心臓病はペット保険で補償対象?
心臓病はペット保険で補償対象?

この記事をまとめると
心臓病とは、心臓の働きや構造に異常が生じる病気の総称です。
犬では「僧帽弁閉鎖不全症」や「拡張型心筋症」、猫では「肥大型心筋症」が多く見られます。
心臓病の初期には目立った症状がないため、病気が進行してから気づくことが多いです。
注意点は以下の2つ。
- 保険会社や心臓病の種類や進行度によっては、補償対象外となる場合がある。
- 心臓病の持病や既往歴がある場合は、加入できない場合がある。
要約
心臓病はペット保険で補償される場合が多いですが、加入時に病歴の確認が行われ、すでに心臓病を発症している場合は補償の対象外となることが一般的です。
心臓病のリスクがある場合は、健康なうちにペット保険への加入を検討することが推奨されています。
心臓病というのは、心臓の働きや構造に異常が起こる病気の総称です。
一口に心臓病といってもいろいろな種類のものがあり、犬と猫ではかかりやすい病気も違ってきます。
症状
犬がかかりやすい心臓病としては「僧帽弁閉鎖不全症」と「拡張型心筋症」があげられます。
僧帽弁閉鎖不全症は小型犬、中型犬に多いとされています。一方の拡張型心筋症は大型犬が発症しやすい病気です。
猫がかかりやすい心臓病には、「肥大型心筋症」があります。
具体的な症状としては、
・咳
・元気がなくなる
・痩せてくる
・運動を嫌がる
・チアノーゼ(血液中の酸素不足により、皮膚や舌が青っぽい色になる症状)
・呼吸困難
・失神
などがあげられます。
実は「僧帽弁閉鎖不全症」「拡張型心筋症」「肥大型心筋症」といった心臓病は初期段階では目に見える症状がほとんど見られません。
そのため知らないうちに病気が進行し、症状が目に見えるころには重症化していることもあります。
中には突然死してしまうケースもあります。
ペットの様子がいつもと違うと思ったら、すぐに動物病院に連れていきましょう。
他にもペットがかかる心臓病には、動脈管開存症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄症、フィラリア症、心臓腫瘍など様々な種類があります。
原因
僧帽弁閉鎖不全症は心臓内の僧帽弁の働きに異常が起こり、血液が逆流することで発症します。
高齢の小型犬は特に要注意です。
僧帽弁閉鎖不全症の原因は遺伝因子や加齢によるものといわれています。
拡張型心筋症は何度も膨らませたゴム風船のように心臓の筋肉が薄くなってしまい、収縮能力が弱まることで発症します。
収縮能力が低下するということは、血液を全身に送る力が弱くなるということです。
この結果、心臓にある4つの部屋が拡張し、様々な症状が現れるようになります。
ドーベルマンやセントバーナードなどの大型犬種がかかりやすい病気ですが、スパニエル種でも多発しています。
拡張型心筋症の原因については遺伝によるものという説もありますが、まだ特定されていません。
肥大型心筋症は拡張型心筋症と同じく、心臓の筋肉に異常が起こる病気です。
肥大型心筋症では心臓の筋肉が肥大し、心臓の各部屋が圧迫されて血液の流れが悪くなります。
遺伝的な要因の他、タウリン不足も肥大型心筋症の原因の1つといわれています。
猫は体内でタウリンを合成する能力が弱く、肥大型心筋症になりやすい動物です。
発病する年齢は幼少期~高齢期と幅広く、心臓病=高齢猫と決めつけるのは危険です。
心臓病の治療費や治療方法について以下にまとめてみました。
これは一般的な治療例ですが、実際の料金は動物の種類や症状の重さ、治療方法によって異なります。
具体的な数字が知りたい場合は、かかりつけの動物病院に問い合わせてみましょう。
[一般的な治療モデル]
治療内容 | 検査、投薬、稀に手術 |
---|---|
治療費合計 | 月間約1万~4万円程度
手術費約100~200万円 |
心臓病の治療では検査で原因を特定した後、投薬などの内科的処置を施すのが一般的です。
一度心臓病が発病すれば、心臓の機能を元に戻すことはできません。そのため様々な薬で心臓の負担を軽減し、病気の進行を抑制していきます。
心臓病に用いられる薬には以下のようなものがあります。
・血管拡張薬(血管を広げて血液の流れを改善する)
・利尿剤(心臓の負担を減らし、むくみをとる)
・強心薬(心臓の収縮能力を強くする)
・気管支拡張薬(咳の症状を緩和する)
・抗不整脈薬(不整脈解消)
症状が軽い場合は通院で検査や投薬治療ができますが、呼吸困難や心不全状態の時は入院が必要になる可能性が高くなります。
また一部の動物病院では、心臓病の手術を手掛けているところもあります。
ただし動物の心臓病手術には高い技術と十分な設備が必要になるため、動物病院選びは慎重に行わなくてはなりません。
心臓病は、一度発症すれば生涯の治療が必要になります。
医療費がかなり高額になるのが心配ですが、お金の為に大切なペットの命をあきらめたくはないですね。
こんな時に心強いのがペット保険です。
プランの内容にもよりますが、ペット保険ではおおむね治療費の5~7割を負担してくれます。
ペット保険に加入していれば飼い主の出費をぐっと抑えることができます。
ただし、心臓病対策としてペット保険に加入する際には注意しなければならないことがあります。
ペット保険に加入する場合、申し込み時に病歴のチェックが行われるのが一般的です。
一度心臓病にかかってしまうと、後からペット保険に加入しても心臓病に関しては補償対象外になってしまったり、そもそも保険に加入できなくなってしまったりすることがあります。
既往病の扱いはペット保険会社によって対応が異なりますが、できるだけ健康なうちにペット保険への加入を検討することが大切です。
猫の場合拡張型心筋症を予防するためには、タウリンが不足しないような食事を与えることが大事になります。
犬と一緒に飼育しているからドッグフードを与えている、など猫の体に合わない食事をさせることは避けてください。
一般的なキャットフードには、猫にとって必要なタウリンが十分配合されています。
猫には猫の体にあった食事を食べさせるようにしましょう。
ただし、市販のキャットフードの栄養バランスが整っているとしても、拡張型心筋症の発病を必ず避けられるわけではありません。
犬にしても猫にしても心臓病の予防方法は残念ながら確立されていません。
心臓病は初期症状がないものが多く、気が付かないうちに重症化していることもあります。
定期的な検診を受けて発病を見逃さないようにすること、早期に治療を開始し症状の進行を遅らせることが重要です。
また日ごろから心臓に負担をかけないように、肥満にならないようにすること、塩分の多い食事を摂らないよう注意することも大事です。
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犬を上手に散歩させるコツや散歩マナー肥大した心臓は正常な心臓と比べて収縮力が著しく低下し、「肺で酸素を補給した血液を全身に送り出す」という心臓本来の働きが十分にできなくなります。
そのため、全身で血液が滞留して発症するうっ血性心不全や肺に水が溜まる肺水腫など、命に関わる症状が発生するリスクが高まり、最悪の場合突然死するケースもあります。
犬の場合は10歳を超えると10頭に1頭が心臓病にかかっており、猫に最も多い心臓病である肥大型心筋症は有病率が15%だというデータがあります。
心臓病の診断は、X線検査・心エコー図検査・心電図検査・血液検査などで行いますが、特に心エコー図検査が重要です。
健康診断を受ける際には、血液検査だけでなくX線検査や心エコー図検査などをプラスするとより安心です。
猫に多く致死率の高い動脈血栓塞栓症
動脈血栓塞栓症は心臓の中に血液が停滞することが原因で血栓が作られ、その血栓が動脈に詰まって発症します。
血栓ができる原因は、犬では犬糸状虫(フィラリア)症をはじめとする心疾患、内分泌疾患、自己免疫性疾患、腫瘍などです。
しかし、動脈血栓塞栓症は犬にはあまり見られず、猫に多いという特徴があります。
動脈血栓塞栓症の症状は、心臓病によくみられる「何となく元気がない」「疲れやすく動くのを嫌がる」などの慢性的な症状ではありません。
強い痛みを伴って突然後肢が麻痺し、呼吸困難や嘔吐など急激に発症するため、「特に原因がないのに愛猫が突然ギャッと鳴いてその後隠れて出てこなくなる」などの症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
血栓が詰まった場所により症状は異なりますが、好発部位は後肢です。
特に両側後肢に発症しやすく、血流がほとんど無くなるため麻痺の他にパットの色が暗い紫色になり冷たくなるなどの症状がみられます。
治療は、痛みを抑えると同時に血栓を溶かすための投薬、点滴治療などの集中治療を行いますが、動脈血栓塞栓症になった場合の生存率は12~45%とされており一般的に予後不良です。
また、いったん回復しても再発することが多いといわれているため、愛猫の命を守るためには動脈血栓塞栓症を予防することが最も重要です。
肥大型心筋症の猫の約1割が動脈血栓塞栓症を発症するというデータがあるので、アメリカンショートヘア、ペルシャ、メインクーン、スコティッシュフォールド、ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャットなどの肥大型心筋症になりやすい猫種は、定期的な健康診断を受けて心疾患の早期発見を心がけましょう。
心臓病が補償対象になっているかどうかはペット保険によって変わります。
基本的には補償対象となっていることが多いですが、加入時はペット保険会社のサイトや資料ページをよく比較検討し、心臓病について補償されていることを確認しましょう。中には一度心臓病を発症すると翌年はペット保険を更新できない、というようなパターンもあるので要注意です。
よく分からない時は、保険会社の窓口に問い合わせてみると安心です。
また、ペット保険の多くは健康食品、医薬部外品の料金をサポートしていません。
健康なペットの病気予防費用も補償対象外です。
例えば犬にはフィラリア症という蚊に刺されることで発症する心臓病があります。
フィラリア症は定期的な駆除薬を投与することで予防することができますが、このような予防費用はペット保険の支払い対象外になります。
加えて心臓病を発症してからあわててペット保険に加入しようとしても、保険金が支払われない場合がほとんどであることを覚えておきましょう。
補償可能となる期間は、保険会社によって様々です。
中には、保険料が払い込まれていない段階で発症した病気は補償対象外というものもあります。
ペット保険の基本は「ペット保険に加入してからの病気や怪我で、かつペット自身に症状が現れてから補償対象になる」というものです。
病気になったり怪我をしたりする前のほうが、ペット保険に加入するメリットが大きいのです。
保険金が必要になってから加入し、補償を受けるというのは基本的にできません。
もし現段階でペット保険への加入を検討している場合には、早めに手続きをするようにしましょう。
心臓病やその他の病気に備えてペット保険を検討する方へ「ペット保険比較表」はこちら。ご契約の際は引受保険会社のパンフレット、webサイト等で商品資料をご確認の上、お申込みください。
また、重要事項等の説明もあわせてご確認くださるようお願い申し上げます。
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