加入したという飼い主さんもいるでしょう。
実際に加入してみると、もう少し補償割合を高くしたい・低くしたい、保険料を抑えたい、補償内容を充実させたいなど、ペット保険に対して求めるものがある程度定まってきますね。
乗り換えることで、それまで以上に使いやすいペット保険になる可能性があるのは大きなメリットと言えます。
ペット保険を乗り換えるデメリットは、選び方を間違えてしまうと今のペット保険よりも長期的に見て保険料が高くなったり、補償内容や条件が悪くなってしまう可能性があることです。
大切な部分なので、もう少し詳しく解説しますね。
ペット保険の保険料は年齢に応じて上がっていきますが、10歳や12歳を超えた頃から急激に保険料が上がるペット保険も存在します。
それまでは安い保険料であることも多く、現在の年齢の保険料だけで判断するのは注意が必要です。
ペット保険の保険料パターン |
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1. 若い頃は安く、シニア期から急激に高くなる |
2. 若い頃も安く、シニア期もそこまで高くない・もしくは定額 |
3. 若い頃はそれなりに高いが、シニア期以降も上昇が緩やか・もしくは定額 |
4. 若い頃もそれなりに高く、シニア期以降もはっきりと高くなる |
ペット保険の保険料は、上記のようにさまざまなパターンが存在します。
そのため、シニア期以降の保険料もよく確認することが大切です。
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【獣医師監修】ペット保険の保険料と貯金、どっちが良い?ペット保険の補償内容は保険会社ごとに異なるため、補償内容をしっかり確認して乗り換えないと、今のペット保険よりも使い勝手が悪くなってしまう可能性があります。
ペット保険の補償内容とは | ||
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補償範囲 | 補償割合 | 補償対象となる病気やケガ |
通院、入院、手術などの補償してくれる範囲 | 50%、70%、90%などの保険会社が負担する割合 | 各ペット保険ごとに定められている |
例えば、保険料を抑えようと補償内容をよく確認せずに選んでしまうと、補償範囲が入院と手術だけだった、高額な免責金額が設定されていて保険金をあまり受け取れなかった、といったことが起きてしまうでしょう。
ほかにも、ペットがかかった病気が対象外で補償されなかったということもよくあります。
そのため、補償内容は細かいところまで確認することが大切です。
また、
乗り換え先を選ぶポイントは、今のペット保険で良い点と不満に思っていることを明確にしたうえで、乗り換えたいペット保険が良い点を失わずに不満に思っていることを解消できているかをチェックすることです。
今の保険との違いも比較してみると、どちらが自分に合っているか判断しやすいでしょう。
ペット保険の乗り換えを検討するときに、新しいペット保険選びで悩むのはもちろん、乗り換えのタイミングも悩むところではないでしょうか。
ペット保険の乗り換えは、無保険期間ができないようにしたり、できる限り保険料の二重支払いがないようにしたいものです。
ここでは、ペット保険乗り換えの最適なタイミングについて解説します。
ペット保険の乗り換えのタイミングは、今のペット保険よりもより自分とペットに合っているペット保険を見つけたときです。
ペット保険の加入には直近半年や1年以内の通院歴を申告する必要がありますが、その間に動物病院を1度でも利用していると加入できないことがほとんどです。
さらにペットが病気になれば乗り換え自体も難しくなってしまうため、乗り換えを検討した時が乗り換えるタイミングと言えるでしょう。
実際、筆者が乗り換えを検討したのは1年半前ですが、乗り換えしたいペット保険は半年以内に動物病院を利用していると加入できません。
そろそろ半年経つと思っていたところで愛犬が体調を崩して動物病院を受診するということを繰り返し、乗り換えできないままでいます。
ペットは生きものである以上こうしたことがあるため、乗り換えできるタイミングに乗り換えることをおすすめします。
よく、ペット保険の乗り換えのタイミングは更新時期が良いと見聞きしたこともあるのではないでしょうか。
ほとんどのペット保険は1年契約で自動更新されますが、更新の数ヶ月前に契約更新に関するお知らせが届くため、次年度の保険料や条件等を確認することができます。
更新時期は今のペット保険を見直しやすいことから、乗り換えを検討するタイミングと言われています。
しかし、更新時期まで待つということは、その間にペットが病気やケガをした場合に乗り換えが難しくなる可能性があることは理解しておきましょう。
乗り換えを検討している場合、既往歴があると新しいペット保険に加入できなかったり、かかったことのある病気や特定の部位を補償対象外とする条件がつけられてしまうことがあります。
既往歴とは? |
---|
完治や治療中に関係なく、これまでにかかったことのある病気やケガの履歴 |
既往歴がある場合、まずは新しいペット保険会社の「引き受けできない病気」を確認してください。
該当する病気がある場合は、ほかのペット保険を検討しましょう。
告知内容によって判断してくれるペット保険もあるため、諦めずに相談してみることをおすすめします。
また、乗り換えせずに今のペット保険を継続するという方法もあります。乗り換えることでかかったことのある病気が補償対象外とされてしまう場合は、乗り換えないほうが良いと言えるでしょう。
なお、既往歴を正しく申告しなければ告知義務違反として加入を断られてしまうことがあるため、どんな既往歴があるか受診したことのある動物病院に確認したほうが確実です。
現在加入できるペット保険は、フルカバータイプで最高12歳11ヶ月まで、一部カバータイプは年齢制限なしというものがあります。
しかし、年齢を重ねるごとに新規加入できるペット保険は限られてくるため、乗り換えるならさまざまなペット保険から選べる7〜8歳くらいまでが良いでしょう。
ペット保険の乗り換えは、今のペット保険と新しいペット保険をしっかり比較することが重要です。
とは言え、ペット保険は複雑で何を比較していいかわからないという飼い主さんも多いでしょう。
ここでは、乗り換え時に比較しておきたい補償内容と条件について解説します。
補償対象となる病気やケガの、通院、入院、手術の3種類のうち何を補償してくれるのか確認しましょう。
ペット保険によっては、「通院のみ」や「手術のみ」、「ケガのみ」や「入院と手術のみ」といった一部だけを補償するプランも存在します。
一部カバータイプのほうが保険料は安い傾向にありますが、シニアになったときのことも考えると3種類すべてを補償してくれるフルカバータイプのペット保険のほうが使いやすいでしょう。
また、加入可能な健康状態や年齢、既往歴などの基本的な適用条件を確認することも大切です。
ペット保険は、50%や70%、100%などさまざまな補償割合を選ぶことができ、補償割合が高いほど支払う保険料も高くなります。
しかし、ここで注意したいのが、補償割合が高くてもペット保険会社が負担する日額上限が低く設定されている場合では自己負担額が多くなり、補償割合の高さもあまり意味がなくなってしまうことです。
1年に利用できる回数が決められている回数制限タイプのペット保険は日額上限が設けられているため、補償割合と自己負担額のバランスをよく考えて選ぶことが大切です。
また、ペット保険によっては保険料を抑えるために、飼い主さんが必ず負担しなければいけない免責金額を設定している場合もあります。
免責金額も高く設定されている場合は自己負担額が多くなりやすいため、保険料とのバランスを考えて検討することをおすすめします。
ペット保険の免責事項には、どういう理由で起こった病気やケガが補償されないかが細かく記載されています。
ほかにも、ペット保険会社の都合により、補償対象外とする病気も免責事項に含まれています。
内容はペット保険会社によって異なるため、しっかり確認しないと後悔するペット保険となってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、ペット保険によっては、ペットが健康であるかを見極めるために待機期間(免責期間)を設けていることもあります。
待機期間中に病気やケガをしてしまった場合は補償の対象とならないのはもちろん、待機期間が明けて補償が開始されてもその病気やケガはずっと補償対象外となります。
なお、補償が開始されてから病気になり動物病院を受診しても、待機期間中に発症したと判断された場合も補償対象外となるため注意してください。
待機期間はペット保険会社によって異なるため、免責事項と合わせて待機期間の有無や日数を確認しましょう。
ペット保険の保険金請求は、対応している動物病院の窓口で精算できる「窓口精算タイプ」と、一旦治療費を飼い主さんが全額立て替えて、後でペット保険会社に請求する「後日精算タイプ」があります。
その場の治療費の負担を軽減したい場合は窓口精算タイプがおすすめですが、窓口精算に対応していない動物病院では後日精算の方法でペット保険会社に保険金を請求しなければいけません。
そのため、窓口精算のペット保険を利用したい場合は、よく行く動物病院が窓口精算に対応しているか確認しましょう。
また、後日精算タイプのペット保険は、インターネットやアプリ、LINEなどから簡単に行えるようになってきたところが多いです。
ただ、一定の金額を超えた場合は獣医師の診断書と書面での請求が必要なペット保険もまだあるため、保険金請求に手間やお金をかけたくない場合は、保険金請求方法もしっかり確認することをおすすめします。
ここでは、一般的なペット保険の乗り換え手続きの流れと、スムーズな進め方を注意点と合わせて解説します。
まず、乗り換えたいペット保険を決めてください。
ペット保険によっては一時的であっても保険の重複を不可としている場合もあるため、確認して補償開始日を重複しないように設定するなど調整しましょう。
また、ペット保険に加入していない期間(無保険期間)をなくすためにも、待機期間も確認することをおすすめします。
ペット保険は審査があり、必ず加入できるとは限りません。
そのため、保険料の二重払いになる期間ができる可能性もありますが、現在のペット保険はまだ解約せずに新しいペット保険の加入申込みを行いましょう。
新しいペット保険の加入申込みは、公式HPからのオンライン申請や、資料請求した際に一緒に同封される書面に記入して郵送申請になります。
この際、通院歴や既往歴などを正しく告知することが大切です。
ペット保険は、加入している飼い主さんたちが保険料を出し合い、必要な飼い主さんに治療費の一部が支払われる「相互扶助」で成り立っているものです。
ウソをついたり忘れていて記入せずに加入した場合、告知義務違反となって以下のようなペナルティが課せられるため、正直に告知してくださいね。
告知義務違反のペナルティ |
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1. 補償を受けることができず保険金はもらえない |
2. 強制解約 |
3. すでに保険金を受け取っていた場合は返還する |
4. 支払い済みの保険料は返還されない |
5. 保険金詐欺として起訴される可能性 |
また、現在契約しているペット保険を記入する欄もあるため、解約予定であっても必ず記入しましょう。
加入申込みを行った当日〜数日中に引受可能か不可かがわかります。
新しいペット保険に加入できたら、現在のペット保険を解約します。
解約はインターネットや電話で行えるペット保険もあれば、書面による解約が必要なペット保険もあるため、ご自身が加入しているペット保険の解約方法を確認しましょう。
また、書面による解約では、書面が正式に受理されるまでは保険期間が続いており、その間に動物病院を利用した場合は保険金の請求が可能です。
ペット保険の乗り換えは、メリットもデメリットもあり、慎重に検討することが大切です。
乗り換え後に後悔しないために、よくある落とし穴やもしものトラブル発生時の対処法について見ておきましょう。
ペット保険の乗り換えでよくある落とし穴は、加入時に条件が追加されてしまったということやシニア期の保険料が高額といったことが挙げられます。
ペット保険の乗り換えを考えるタイミングに多いのが、「ほとんど使ってないから保険料を抑えたい」「病気でよく動物病院を利用するから見直したい」というものです。
現在のペットの年齢の保険料だけを見て乗り換えを決めてしまうと、シニア期になって保険料が高額になり、乗り換えしなければ良かったということも珍しくありません。
また、動物病院を頻繁に利用するようになってから乗り換えを検討すると、病気や特定の部位が補償対象外とされる条件がつけられてしまうでしょう。
現在加入しているペット保険の内容と、新しく加入したいと思っているペット保険の内容をよく確認し、本当に乗り換えるべきかを冷静に考えてみることが大切です。
ペット保険でのトラブルは、主に以下のものが挙げられます。
ペット保険に加入できなかった場合や、改訂によって内容に変更があり不満に思う場合はほかのペット保険に加入申込みをするしかありませんが、そのほかのトラブルにはいくつかの対処法があります。
まず、ペット保険の重要事項説明書や約款は、しっかり読んでおきましょう。
重要事項説明書や約款には補償の対象や更新の条件、解約時の保険料など、事細かに記載されています。
ペット保険のトラブルには、重要事項説明書や約款の確認不足によるものが多いため、まずはしっかり読んで理解しておくことが大切です。
その上で、わからないことがあればペット保険会社に問い合わせてみましょう。
ペット保険でトラブルになることはあまりありませんが、もしもトラブルが発生してしまった場合は、加入しているペット保険会社に相談してください。
相談しても解決しない場合は、専門の窓口に相談すると良いでしょう。
ペット保険会社が損害保険会社の場合は「そんぽADRセンター」、少額短期保険会社の場合は「少額短期ほけん相談室」に相談してください。
知識のある専門の相談員が相談に乗ってくれたり、ペット保険会社との間に入って紛争解決の支援(和解案の提示など)を行ってくれます。
クーリングオフが適用されるペット保険であれば、一定期間内は無条件で申込みの撤回ができるため、内容に納得できないなどの場合はクーリングオフをしてもいいでしょう。
ただし、クーリングオフができる期間は申込日を含めて8日以内としているペット保険が多いため、期日に注意が必要です。
また、クーリングオフをすることは無保険になるということなので、新たにペット保険を探して加入することをおすすめします。
この記事の監修者
老犬・老猫のトータルケアサロン開業を目指すペットライターです。経験や知識を活かして各種メディアで記事の執筆や監修を行っています。
【保有資格】
ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー /
JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格 / ペットフード安全管理者