(一社)ペットフード協会が実施している令和3年度の実態調査のデータでは、超小型犬の平均寿命が最も長く15.3歳で、犬全体の平均寿命14.65歳を超えています。
チワワは、超小型犬(~5kg以下)に該当し、一般的に超小型犬・小型犬は中型犬や大型犬より寿命が長いと言われています。
*参考:令和3年度(一社)ペットフード協会 全国犬猫実態調査
https://petfood.or.jp/data/chart2021/6.pdf
チワワの平均寿命は15〜20歳。
これは、他の犬種と比較して長い寿命。
長生きの秘訣は、以下の4つ。
チワワはもともと臆病な面があるので、ストレスを与えないようにすることも大切です。
これらのポイントを押さえることで、チワワの健康を守り、長生きにつなげることができます。
チワワの平均寿命は、具体的には何歳くらいでしょうか?
上記のデータの調査時期とは異なりますが、2016年にアニコム損害保険会社が調査した犬種別の平均寿命の調査では、チワワは13.7歳という結果でした。
この調査が行われた年の小型犬の平均寿命が13.8歳なので、チワワの平均寿命は超小型犬とほぼ同じくらいだと考えられます。
チワワの最高寿命は、ギネス世界記録「存命中の最高齢の犬」によるとアメリカフロリダ州に住むチワワです。
ギネスに認定された2022年3月の時点で、21歳と66日でした。
犬の21歳は人間に換算すると約100歳で、かなりのご長寿です。
*参考:アニコム損害保険株式会社 ニュースリリース 犬種別の平均寿命を調査
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html
チワワは犬を初めて飼う方にもお勧めできる飼いやすい犬種ですが、かかりやすい病気もあります。
ここでは、チワワがかかりやすい病気と治療法、そして治療費の例についてお伝えします。
チワワが特にかかりやすい病気は、循環器疾患、気管虚脱、てんかん発作です。
心臓や血管など、血液を体内で循環させる働きを持つ器官がうまく働かなくなる病気を循環器疾患と言います。
その中でも、チワワに特に多いのは弁膜症です。
心臓は4つの部屋に分かれていて、その間には血液の逆流を防ぐ役割をする弁があります。
この弁が加齢や先天性、感染などが原因で正常に機能しなくなることを弁膜症といいます。
犬に最も多いのは、左心房と左心室の間にある僧帽弁という弁の閉鎖不全です。
弁膜症の症状は、食欲がなくなり、運動をいやがって寝てばかりいることが多くなることから始まり、ひどくなると咳が出る、肺水腫を起こして呼吸が苦しくなる、失神するなどの重い症状が見られます。
<循環器疾患の治療法>
血液検査、胸部レントゲン検査、心臓のエコー検査を行い、血管拡張剤や利尿剤などの内服薬を服用する内科治療を行うことが一般的です。
また、先天性心疾患の場合や内科療法であまり効果が見られない場合などは外科手術を行うこともあります。
<循環器疾患の治療費>
治療費は、血液検査が1~2万円、胸部レントゲン検査と心臓のエコー検査で2万円前後、内服薬が一日100円~500円くらいです。
内科治療は、心臓の状態をこれ以上悪化させない様に維持することが目的です。
そのため内服薬はずっと飲み続ける必要があり、治療が長期間となり治療費の負担が大きくなる可能性があります。
外科治療は、心臓専門の病院や高度医療を行う動物病院で行うため100万~200万円の高額治療となります。
気管虚脱とは、呼吸の際に気管がつぶれて呼吸がしづらくなり、さらに知らず知らずのうちに進行する可能性がある病気です。
特に中年齢層の小型犬に多く、症状は軽度では咳やアヒルが鳴く声のような異常呼吸音で、重度では呼吸困難になり死に至ります。
気管虚脱の発症には、呼吸器感染症、肥満、心拡大、アレルギー性呼吸器疾患などが関連していると言われ、他に興奮や気温、湿度などにも影響を受けると言われています。
<気管虚脱の治療法>
症状と胸部のレントゲン検査で診断しますが、咳の原因が心疾患などの他の原因がないかの検査も必要です。
治療は、症状と重症度によって異なります。
咳など症状が軽度の場合は、減量や室温管理を行い経過観察しますが、症状がひどい場合は気管支拡張剤やステロイド、抗菌剤などの投薬で治療します。
重度の気管虚脱では酸素吸入が必要で、気管の内腔が50%~75%以下に進行した場合は気管を広げるための外科手術が必要だと言われています。
<気管虚脱の治療費>
治療費は、胸部レントゲン検査が1万円前後、内服薬が一日100円~500円くらいです。
心臓のエコー検査を行う場合は5,000円~1万円の検査費用がかかります。
酸素吸入は動物病院で行う場合は一日5,000円以上かかるため、在宅で酸素吸入を行う治療をお勧めする場合もあります。
外科手術は専門の病院や高度医療を行う動物病院で行うことが多く、最低でも数十万円以上の治療費が必要です。
てんかん発作とは、けいれんや意識を失い倒れるなどの一過性の発作のことです。
脳の神経細胞の電気的な活動が過剰になることが原因で起こり、原因不明の突発性と、腫瘍や水頭症、脳炎、外傷などの脳疾患が原因の二次性に分けられます。
また、神経細胞の異常や過剰な電気活動が、脳の一部または脳全体に生じるかによって症状が異なります。
脳の一部に生じた場合は、手足や顔の一部にけいれんをおこす、落ち着きがなくなる、よだれをたらすなどの部分発作(小発作)が起こり、脳全体が原因の場合は全身の痙攣、意識を失うなどの全般発作(大発作)が起こります。
<てんかん発作の治療法>
血液検査、レントゲン・エコー検査などの一般的な検査の他、症状によってはMRIや脳脊髄液の検査が必要な場合があります。
治療は、てんかん発作の原因によって異なります。
発作の頻度が少ない場合は無治療で経過観察しますが、発作の頻度が多い場合はステロイドや抗てんかん薬、点鼻薬などの投薬による内科治療の他、外科手術が必要なケースもあります。
<てんかん発作の治療費>
治療費は、血液検査が1~2万円、レントゲン検査とエコー検査で2万円前後、内服薬が一日100円~500円くらいです。
抗てんかん薬は、血中濃度を一定にして発作を抑えるためのお薬なので、内服薬は継続して飲み続ける必要があり、治療は長期間に渡ります。
また、お薬をしっかり飲んでいても、てんかん発作が何度も続いて起こって止まらなくなることもあり、その場合は命に関わるためすぐに発作を抑える治療が必要です。
MRIの撮影は、全身麻酔が必要なため少なくとも10万円以上かかります。
外科治療は高度医療を行う動物病院で行うことが一般的で、最低でも数十万円以上の高額治療となります。
チワワに限らず、他の犬種にも言えることですが、長生きする秘訣は以下の5つです。
ライフステージに合わせた総合栄養食を与え、必要な栄養が摂れるように気を配ると同時に、添加物や脂肪分が多い加工品のおやつを与えない様にしましょう。
また、手作り食はメリットも多いのですが、その反面自己流のレシピでは栄養が偏りやすいというデメリットがあります。
そのため手作り食100%にする場合には、動物栄養学を学んでから実践することをお勧めします。
超小型犬のチワワであっても、お散歩や運動は必要です。
年齢や体力に合わせた適度な運動や散歩は、愛犬の心身の健康を維持するのに役立ちます。
歯周病は単に歯が汚いという見かけの問題や、口腔内だけの問題にとどまらず、心疾患や内臓疾患との関連が報告されています。
歯周病の予防にはお家でのデンタルケアが必須ですが、成犬になってから急に始めようとしても嫌がって触れないことがほとんどです。
歯周病の予防にはお家での歯磨きなどのケアが必須ですが、成犬になってから急に始めようとしても難しいため、子犬の頃からデンタルケアを始める必要があります。
肥満は、ガン・呼吸器疾患・脂質代謝異常・整形外科疾患などのリスクを高めます。
また、肥満や過体重の動物は短命の傾向があると言われています。
特にチワワは手足が細く、体重過多ではかなりの負担になります。
食欲の有無、排便・排尿の様子、呼吸状態、姿勢など、普段から愛犬をよく観察し、愛犬の身体に毎日触れることが病気の早期発見につながります。
おかしいと思ったら、早めに動物病院を受診する習慣をつけましょう。
世界で最小の純血種と考えられ、愛玩犬として飼育されているチワワですが、実は気が強くて活発な面もあります。
また、小さくて可愛いからと自由気ままに過ごさせていると、嫌なことがあると激しく噛む、分離不安で飼い主と離れると鳴き続けるなど、問題行動に繋がる可能性があります。
そのため、しっかりしたしつけと適度な運動を行うことが大切です。
しつけのことで悩んだら、問題行動がひどくなる前にかかりつけの動物病院や信頼できるトレーナーなどプロの手を借りることも検討してみましょう。
ペットには人間の様な公的な保険制度はありません。
そのため、病気やケガの治療に支払う医療費は、すべて飼い主の自己負担です。
治療内容によっては高額になるケースも多く、経済的な負担が大きいことが予想されます。
普段からペットのためにご自身で備える方法の他に、予想もしていなかった突然の出費に備えておくための選択肢の一つとして、ペット保険があります。
ペット保険とは、保険料をペット保険会社に支払うことで、飼い主が動物病院に支払う医療費の一部をペット保険会社が補償してくれるサービスです。
現在ペット保険を扱う会社は10社以上あり、保険会社や契約プランにより保険料や補償の内容等は異なります。
一般的には補償内容が多ければ多いほど保険料は高くなるため、ご自身と愛犬に最適なペット保険を選ぶためには情報を集めて比較検討をする必要があります。
「保険料はなるべく抑えたい」「なるべく多くの補償や付帯サービスを受けられる保険が安心」などペット保険に求める内容は、人それぞれ違いますが、ペット保険を選ぶにあたって優先順位が高いのは、
・保険会社に支払う保険料
・補償内容
の2点だと思います。
保険料は最も安いものでは月に500円~、金額が多いプランでは1万円前後です。
補償内容が多ければそれに伴って保険料も高くなるので、補償内容とのバランスを考えて検討しましょう。
また、保険料は加入してから終身までずっと同じではありません。
若い時は安い保険料でも更新の度に保険料が上昇するプランや、ある程度の年齢になったら保険料が一定になるプランなど保険料の見直しが行われます。
一般的には年齢が上がるにつれて保険料が高くなり、加入条件が厳しくなる傾向があります。
補償内容は保険会社やプランによって様々で、
などがあります。
特にチワワに多い循環器疾患やてんかん発作は、長期に渡って治療が必要となる場合や手術が必要な場合が予想されます。
補償内容を選ぶ際には、手術や入院治療と通院治療をしっかり補償してくれるプランを選ぶことをお勧めします。
ペット保険には加入条件や補償対象にならない場合があります。
不妊去勢手術、ワクチン接種やフィラリア予防など予防に関するものや、保険加入以前にかかっていた病気やケガについては補償対象外です。
ある程度の年齢になったら加入できない、もしくは加入していた保険を更新できなくなる場合がありますが、シニア専用のペット保険や終身に渡って補償を継続できる保険もあります。
ペット保険に加入する際には、保険料と補償内容のバランスの他、補償内容や条件をしっかり確認し、ご自身と愛犬にとって必要なプランを選びましょう。
この記事の監修者
現在複数の動物病院で臨床獣医師として勤務しながら専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信している。
▼ドリトルけいのいぬねこ健康相談室
https://www.dolittlekei.com/
ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」こと。