ポメラニアンに多い病気やケガは?
ポメラニアンに多い病気やケガは?
この記事をまとめると
ポメラニアンは、小型犬ながら活発な性格で、人気のある犬種です。
しかし、骨が細いなどの体質から、さまざまな病気やケガにかかりやすいと言われています。
主な病気や怪我は以下の5つ。
- 骨折
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 脱毛症X(アロペシアX)
- 環軸亜脱臼
- 僧帽弁閉鎖不全症
要約
ポメラニアンを飼う場合は、これらの病気やケガに注意し、定期的な健康診断や予防接種を実施することが大切です。
また、適度な運動やバランスの良い食事を与えることで、健康を維持することができます。
身体的特徴
ポメラニアンはぬいぐるみのような被毛が特徴の小型犬です。
ブラウン、黒、チョコレート、オレンジ、クリーム、レッドなど多様な色が楽しめます。
甘えん坊でサービス精神が旺盛なポメラニアンは、非常に活発な犬種。
小型犬ながら勇敢な性格をしていますが、一方で気が強く吠え癖や噛み癖によるトラブルには注意する必要があります。
遺伝性疾患
ポメラニアンが生まれつき持っている可能性のある病気について紹介します。愛犬の健康には幼犬期からしっかり気を配りたいところです。
グリコーゲン貯蔵症(糖原病)
肝臓に蓄積されているグリコーゲン(糖原)はエネルギーの元になり、血糖値の低下を防ぎます。
このグリコーゲンを合成・分解には酵素が必要です。
しかし遺伝的な異常が原因となり、この酵素が不完全な状態になることがあります。
するとグリコーゲンは肝臓や腎臓、中枢神経などの体の重要な部分に貯まっていき、結果的に肝腫大や腎肥大を引き起こすことがあります。
また必要なエネルギーが足りなくなるため血糖値が低下していき、けいれんを起こしたり、立ち上がれなくなってしまったりといった症状も見られます。
ポメラニアンの動きがおかしい、尿が褐色になったなどの症状に気が付いたらすぐに病院に行きましょう。
水頭症
脳と頭蓋骨の隙間を埋めている脳脊髄液という液体は脳に加わる衝撃を和らげる役割があります。
しかし何らかの異常により脳脊髄液が脳内に過剰に貯まると、脳を圧迫するようになります。
こうして発症する病気が水頭症です。
水頭症は先天的な要因で発症することが多いとされており、この場合発育不良や頭の形が大きいなど外部から異常を発見できることがあります。
また反応が鈍かったり、目が見えない、旋回運動を繰り返す、足がふらつく、転換の発作を起こすなどの症状がみられることもあります。
1歳未満の子犬時に発症することが多いため、かかりつけの動物病院は早めに見つけておくようにしましょう。
飼育時に気をつける事
まずは、ポメラニアンを飼育するときの基本的な注意点についてみていきましょう。
被毛と抜け毛の処理はこまめに
ふわふわの毛が魅力的なポメラニアンですが、その分被毛のお手入れはこまめに行う必要があります。
毛の内側にノミやダニが潜んでいたり、毛玉から皮膚の病気に繋がる可能性もあるので、ブラッシングは毎日行いましょう。
またダブルコートの毛を持つポメラニアンには春と秋の換毛期がありますので、それにともなう大量の抜け毛が予想されます。
スリッカーブラシでしっかりと不要なアンダーコートを取り除いてください。
ただし、先端の鋭いスリッカーブラシは皮膚を傷つけてしまうことがあるので、持ち方や力加減に注意が必要です。
大きな毛玉ができてしまったときは、トリマーによる専門的な毛のケアが必要な場合もあります。
また、ポメラニアンの毛は細かく汚れやすいので、雨天時の散歩はお勧めできません。
天気の悪い日はお部屋の中で存分に遊んであげるようにしましょう。
噛み癖・吠え癖のトラブルには気を付けて
ポメラニアンは勇敢さがある一方、甘えん坊で臆病な性格も持ち合わせています。
飼い主にかまってほしくて噛みついたり、知らない人を見ると激しく吠えて威嚇することもあります。
このような状態を放置すると、噛み癖や吠え癖のあるまま大きくなってしまいます。
特に小さい子供がいる家で噛み癖を放置すると、思わぬ事故につながりかねません。
大きな鳴き声がご近所トラブルを引き起こすこともあります。
気の強いポメラニアンには小さい時からしつけをしっかり行い、してはダメなことを理解できるようにしていきましょう。
主従関係とともに信頼関係もしっかり構築することが大事です。
ほえていないときにおやつを与えてしっかり褒めたりアイコンタクトで気持ちを伝えあうなど、毎日のスキンシップの中で噛み癖や吠え癖を抑えていきます。
また散歩に連れ出して様々な環境にふれさせることも大事です。
別の犬との交流、散歩中に出会う人々、街中の音などいろいろな経験を積ませることで不要な警戒心を解き、トラブルの減少につなげることができます。
生活面の注意点
運動大好きな犬種ながら骨折には注意
活発なポメラニアンは運動が大好きです。
しかしポメラニアンは骨が細く、骨折のリスクが高い犬種でもあります。
特に子犬の足の骨は非常に細く、簡単に折れてしまいます。室内で遊ばせる場合でも要注意。
滑りやすいフローリングの床で走り回る、ベットやソファーから飛び降りるというちょっとした運動が骨折に繋がってしまうこともあります。
骨折の治療には手術を伴うため、ポメラニアンの苦痛も大きく治療費も高額になりますので予防に努めたいところです。
むき出しの床には滑り止め用のマットを引く、段差を極力とりのぞき、どうしても段差ができてしまうときはスロープを付けて安全に降りれる環境を整えます。肉球が毛でおおわれていると滑りやすく、骨折や脱臼の危険がありますので、こまめにカットしてあげましょう。
また、高いところから飛び降りようとした場合は「マテ」の命令を聞くようにしつけできると非常に効果的です。
ポメラニアンがかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。いざというときを考えて、医療費の準備をしておきましょう。
かかりやすい病気 | 主な症状 | 治療費用 |
---|---|---|
膝蓋骨脱臼 | (初期は無症状) ・足を引きずる ・歩行困難 ・X脚・O脚 |
・外科手術
約16万~40万程度 |
水頭症 | ・聴覚障害
・視覚障害 ・てんかん発作 ・旋回運動 |
・投薬
月間約3000~5000円程度 ・外科手術 約20万~35万程度 |
僧帽弁閉鎖不全症(MR) | ・呼吸困難 ・チアノーゼ ・失神 ・食欲減退 ・咳 |
・投薬
月間1~2万円程度 ・手術費用 約100~150万円程度 |
幼犬期(0~1歳)
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の太ももの骨とすねの骨の間をつなぐ膝の皿が脱臼してしまう病気です
(ポメラニアンのような小型犬では内側に外れてしまうことが多いです)。
ときどきスキップする程度の初期段階から、足を折り曲げるような異常歩行になってしまう重度の段階まで4つのグレードがあります。
滑る床での運動や高いところからのジャンプなどを避けることが病気の予防につながります。
水頭症
頭蓋骨の内部には脳脊髄液が流れています。
通常は衝撃吸収などから脳を守り老廃物の運搬を行う役割を持った脳脊髄液。
しかしひとたび流れが滞ったり生産量が増えたりといった異常がおこると、逆に脳圧を高めて脳を圧迫する原因となってしまいます。
脳の異常は聴覚・視覚障害、反応が鈍くなる、てんかん発作を起こすなど様々な症状を引き起こします。
これが水頭症です。先天的な要因により起こることが多いですが、外傷や脳腫瘍から発生する場合もあります。
根本的な予防法方法がないので、異常行動が見られたらすぐに病院に連れていき、早期治療につなげましょう。
軽度な場合は内科的治療で症状の改善がみられることもあります。
成犬期(1~7歳)
アロペシアX(脱毛症X)
原因不明の脱毛症で、オスのポメラニアンに発生しやすい病気です。
偽クッシング症候群、去勢反応性皮膚症など様々な名前で呼ばれることがあります。
2~5歳ごろに上のごわごわした毛が抜け始め、下のやわらかい毛が目立つようになります。
脱毛が進むと、体と尻尾からは毛が完全になくなりますが、顔や四肢には毛が残ります。
皮膚は黒ずんでぱさぱさしたはりのない状態になります。
原因不明の病気なので、治療方法も明確には確立されていません。
ただし、この病気は外見が変わるだけで、命にかかわるものではありません。
副作用を伴うような治療を避け、経過を見守るのも飼い主次第です。
高齢期(7歳~)
僧帽弁閉鎖不全症(MR)
僧帽弁閉鎖不全症はポメラニアンのような小型犬が高齢になってから発症しやすい心臓の病気です。
肺から酸素を受け取とった血液は左心房へと入り、全身に送り出されるために左心室へと移動していきます。
この流れが一方通行になるよう2つの部屋の間には僧帽弁という仕切りがついています。
ところが僧帽弁の働きに異常がおこり左心室から左心房へ血液が逆流するようになる、これが僧帽弁閉鎖不全症の原因です。
体に血液をうまく送れなくなるので、運動を嫌がるようになったり、食欲が落ちるようになります。
また、心臓に貯まった血液が肺に流れ込んで、呼吸異常を起こすこともあります。
重症化して命を落とすこともある怖ろしい病気ですが、初期段階では症状が目立ちません。
ただ初期段階でも心臓の検査で発見を早めることができます。
高齢期になったらかかりつけの病院で定期的に健康状態をチェックしておくとよいですね。
保険選びのポイント
ポメラニアンにはいろいろな病気のリスクがあることが分かりました。
病気やケガをしたとき、長引く通院や手術で治療費が高額になった時、補償をしてくれるペット保険の比較ポイントをまとめてみました。
年齢別の保険料を確認しよう
ペット保険は1回加入すればペットが生きている間ずっと払い続けるものです。
無理のない範囲で保険料の支払いができるものを選びましょう。
ペット保険の多くは年齢とともに保険料が上がっていきます。
0歳で加入する場合と、7歳で加入する場合とでは保険料がかなり違います。
現段階では保険料が安くても、将来的に支払いができないほど保険料が膨らんでしまっては意味がありません。
各ペット保険会社のサイトには年齢・犬種別の保険料見積ツールや保険料一覧が用意されています。
これらを上手に使って、将来を見据えたペット保険会社と各種プランの比較を行ってください。
また持病があったり、年齢が高すぎる場合は契約できないペット保険もあります。
できるだけ、年齢が若く健康なうちに加入を検討しておきましょう。
ペット保険の補償範囲外部分を確認する
ペット保険には補償の対象外となる部分がいくつかあります。
まずは、免責金額です。免責金額とは飼い主が自分で負担する治療費のことです。
だいたい免責金額が大きい(自己負担が多い)プランほど保険料は安くなりますが、その分保険金が請求できないケースも多いです。
次に、保険の開始期間です。
人間の医療保険と同じく、ペット保険も加入後すぐに補償が開始されるわけではありません。
補償開始前に発症した病気は補償されないことがあります。
最後に、補償外となる病気やケガの範囲です。
予防注射で予防できる疾患や、自然災害によるもの、飼い主の過失や故意によるケガを補償対象外にし、保険金が請求できないようにしている会社は多いです。
中には治療費や発症率が高い病気が補償対象外になっているペット保険もあります。
ペット保険会社やプランを比較する際は補償の内容だけでなく補償外の範囲も確認することが必要です。
保険料、補償内容の比較表
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