12周年

シンガプーラに多い病気やケガは?

シンガプーラの写真

シンガプーラの
特徴と遺伝性疾患

身体的特徴

名前から推察できる通り、シンガプーラはシンガポールにルーツを持つ猫です。

最大の身体的特徴はその体の小ささです。

世界最小の猫といわれるシンガプーラは、成猫でも体重が2~3㎏程度しかありません。

とはいえ小さな体ながら、筋肉質な体型で運動が大好きな品種でもあります。

とても甘えん坊な性格で、飼い主の行動にとても興味を持ってくれる可愛さがあります。

一方で激しく人見知りをする繊細な一面もみられます。

遺伝性疾患

シンガプーラの遺伝性疾患にはピルビン酸キナーゼ欠損症という病気があります。

ピルビン酸キナーゼというのは、体内のエネルギー保存にかかわる酵素です。

この酵素が不足すると赤血球が壊れてしまい、貧血状態になります。

ピルビン酸キナーゼ欠損症では生後2~3ヵ月以降に慢性的な貧血症状が現れます。

ただし貧血状態に体が慣れてしまい、無症状な猫も多くみられます。

発症率はそこまで高くはありませんが、重症化すれば命の危険性もある病気です。

ピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝子検査で発見することができますので、病気が気になる場合はかかりつけの動物病院に相談してみましょう。

飼育時に
気をつけたいポイント

飼育時に気をつける事

甘えん坊で人見知りだから、多頭飼いには不向き

シンガプーラは甘えん坊で、飼い主に遊んでもらうことが大好きな可愛い性格をしています。

一方で一人ぼっちの時間をストレスに感じたり、他の猫やペットに嫉妬する独占欲の強い一面も持っています。

飼い主以外には神経質な対応をするため、他の動物と留守番させると大きなストレスになってしまうこともあります。

以上の特徴から、シンガプーラは多頭飼いには向いていない品種といえるでしょう。

また人見知りが激しいため、来客が頻繁に出入りするような飼育環境は望ましくありません。

猫とじっくり向き合い、たくさんの愛情を注いで飼育してあげることがシンガプーラ飼育のコツです。

生活面での注意点

家電や家具のスキマには要注意!

好奇心が旺盛で運動が大好きなシンガプーラですが、室内で遊ばせる場合は思わぬ事故に注意が必要です。

特に家電製品は、シンガプーラが中に閉じ込められたり、感電したりする危険性が高いです。

電化製品のふたは確実に閉める、コンセントカバーを利用するなどの配慮をしてあげましょう。

また、体の小さいシンガプーラは狭い場所に潜り込んで身を守ろうとする本能があります。

しかしドアの隙間やコンセントが密集する家電の裏側などに入りこむのは、とても危険です

もぐりこまれたくない場所はあらかじめふさいでおいて、シンガプーラが中に入れないようにしておきましょう。

かかりやすい
病気・ケガ・治療費用

シンガプーラがかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。

いざというときを考えて、治療費の準備をしておきましょう。

病名 症状 治療と費用
ピルビン酸キナーゼ欠損症 ・貧血(耳、歯茎、舌などが青白くなる)
・食欲低下
・元気消失
・疲れやすい
・呼吸が速い
・輸血
約8,000~30,000円/回
・脾臓摘出手術
約80,000~200,000円 (軽度の場合は運動の制限など)
肥大型心筋症 ・食欲低下
・運動不耐性
・咳
・開口呼吸
・血の混じった泡を吐く
・足の麻痺
・検査と投薬
約4,000円
・胸水抜去
約1,500円~
・人工呼吸器
約200,000円~/日
アトピー性皮膚炎 ・体をかきむしる
・体をなめまわす
・脱毛
・炎症
・皮膚にかさぶた
・アレルギー検査
約5,000円
・投薬、注射、薬用シャンプーなど
約2000円
・減感作療法
約1,000円/1ヶ月

年齢別の注意点

子猫期(0~1歳)

異物誤飲

人間の赤ちゃんにも言えることですが、子猫のうちはいろいろな物に興味を持ってすぐ口の中に入れようとします。

もし子猫に以下のような症状が見られたら、誤飲を疑ってください。

・嘔吐(吐こうとしているのに嘔吐物が出てこない場合も含む)
・食欲低下
・口を開け閉めしている
・呼吸がおかしい
・元気がない
・舌や歯茎が青白い

小さなアクセサリー、ビニールひも、輪ゴム、針など子猫が飲み込みそうなものはできるだけ片付けて置くことが大切です。

成猫期(1~7歳)

皮膚疾患(アトピー性皮膚炎等)

シンガプーラは年中高温多湿のシンガポールに起源を持つ猫です。

そのため日本の寒さや乾燥は体質に合いません。

この気候の差が皮膚疾患を引き起こす可能性があります。

また寒さ対策の為に使われる暖房器具内にカビが潜んでいると、これもまた皮膚病の原因になってしまします。

皮膚疾患の1つ、アトピー性皮膚炎は強い痒みが特徴です。

発症すると体をかきむしったり、なめまわして皮膚をボロボロにしてしまいます。

予防のためには、飼育環境を清潔にしたり、ストレスをため込まないように気を配ってあげることが大事です。

高齢猫期(7歳以上)

肥大型心筋症

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。

このポンプの動きを実現するのが心臓の筋肉(心筋)です。

しかし何らかの原因でこの心筋が分厚くなってしまうと、心臓の部屋が狭くなり血液をうまく心臓に取り込めなくなってしまいます。

このようにして血液の循環に異常が起こる病気が肥大型心筋症です。

肥大型心筋症になると、食欲が低下したり、疲れやすくなります。

症状が進むと呼吸困難に陥り、口を開けたまま呼吸したり(開口呼吸)、血が混じった泡を吐きだすこともあります。

また血液の流れが滞ることで、血の塊(血栓)ができて血管を詰まらせてしまうこともあります。

特に後ろ足に繋がる血管が詰まりやすく、突然後ろ脚が動かなくなってしまうといった症状も見られます。

肥大型心筋症の原因はよく分かっていないため、予防は難しいのが現状です。

体調や呼吸に異常が見られたら早めに動物病院に連れていくようにしましょう。

保険の選び方

保険選びのポイント

シンガプーラには様々な病気リスクが存在することが分かりました。

万が一、病気やケガをしてしまったとき必要な治療費を補償してくれるペット保険に加入しておくと安心ですね。

ペット保険には様々な種類があります。

補償内容の検討に加えて、ペット保険選びで重視したいポイントについてみてみましょう。

ペット保険の補償範囲外部分を確認する

ペット保険には補償の対象外となる部分がいくつかあります。キーワードごとに見ていきましょう。

まずは、免責金額です。

免責金額とは飼い主が自分で負担する治療費のことです。

だいたい免責金額が大きい(自己負担が多い)プランほど保険料は安くなりますが、その分保険金が請求できないケースも多いです。

次に、保険の開始時期です。

人間の医療保険と同じく、ペット保険も加入後すぐに補償が開始されるわけではありません。

補償開始前に発症した病気は補償されないので、補償開始のタイミングをちゃんと確認しておきましょう。

最後に、補償外となる病気やケガの範囲です。

予防注射で予防できる疾患や、自然災害によるもの、飼い主の過失や故意によるケガを補償対象外にし、保険金が請求できないようにしている会社は多いです。

中には治療費や発症率が高い病気が補償対象外になっているペット保険もあります。

ペット保険会社やプランを比較する際は補償の内容だけでなく、補償外の範囲も確認することが必要です。

年齢別の保険料を確認しよう

ペット保険は1回加入すればペットが生きている間ずっと払い続けるものです。

大きな負担のない範囲で保険料の支払いができるものを選びましょう。

ペット保険の多くは年齢とともに保険料が上がっていきます。

0歳で加入する場合と、7歳で加入する場合とでは保険料がかなり違います。

現段階では保険料が安くても、将来的に支払いができないほど保険料が膨らんでしまっては意味がありません。

各ペット保険会社のサイトには年齢・猫種別の保険料無料見積ツールや保険料一覧表が用意されています。

これらを上手に使って、ペット保険会社と各種プランの比較を行ってください。

また持病があったり、年齢が高すぎる場合は加入できないペット保険もあります。

できるだけ、年齢が若く健康なうちに加入を検討しておきましょう。

保険料、補償内容の比較表

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