愛犬の目が白くなってきた、物によくぶつかるようになったなどの異変が起こったら白内障の可能性が高いです。
特に高齢犬の白内障は年々増加しており、最終ステージにまで達すると、手術をしなければいけません。
犬の手術に必要な費用金額は、片目だけで最低でも20万円程度必要です。
できるだけ、費用がかからないようにするためにも、早めの対策が必要ですよね。
そこで今回は、高齢犬によく見られる白内障の症状や治療の内容、手術の費用金額などについて、解説していきます。
この記事をまとめると
高齢犬の白内障は、進行すると視力を失い、日常生活に支障をきたす可能性がある。
ペット保険に加入することで、高額な治療費の負担を軽減し、愛犬の健康を守ることができる。
ポイントは以下の3つ。
- 高齢犬の白内障は、犬の眼科疾患の代表的なもので、手術は片目で20〜30万円と高額
- ペット保険は、白内障の手術も多くの保険で補償対象
- ペット保険に加入する際には、補償対象や割合、免責事項などを事前に確認する
要約
高齢犬の白内障は、犬の眼科疾患の代表的なもので、水晶体が濁って視力が失われる病気です。白内障の手術は、片目で20〜30万円と高額なため、ペット保険の加入を検討する飼い主も多いでしょう。
ペット保険は、犬の病気やケガの治療費を補償する保険です。白内障の手術も、多くの保険で補償対象となっています。ただし、補償割合や保険料は保険会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
白内障とは目の水晶体の一部や全体が白く濁って、視力が失われていく目の病気です。
人間と同様に、犬にも白内障があり、発見や治療が遅れるほどに白い範囲が広くなっていき、
ついには視力を失ってしまうケースもよく見受けられます。
犬が白内障になると、次のような症状が起こります。
- 視力が下がる
- 視界が狭くなり、物にぶつかりやすくなる
- 太陽の光などがまぶしくなる
白内障にはいくつかのステージがあり、初期症状の段階ではわかりにくいです。
しかし、普段の生活の中で、次のような症状により、散歩を嫌がったり、物にぶつかったり、光を避けるようになったりすることが多い場合は、白内障を疑ってみてもいいかもしれません。
高齢になるほど、犬の白内障の発症率が上がるため、年齢を重ねるほどに定期的な目の検査をおすすめします。
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犬の白内障は、先天性や後天性、その他の病気の影響などのいくつかの原因があります。
それらの原因により、目の水晶体の中にある水晶体液がうまく代謝されなくなると、白く濁って白内障になってしまうのです。
犬の白内障の原因を見ていきましょう。
生まれつきなどの先天的な原因
先天性の犬の白内障とは、遺伝が原因の白内障です。
生まれつき発症しているケースと、生まれてから8歳までに発症するケースがあります。
いずれの場合も、遺伝的に代謝機能が劣っているため、対策をしていても目の水晶体が白く濁り、白内障になってしまいます。
一般的に白内障は、高齢犬によく見られますが、先天的な原因の場合は、生まれつき、もしくは若いうちに症状が現れるのが特徴的です。
外傷などの後天的な原因
何らかの衝撃により目の水晶体に損傷が起こり、水晶体の代謝が阻害されるなどの後天的な原因の犬の白内障もあります。
例えば、目に何かが飛んできたり、散歩中に枝などの鋭利なものが目に刺さるなどのアクシデントです。
または、空気汚染の影響で水晶体に炎症が起こり、白内障に発展するケースもあります。
紫外線の刺激
紫外線は、肌だけではなく上にもダメージを与えます。
年々日差しが強くなり、紫外線対策が徹底されている中、人間はサングラスなどで対策ができますが、犬の紫外線対策はまだ一般的ではありません。
目に紫外線を浴び続けると、大量に発生した活性酸素が目の水晶体を傷つけます。それによって、炎症が起こり、水晶体のタンパク質の代謝機能が低下して白内障を引き起こします。
そのため、紫外線が強い日は、犬の散歩を避けた方が賢明です。
糖尿病の影響
人間にも糖尿病の影響による白内障があるように、糖尿病の基礎疾患が原因で白内障になる犬が多いです
糖尿病になる、目の水晶体の内部の代謝が妨げられ、白内障のリスクが上がります。
また、糖尿病により、抵抗力が弱まっているため、目に外傷を受けやすく、白内障の手術の際もリスクが高いので治療が困難です。
アトピー性皮膚炎の影響
アトピー性皮膚炎が引き金となって、白内障を発症する犬もいます。
アトピー性皮膚炎の症状で、一番辛いのがかゆみですね。
それは、人間も犬も同じで、掻きむしることで悪化しますが、犬の場合は、掻きむしりを防止するのが難しいです。
犬の場合は、目の粘膜やまぶたなどの皮膚が柔らかい部分にアトピー性皮膚炎が出やすく、掻きむしりにより炎症が起こって、そこから白内障を発症するケースが多いです。
犬の白内障には4つのステージがあり、初期症状の段階では、気づかない場合がほとんどです。
健康診断で目の検査をしていれば別ですが、普段の生活の中で、素人の飼い主が犬の異変に気づくのは困難です。
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初発白内障
初発白内障は、目の中の水晶体のふちが少し白くなっている程度の症状です。
犬自身も、視力がかなり低下するなどの症状がないため、この段階では異常に気づく事はありません。
未熟白内障
未熟白内障のステージになると、水晶体の白い部分が広がり、白濁が濃くなってきます。
視界がぼやけたり、霞んだりして視力が低下してくるので、犬自身も異変を感じてきます。
目をこすり始めるのも、この頃なので、飼い主さんが少しずつ異変に気づくステージでもあります。
成熟白内
3つ目の成熟白内障になると、水晶体の白い部分がかなり目立ってきて、誰が見ても白内障だとわかるレベルです。
視力がかなり低下し、散歩を嫌がったり、ものにぶつかったりすることが増えます。
過熟白内障
過熟白内障は、白内障の最終段階で、非常に危険な状態です。
ひとつ前のステージの成熟白内障よりも目の色がクリアになって、回復したように見えますが、実際には違います
濁った水晶体が溶け出しているために、目の色がクリアになったように見えているだけであり、失明をする可能性が非常に高くなっています。
4つのステージのそれぞれの症状をしっかり知っておくことが、早期発見につながります。
犬の白内障の症状のステージによって、治療方法が違います。
比較的、症状が軽い場合は、点眼薬を使った内科的な治療、症状が重い場合は手術治療が一般的です。
それぞれの治療方法を詳しく見ていきましょう。
内科的治療
未熟白内障までの初期ステージの白内障の治療には、点眼薬や内服薬を使った内科的治療が行われます。
点眼薬や内服薬だけでの完治は難しいですが、白内障の進行を遅らせることができ、手術よりも安全で費用も安く、メリットが多いです。
点眼薬で使用されるのは、ピレノキシン製剤やNアセテルカルノシンが多く、水晶体の酸化を防ぐことで白内障の症状の進行を遅らせる治療内容です。
外科的治療
成熟白内障や過熟白内障の段階になると、手術によって白い部分を取り除く外科的治療が行われます。
特に、最終ステージの過熱白内障では、合併症に発展する恐れがあるため、できるだけ早く外科的治療を行う必要があります。
外科的治療では、濁った水晶体の部分を超音波の振動で取り除き、人工レンズを入れる方法が一般的です。
手術の判断は慎重に行われ、次のポイントが基準になります。
- 白内障の症状のステージ
- 緑内障になっていないか
- 飼い主が手術後の管理を行えるか
- 犬の性格や年齢
これらのチェックポイントで手術できるかできないかの判断が行われ、医師と飼い主で最終決断をした後に、手術が必要な場合は、行われます
手術を行うと、4日程度入院が必要で、入院中は投薬や点眼治療が行われます
退院後は、1週間程度の間隔で定期的な検査が行われて、早ければ1ヶ月後には、普通に生活できるようになります。
白内障の手術は、片目で20万~40万円かかるほか、術前の眼科の精密検査、術後の通院、投薬、合併症がある場合はその治療などの費用が別途かかります。両目の手術では50万円以上かかります。
犬の白内障の治療の金額の目安は、次のようになります。
例えば、再診で小型犬の白内障手術をした場合、入院が4日間ですと、合計で280,000~285,000円程度になります。
犬の白内障は先天性でない限り、普段の過ごし方で、ある程度は予防することができます。
実際に白内障になってしまうと、手術などの金額が高くなるので、費用を抑えるためにも普段から予防対策をしておきたいですね。
ここで、犬の白内障を予防する3つの方法をご紹介します。
外科的治療
水晶体の衰えや水晶体液の代謝の低下が加速すると、水晶体が白濁しやすくなり白内障の発症リスクが高まります。
そのような事態を防いでくれるのが、ビタミンEやC、βカロテン、ルテイン、プロポリス、アガリクスのような栄養素です。
これらの栄養には抗酸化作用や免疫力を高める効果があり、白内障の発症の抑制が期待できます。
中でも、ビタミンCは抗酸化作用抜群なので積極的に摂りたい栄養素です。
例えば、次のような食材がおすすめです。
- りんご
- かぼちゃ
- さつまいも
- レバー
- じゃがいも
- 卵
- ココナッツオイル
これらの食材を使っての食事の用意が難しい場合は、犬の白内障予防用のサプリメントの摂取もおすすめです。
外出の後は目のケアを心がける
散歩などで外出した後は、目にゴミが入っていたり、紫外線のダメージを受けて弱っている恐れがあります。
目が乾燥した状態でゴミが入っている、紫外線のダメージを受けたままになっていると、そこから炎症が起こり、白内障になる可能性が高いです。
そのため、外出の後は動物病院などから処方された人工涙液を点眼して目を保水してあげましょう。
犬をはじめとしたペットには、人間のように健康保険の加入義務がありません。
しかし、ペットの医療費の負担を軽減する目的で1995年より誕生したペット保険は、現在、定着化しつつある任意保険です。
ペット保険に加入しておくと、もしもの時の費用金額の何割かを負担してくれるため、飼い主の負担がかなり軽減されます。
- 病気の治療のための診療費や処方薬代金、処置費用など
- 入院に必要な費用
- 手術に必要な費用
例えば、犬の白内障の手術の金額は、片目だけで20万円~30万円と想像以上に高いので、治療費用の準備に困る飼い主が多いことでしょう。
そんな「もしもの時」にこそ、ペット保険が役立つのです。
ペット保険によって割合が違います。
一般的には3割負担が多く、かなり万全に備えている飼い主さんでは7割負担のペット保険への加入も珍しくはありません。
犬の年齢にもよりますが、年齢が高くなるほどに医療費用負担の割合が高い保険に入っておくのがベスト。
可愛い愛犬のためのペット保険加入は、検討してみる価値ありです。
ペット保険の選び方に迷った時には、どのようなポイントを比較すればよいのでしょうか。
おさえておきたいポイントを、ご紹介します。
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ペット保険の選び方
いざペット保険に加入しようと思っても、どの程度の補償が自分たちに必要かを見極めるのは、大変難しいものです。
自分たちに必要な補償はどのようなものかを吟味し、適したペット保険を選ぶようにしましょう。
ペット保険の選び方には、チェックすべきポイントを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
加入条件である設定年齢内に当てはまるか
ペット保険の選び方の第一ポイントが、加入条件の年齢制限の確認です。
加入条件には「〇〇才まで加入可能」などの条件が設定されています。
自分のペットが、その年齢に該当するかをチェックし、加入可能かを確認することからペット保険選びをスタートさせましょう。
せっかく気に入ったペット保険を見つけても、加入条件を満たしておらず加入できなくては、仕方ありません。
そのような事態を避けるためにも、ペット保険に加入するなら若いうちから入ることをおすすめします。
若いうちに加入することで、終身補償を受けることができ、保険費用を安く抑えられるメリットがあります。
入院補償
入院補償には、日額上限や、何日以上の入院で補償されるなどの条件が設定されています。
ペット保険の選び方に迷ったら、自分たちがどの程度の補償を求めるかをよく考えましょう。
手術補償
大きなケガや病気をして、手術を受けることになった時に心強いのが手術補償です。
ペット保険の選び方として、大きなケガや病気に備えるか、日ごろの小さなケガや病気による通院に備えるか、といのも一つのポイントです。
手術費用は「全額自己負担」となりますから、思わぬケガや病気にも、医療費を心配せずに治療に専念することができるという点では、ニーズの高い補償となっていますが、自分たちに必要な補償かどうかはよく検討しましょう。
通院補償
ペット保険の中には、通院までカバーしてくれるものがあります。
入院や手術をするような大きなケガや病気ではないけれど、通院を複数回するケースもあるということを念頭において、必要な補償か否かを検討しましょう。
健康相談窓口
ペット保険によっては、電話やメールによる健康相談を受け付けているところもあります。
病院に行くべきか迷った時に、相談できる場所があるというのは、大変ありがたいものですから、こちらも選び方のポイントの一つとして検討してみてください。
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