ペット保険の更新時にやるべきこと|保険料・補償・審査の確認ガイド
ペット保険の更新時にやるべきこと|保険料・補償・審査の確認ガイド

この記事をまとめると
ペット保険の更新時に注意すべき点を紹介。
ポイントは以下の4つ。
- 多くの保険は1年契約で自動更新される
- 更新時に補償内容や保険料が変更されることも
- 病歴によっては条件付き更新や継続不可もある
- 更新案内は内容見直しや他社比較のチャンス
要約
ペット保険の更新案内を確認することで、補償内容や保険料の変更があっても事前に気づくことができる。
更新は見直しの機会となるため、状況に応じて継続か乗り換えかを検討すると良い。
ペット保険は自動更新が一般的なので、ペット保険に更新があることを知らない飼い主さんも多いのではないでしょうか。
更新タイミングに保険会社から通知はありますが、ダイレクトメールだと思って中身を見ていなかったということも珍しいことではありません。
ペット保険を上手に活用するためにも、まずは更新の基本のしくみや自動更新の流れ、通知がきたときに確認すべき内容を知っておきましょう。
ペット保険は1年契約・自動更新が一般的
ほとんどのペット保険は1年ごとの契約です。
契約期間が満了しても、保険会社から特別な手続きを求められることなく自動更新されます。
何もしなくても契約がそのまま継続されるので、ペット保険は1年契約ということを知らない飼い主さんも少なくありません。
しかし、更新のタイミングで補償内容が変わる場合があるので、注意が必要です。
自動更新だからと安心して更新案内の通知を放置してしまうと、知らないうちに補償内容が変更されていたり、条件付きの補償になっていたりすることもあります。
最悪の場合、更新できないという通知のこともあるため、通知が届いたら必ず中身を確認することが大切です。
更新案内の通知時期と確認すべき内容
ペット保険の更新案内の通知は、契約満了日の1〜3ヶ月前に届くことが一般的です。
私は3社のペット保険の加入経験がありますが、3社とも封書で郵送されてきました。
ただ、保険会社によって通知の方法は異なるため、更新時期が近づいたら迷惑メールも確認するなど、見逃さないように注意しましょう。
更新案内の通知には、主に以下のような情報が記載されています。
- ・契約の満了日と新しい契約期間
- ・翌年度の保険料
- ・補償範囲や特約の有無
- ・ほかのペット保険の加入の有無
- ・契約者情報
- ・支払い方法
内容をよく確認し、契約情報に変更がある場合や継続しない場合は手続きを行いましょう。
更新案内の通知は単なるお知らせではなく、ペット保険を見直すタイミングにもちょうど良いです。
内容にわからないことがあれば、保険会社に問い合わせることをおすすめします。
更新案内の通知を見逃さない工夫
保険会社からの更新案内の通知は、日常の郵便物やメールに紛れて見落としがちです。
大切なお知らせなので、見逃さないための工夫をしておくと良いでしょう。
たとえば、
- ・保険会社のマイページを定期的にチェックする
- ・定期的に迷惑メールフォルダをチェックする
- ・契約満了日をカレンダーに記入しておく
などの対策を行うことで、見逃しにくくなります。
更新できないトラブルを避けるためにも、ぜひ実践してみてくださいね。
ペット保険は自動更新されるとはいえ、毎年同じ条件で継続できるとは限りません。
ここでは、更新時に注意したいポイントを見ていきましょう。
年齢による保険料の上昇と更新負担
基本的にペット保険は、年齢が上がるほど保険料が高くなる仕組みになっています。
これは、ペットがシニアになると病気のリスクが上がり、医療費も高くなることが統計的にも明らかになっているからです。
そのため、若い頃は安い保険料でも、10歳を超えると月数万円の保険料になるペット保険もあります。
その差は最初の保険料の何倍にもなることがあるため、大きな家計の負担となりやすいでしょう。
私の愛犬たちの例ですが、次章に保険料の推移をまとめてみました。
【実例】年齢によるペット保険料推移の一例
表で紹介している愛犬たちは10歳をすぎてから加入したため、10歳前の保険料はわかりませんが、別のペット保険に加入している2歳や3歳の若い愛犬たちの保険料は3,000円前後です。
それを踏まえたうえで、以下をご覧ください。
| 愛犬A(ペット保険A:50%プラン) | 愛犬B(ペット保険A:70%プラン) | |
|---|---|---|
| 10歳 | ー | 5,080円 |
| 11歳 | 6,200円 | 5,320円 |
| 12歳 | 7,060円 | 5,340円 |
| 13歳 | 7,930円 | 5,520円 |
| 14歳 | 8,940円 | 5,850円 |
| 15歳 | 10,180円 | 6,050円 |
この後どちらもペット保険の改定があり、保険料が定額になりましたが、それまではペット保険Aのほうがいくらまで保険料が上がるのか更新のたびにヒヤヒヤでした。
上がり幅はペット保険会社によっても異なるほか、現在はほとんどの保険会社のホームページで保険料の推移を見れるのでこんな心配はそうないでしょう。
そうはいっても、更新案内の通知で新しい保険料を確認し、無理なく支払える金額かどうかを見直すことが大切です。
補償範囲や特約が更新時に変わるケースも
ペット保険によっては、更新タイミングで補償内容や特約が変更されることもあります。
たとえば、免責金額が設定されたり、特定の部位や病気が補償対象外になることは珍しくありません。
こうした変更は、更新案内の通知をよく読まずに自動更新してしまうと、知らないうちに適用されていたということになるので注意が必要です。
特に、病気やケガでペット保険を多く利用したり、重い病気で治療中の場合は、こうした変更が起こりやすいと言えます。
ペット保険は基本的に自動更新ですが、保険会社の中には更新時に審査が行われることもあります。
この審査は、今後も契約を続けられるかを判断するものです。
そのため、場合によっては更新できないということも起こるため、更新拒否のリスクと対応策を知っておくことも大切です。
過去の保険利用状況や告知内容が影響することも
更新時の審査では、更新前の保険期間中にかかった病気やケガの種類や程度、保険金の請求状況が精査されます。
たとえば、心臓病や腎臓病など慢性の病気で高額な治療費がかかったり、ガンなどの病気で高額な治療費がかかることが想定される場合は、条件付きでの更新や更新不可となる可能性もあるのです。
もちろん、どんな病気にかかっても最初に加入したときの条件のまま継続できるペット保険もあり、必ずしも更新できないというわけではありません。
心配な場合は、あらかじめ更新時に条件を追加したり、更新不可とすることがないと明記しているペット保険を選ぶと良いでしょう。
また、契約時に告知した内容に誤りや漏れがあった場合も、更新できないといった影響があります。
告知内容に誤りや漏れがあった場合は、気づいた時点で正しく申告し直すことで不必要な契約解除を避けることができます。
「条件付き更新」や「更新不可」になる理由とは
では、どうして「条件付き更新」や「更新不可」になるのでしょうか。
ペット保険は、加入者同士の助け合いによる「相互扶助」の仕組みで成り立っています。
加入者全体の保険料を集め、その中から治療費の補償をまかなうため、保険会社は将来的なリスクが大きいと判断した場合に、条件をつけたり更新を認めなかったりすることがあります。
一見冷たく感じるかもしれませんが、保険制度を公平に維持し、すべての加入者が安心して利用できる状態を保つために必要な仕組みです。
「条件付き更新」や「更新不可」の可能性があることを理解したうえでペット保険を利用すれば、トラブルになることもなく活用することができるでしょう。
とは言え、通常の範囲で利用していれば、条件付き更新や更新不可となることはほとんどないと言えます。
実際、私の高齢の愛犬の1匹は心臓病やクッシング症候群、ガンなどで長年にわたり頻繁にペット保険を利用していました。保険金請求も年間の補償限度額に届きそうな勢いです。
更新時はいつも更新できないのではないか、条件が付けられるのではないかとドキドキでしたが、加入したときの条件のまま継続できていましたよ。
もちろん、保険会社によって対応は異なるので、自分が契約している保険の約款や更新条件を確認しておくと良いでしょう。
「条件付き更新」や「更新不可」になったときの備え方
もし更新時に、特定の部位や病気が補償対象外という条件が付いた場合、その病気以外は今まで通りに補償されるので、保険契約が無効になるわけではありません。
条件付き更新になったことで別のペット保険に乗り換えを検討する飼い主さんもいますが、当然別のペット保険でも条件付きの加入となるので、乗り換えなどは慎重に検討する必要があります。
ただ、更新不可となった場合では、別の保険会社が条件付きで加入を認めてくれることもあるので、まずは相談してみると良いでしょう。
ペット保険によって加入できない病気なども異なり、SNSでは実際に更新不可となったけれど他のペット保険に加入できたことを喜ぶ飼い主さんの声を見ることもできますよ。
ふだん、ペット保険を見直そうと思っても、後回しにしがちではないですか?
ペット保険の更新タイミングは、補償内容や保険料を見直すチャンスの時期でもあります。
ここでは、ペット保険の更新時に見直すポイントや乗り換えとの違いをまとめてみました。
現在の補償内容がペットの年齢や健康状態に合っているか確認
更新時には、現在の補償内容がペットに合っているか以下のリストでチェックしてみましょう。
- 1. 通院・入院・手術などの補償範囲が、ペットの年齢やかかりやすい病気に合っているか
- 2. 年間補償限度額が、今後の医療費をまかなえる金額になっているか
- 3. 自己負担割合(30%・50%など)が、家計の負担と釣り合っているか
- 4. これまでにかかった病気や慢性の病気に対して条件がついていないか
- 5. 保険料の上昇幅が家計に無理のない範囲かどうか
- 6. 同じ条件で他社と比較して、補償内容が不十分であったり保険料が高すぎていないか
こうしたポイントを一つずつ見直すことで、継続するか乗り換えるかを判断しやすくなります。
更新と乗り換えとの違い
ペット保険の契約を見直すときに、更新と乗り換えでは大きな違いがあり、安易に判断することはおすすめできません。
「更新」は、基本的にはこれまでかかった病気や健康状態、年齢に関係なく、現在の契約をそのまま継続することです。
ただし、保険会社によっては条件付きで更新となることもあり、これまでと同じ補償内容とは限りません。
一方「乗り換え」は、ほかのペット保険に新しく加入することを指します。
補償内容や保険料を変えることができますが、これまでかかった病気や健康状態、年齢によっては条件付きの加入となったり、加入自体を断られてしまうこともあります。
そのため、契約条件やリスクを慎重に考えた上で、更新するか乗り換えるかを判断することが大切です。
ペット保険の加入を検討している飼い主さんも、現在のペット保険から乗り換えを検討している飼い主さんも、せっかくなら後悔しないペット保険を選びたいですよね。
ペット保険はペットの万が一のときの備えではありますが、保険料だけに気を取られてしまうと、いざ必要なときに使えないこともあります。
ここでは、長年ペット保険を利用している飼い主としてだけでなく、これまで仕事でさまざまなペット保険を調査してきたからこそわかる、失敗しないペット保険の選び方をご紹介します。
ポイントは、
- ・補償内容は何を重視するか
- ・ペットがかかりやすい病気が補償対象になっているか
- ・シニア期以降の保険料は継続できる金額か
- ・更新の条件は納得できるものか
です。
わかりやすいように詳しく解説しますね。
補償内容は何を重視するか
ペット保険を選ぶときに、最初に悩むのが補償内容でしょう。
ペット保険は大きく分けて、通院・入院・手術を補償してくれるフルカバータイプと、入院や手術だけなど特定の治療を補償する一部カバータイプの2種類があります。
保険料で言えば、フルカバータイプのほうが高めに設定されていて、一部カバータイプはそこまで負担とならない保険料であることが多いです。
ペットの年齢やかかりやすい病気、ペット保険をどう使いたいかで、どちらのタイプが良いかは異なってきます。
しかし、ペットがシニアになると通院頻度が増え、治療費も高額になる傾向があることを考えると、最初からフルカバータイプのペット保険に入っておいたほうが結果的に治療費の負担を抑えられる場合もあります。
高齢の愛犬の場合ですが、心臓病とクッシング症候群の治療で、毎月5〜6万円の治療費がかかっていましたよ。
体調を崩せば+αの治療費もかかるので、シニア期のことも考えて加入することが大切です。
病気になってからでは新規加入はもちろん乗り換えやプラン変更も難しく、契約できたとしても条件付きとなってしまうので、何を重視するかは慎重に考えましょう。
ペットがかかりやすい病気が補償対象になっている
ペット保険によって補償対象とする病気は異なるため、愛犬や愛猫がかかりやすい病気が、補償対象になっているか確認しましょう。
ペットの病気はさまざまありますが、犬種や猫種によって特にかかりやすい病気というものも存在します。
ペット保険の中には、心臓病や腎臓病などの慢性の病気や、歯周病やパテラ(膝蓋骨脱臼)などペットに多い病気が補償されないものもあるため、よく確認することが大切です。
また、一部のペット保険はペットがシニア期に入ってからシニアがかかりやすい病気が補償から外されているものもあるので注意してください。
約款や重要事項説明書を読むことで、そうしたペット保険を避けることができます。
シニア期の保険料が継続しやすいもの
ペット保険の保険料は、ペットの年齢に応じて高くなる仕組みになっています。
生涯お世話になることを考え、ペットの現在の年齢の保険料だけでなく、15歳や16歳などシニア期の保険料も確認しましょう。
ペット保険の中には、加入したときの10倍以上の保険料というものもあります。
飼い主さんがどんなに気を付けていても、シニアになるとさまざまな病気にかかりやすくなるため、保険料が払えなくなって解約するということがないように先々まで見越しておくことが大切です。
シニア期の保険料が心配であれば、ある程度の年齢で定額になるペット保険を選ぶのもいいかもしれません。
更新の条件が納得できるもの
ペット保険は1年ごとに自動更新されますが、必ずしも更新できるとは限らないペット保険もあります。
たとえば、年間補償限度額に達した時点、年間利用回数に2年連続達した時点、生涯補償限度額に達した時点で契約終了ということも実際にあるのです。
また、通常回数制限が設けられているペット保険は更新時に回数がリセットされるのが一般的ですが、中には病気が完治するまで回数がリセットされないものもあります。
完治することがない心臓病や腎臓病、ホルモンの病気などでは一生リセットされないため、よく理解して加入する必要があるでしょう。
保険料だけで選んでしまうとこうしたことを見逃してしまうため、更新の条件にも目を向けることが大切です。
更新時は補償内容や保険料を見直すチャンスです。条件をよく確認し、納得できるペット保険を選ぶことが大切です。比較ページも参考にして、最適な保険を探してみてください。
この記事の監修者

老犬・老猫のトータルケアサロン開業を目指すペットライターです。経験や知識を活かして各種メディアで記事の執筆や監修を行っています。
【保有資格】
ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー /
JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格 / ペットフード安全管理者 / メディカルトリマー
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