ノルウェージャンフォレストキャットは、大きくて筋肉質な身体とセミロングの毛が印象的な猫種です。
スカンジナビア半島で何世紀にもわたって進化を遂げ、1970年にはノルウェーの公式な国の猫種として認定されました。
サイズが大きいため非常に存在感がありますが、とても優しく愛嬌があり、遊ぶのが大好きな性格をしています。
現在ノルウェージャンフォレストキャットを飼育している、あるいは飼育を検討しているという方は多いのではないでしょうか。
そして、猫を飼うときに考えなければいけないことの1つがペット保険に加入するかどうかです。
ここではノルウェージャンフォレストキャットに多い病気についてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事をまとめると
ノルウェージャンフォレストキャットに多い病気やケガは以下の3つ。
- 肥大型心筋症:心臓の筋肉が厚くなり、心臓の働きが低下する病気。元気がなくなる、呼吸が苦しくなるなどの症状が出る。
- 糖尿病:血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下する、あるいは足りなくなる病気。水を飲む量が増える、おしっこの量が増えるなどの症状が出る。
- 骨折:猫の中でも特に身体が大きいノルウェージャンフォレストキャットは、どうしても関節に負担がかかりやすく骨折をしやすい。痛みのある肢を上げて歩く、患部が熱を帯びて熱くなる、患部が腫れるなどの症状が出る。
要約
ノルウェージャンフォレストキャットは、長毛種であるため、毛球症のリスクが高い。
また、筋肉質で体重が重いため、関節炎を発症しやすい傾向がある。
定期的な健康診断や、日頃の健康管理を心がけることで、病気の予防に役立つ。
ノルウェージャンフォレストキャットの特徴・遺伝性疾患
猫は猫種によってそれぞれ特徴があり、なりやすい病気も異なります。
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットの特徴と遺伝性疾患についてみていきましょう。
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身体的特徴
まずは、ノルウェージャンフォレストキャットの身体的特徴についてご紹介します。
身体的特徴や性格を理解したうえで飼育を行うことで、病気になるリスクを低減することができますよ。
肥満になりやすい
ノルウェージャンフォレストキャットはもともとハンターとして暮らしていた猫種で、厳しい自然環境の中で動き回っていました。
人間に飼育されるようになってからも、農家でネズミなどを捕える仕事をしていました。
運動するのが当たり前だった猫種のため、室内飼いで運動量が減ると一気に太って肥満になっていまいます。
関節に負担がかかりやすい
猫の中でも特に身体が大きいノルウェージャンフォレストキャットは、どうしても関節に負担がかかりやすくなってしまいます。
太っている場合は、関節への負担がさらに大きくなります。
愛猫がおかしな走り方をしている場合にはすでに不快感を感じている可能性があるので、要注意だといえるでしょう。
毛を飲み込みやすい
猫は自分自身で身体をなめて毛づくろいをしますが、そのときに毛を飲み込んでしまいます。
飲み込む量が少なければ自然に排出されるため問題はありませんが、ノルウェージャンフォレストキャットは長毛種のため毛を飲み込み過ぎてしまう可能性があります。そのため、毛球症には十分に気を付けなければいけません。
遺伝性疾患
純血種は近親交配で生まれる個体が多いことから、遺伝性疾患を持っていることが少なくありません。
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットに多い遺伝性疾患をご紹介します。
肥大型心筋症
心筋が厚くなることで血液を全身に送り出しにくくなる病気で、進行すると心不全や大動脈血管塞栓症などを引き起こします。
また、最悪の場合には突然死する可能性もあります。
初期は症状が出にくい病気のため、定期的に聴診や胸部レントゲン、心臓のエコー検査などを受けさせる必要があるといえるでしょう。
糖尿病
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下する、あるいは足りなくなる病気で、進行すると重篤な合併症を発症する可能性があります。
原因は遺伝もありますが、すべての猫がかかりうる病気で、肥満や加齢、ストレスなどもリスクファクターとなります。
水を飲む量やおしっこの量が増えた場合には注意が必要です。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
赤血球にエネルギーを供給するために必要な、ピルビン酸キナーゼという酵素が不足する病気です。
赤血球が壊れることによって、貧血の症状を呈します。
軽度の場合には症状が出ないことも少なくありませんが、悪化すると疲れやすくなるなどの症状が出るようになります。
進行性網膜委縮
網膜が委縮することにより視力が低下する病気です。
猫では非常に稀な病気ですが、ノルウェージャンフォレストキャットはこの病気にかかる可能性があるため気を付ける必要があります。
症状としては、始めは暗い場所で物が見えにくくなります。その後、症状が進行すると明るい場所でも視力が低下し、最終的には失明に至ります。
愛猫が病気になったときに治療するのが大切なのはもちろんのことですが、普段から病気の予防を心掛けることはもっと重要です。
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットを飼育するときに気を付けたいことについてご紹介します。
飼育時に気をつける事
まずは、ノルウェージャンフォレストキャットを飼育するときの基本的な注意点についてみていきましょう。
コミュニケーションを取る
ノルウェージャンフォレストキャットは、愛情深く遊び好きで、他の猫や飼い主とコミュニケーションを取るのが大好きな猫種です。
寂しがらないように、しっかりとスキンシップを取ってあげましょう。
ストレスを溜めさせないことが、愛猫の健康増進につながりますよ。
エアコンで温度管理をする
寒い地域原産のノルウェージャンフォレストキャットは、暑さに強くありません。
日本の高温多湿な夏は、かなり辛いはずです。
熱中症になることのないように、エアコンを使った温度管理を徹底するようにしましょう。
念入りにブラッシングをする
ノルウェージャンフォレストキャットは、長毛種の中では比較的毛のお手入れに手間がかからないといえます。
とはいえ短毛種に比べると丁寧なケアが必要で、特に春には大量の冬毛が抜けるため小まめにブラッシングをする必要があります。
最低でも週に3~4回はブラッシングを行うようにしましょう。
生活面の注意点
ここでは、運動量や食事などに関する注意点についてご紹介します。
上下運動ができる環境を整える
アクティブな性格のノルウェージャンフォレストキャットは、他の猫種と比べても高いところに上るのが大好きです。
十分に運動させるためにも、部屋の中にキャットタワーを設置するなどして上下運動を十分にできる環境を整えてあげましょう。
ただし骨折の危険があるので、滑り止めマットを敷く、落下防止ネットを設置するなどの対策も怠らないようにしてください。
低カロリーのフードを与える
体重維持のためには、低カロリーのフードを与えることが大切です。
とはいえ、低脂肪、低カロリーだけを意識してフードを選ぶと、すぐにお腹が空いて結果として食べる量が増えてしまいます。
食物繊維をバランスよく含んだ、腹持ちの良いフードを選んでください。
また、咀嚼回数が多くなるギブる(粒)の形のフードもおすすめですよ。
グルコサミンやコンドロイチン硫酸を摂取させる
関節ケアに効果が期待できるのが、グルコサミンやコンドロイチン硫酸です。
グルコサミンやコンドロイチン硫酸を含有した関節サプリメントも販売されているので、必要に応じて与えてあげてください。
ノルウェージャンフォレストキャットが入れるペット保険を比較する
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットがかかりやすい病気と主な症状、治療費用の目安についてまとめました。
かかりやすい病気 |
主な症状 |
治療費用 |
肥大型心筋症 |
・運動を嫌がる
・疲れやすくなる
・呼吸回数が増える
・後ろ足が麻痺する |
15,000円 |
糖尿病 |
・水を飲む量が増える
・おしっこの量が増える
・毛の艶がなくなる
・食べているにもかかわらず痩せてくる |
35,000円 |
骨折 |
・痛みのある肢を上げて歩く
・患部が熱を帯びて熱くなる
・患部が腫れる
・触れられるのを嫌がる
・自力で立ち上がれない
・排泄が上手くできない |
189,000円 |
なりやすい病気は、年齢によってもことなります。
愛猫の年齢でどのような病気になりやすいのかを把握しておくと、正しい対策が取りやすいといえるでしょう。
子猫~成猫
愛猫が若いうちに注意したいのは、骨折、ピルビン酸キナーゼ欠損症、進行性網膜委縮です。
骨折を防ぐためには肥満対策が重要なのはもちろんのこと、家の中の安全対策も徹底する必要があります。
またピルビン酸キナーゼ欠損症や進行性網膜委縮については、早期発見が大切です。
愛猫の様子がいつもと違うと思ったら、放置せずに獣医師に診てもらうようにしましょう。
成猫~
年齢が上がるほどにリスクが上がる病気としては、肥大型心筋症や糖尿病、慢性腎臓病などがあります。
肥大型心筋症や糖尿病の対策としては、子猫のうちからバランスの良い食事と適度な運動の習慣を続けさせることが一番だといえるでしょう。
また、定期健診の受診も欠かせません。
そして、慢性腎臓病はノルウェージャンフォレストキャットに特別多い病気ではなく、高齢の猫の多くが患っていると言われています。
腎臓の組織は一度壊れると元に戻らないため、子猫のうちからたくさん水を飲ませる、おしっこの量や臭いに異変がないかをチェックするなどの対策が必要となります。
ここでご紹介したように、ノルウェージャンフォレストキャットは様々な病気になるリスクを抱えており、治療することになった場合にはかなりの費用がかかります。しかし、ペット保険に加入していれば万が一のときも安心です。ここでは、ペット保険を選ぶときのポイントをご紹介します。
保険選びのポイント
ペット保険を選ぶときにまず重視したいのは、補償内容です。
猫種や年齢、現在の健康状態などによって、かかりやすい病気やリスクの高さは異なります。
愛猫がどのような病気になりやすいかを把握したうえで、それらの病気をカバーしているペット保険を選ぶといいでしょう。
また、優先順位をはっきりさせておくことも大切です。
ペット保険には色々な種類があり、それぞれ補償範囲や補償割合、保険料、更新年齢の制限、支払限度日数、特約、付帯サービスなどが異なります。
始めに優先順位をはっきりさせたうえで各ペット保険を比較し、どれに加入するかを決めるようにしてください。
保険料、補償内容の比較表
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