オウムはインコとともにペットとして親しまれている鳥です。
インコとオウムは外見が似ている上、「オカメインコ」や「モモイロインコ」のようにインコの名を持つオオムもいるので、よりややこしいです。
顔や首に特徴的な長い羽根(冠羽)があるのがオウム、無いのがインコと覚えておくと見分けやすいでしょう。
またインコとオムには頭蓋骨の形や頸動脈の配置など、見た目では分からない体の組織にも違いがあります。
オウムの体長は種類によって違い、小型の「オカメインコ」(約30㎝)から大型の「アカオクロオウム」(約67~70cm)まで様々です。
遺伝性疾患というわけではありませんが、オウムがかかりやすい病気の1つに「オウム病」があります。
この病気はクラミジアという細菌による病気で、オウムだけでなく人間から両生類に至るまでさまざまな動物に感染します。
人に感染するとインフルエンザのような症状が起こり、重症化してしまう例もあります。
抵抗力のある人の感染確率は低いと考えられていますが、高齢者や妊婦にとっては注意が必要な病気です。
オウムを飼う場合は事前に便検査やPCR検査で保菌状態を確認しておくと安心です。
遺伝性疾患というわけではありませんが、3歳以下のすべてのインコはPBFDとよばれるウィルス病を発症する可能性があります。
この病気は糞便、ウィルスに汚染されたゲージ、餌や水をとおして感染します。
感染するとくちばしが変形したり、羽毛に奇形が生じ、死亡するケースもあります。
他の鳥に感染するリスクがあるので、多頭飼いをする時は事前に検査をしておくことが大事です。
PBFDは遺伝子検査で発見することができます。
オウムの寿命は種類によって様々ですが、小型のオカメインコでも平均寿命は約20年、大型のオウムでは70年生きる個体もいます。
オウムは人生の長い期間を一緒に過ごす相棒です。
パートナーとしての自覚を持ち、快適に過ごせる環境を用意してあげましょう。
また、オウムを診察してくれる動物病院の数は犬や猫に比べれば少なくなります。
かかりつけの動物病院を見つけておくことも、オウムの健康を維持するためには大事なことです。
オウムは基本的にケージ飼いですが、1日に1回は放鳥(ケージから出して部屋を飛び回らせること)してあげましょう。
放鳥はオウムのストレス発散に大事な役割を果たします。
また飼い主とすぐ近くで接することができるため、コミュニケーションを深める機会としても最適です。
ただし放鳥の際は部屋の外に飛び出して迷子にならないよう、窓やドアが開いていないかをちゃんと確認してください。
もう1つオウムにとって大切なのが日光浴です。
オウムは日光浴をすることで、カルシウムの吸収を促すビタミンDを体内に作り出すことができます。
逆に言えば十分日光に当たっていないと、カルシウム不足になってしまう可能性があるということです。
カルシウム不足は卵詰まりなどの病気にもつながるので、定期的な日光浴を心がけてください。
オウムがかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。いざというときを考えて、治療費の準備をしておきましょう。
病名 | 症状 | 治療費例 |
オウム病 | ・元気消失 ・食欲不振 ・下痢 ・鼻炎 ・結膜炎 |
・一般診療費 約800~2,000円 ・入院 約2,000~5000円/日 ・便・尿検査 約700~2,500円 ・遺伝子検査 約7,000円~ ・血液検査 約2000円~ ・注射 約1,500~3,000円 ・開腹手術 15,000円~ |
---|---|---|
ロックジョウ症候群 | くちばしが開かない | |
オウム類嘴羽毛病(PBFD) | ・羽毛の発育不全 ・全身脱羽 ・食欲不振 ・下痢 ・昏睡 |
オウム病は抵抗力の弱い幼い鳥がかかりやすい病気で、特にオカメインコの雛は注意が必要です。
オウム病の原因はクラミジアと呼ばれる寄生性細菌です。
この病気にかかると食欲不振、元気消失、下痢、鼻炎、結膜炎など人間で言えば風邪のような症状がみられるようになります。
オウムの種類によって症状の重さは様々ですが、発見が遅れると死亡する確率が高くなるので要注意。
できるだけ早期発見に努めたい病気です。
また、オウム病は人にうつる感染症としても有名です。
免疫力が低下している人、高齢者、妊婦は感染の危険性が高くなります。
ロックジョウ症候群(開口不全症候群)はオカメインコの雛が発症しやすい病気です。
この病気の主な症状はくちばしが開かなくなることです。
くちばしが開かなければ、当然ご飯を食べることができません。
栄養不足から衰弱し、やがて死んでしまうという大変恐ろしい病気です。
ロックジョウ症候群は、ボルデテラなどの細菌が副鼻腔から顎関節や神経に広がることが原因といわれています。
ロックジョウ症候群の予防には、免疫力を高めることが大切です。
栄養の摂れる餌を与えて、健康な体を作りましょう。
またロックジョウ症候群は原因菌をPCR検査で発見することができます。
発症前に原因菌が発見し、早期治療につなげられるとよいですね。
オウム類嘴羽毛病(PBFD)はPBFDウイルスに感染することで発症するオウムの病気です。
別名サーコウィルス病とも呼ばれます。
3歳までのオウム、白色の大型オウムがかかる可能性が高いです。
オウム類嘴羽毛病は甚急性型、急性型、慢性型の3つに分けることができます。
甚急性型は生まれたばかりの雛に見られ、感染すればほとんどが死に至ります。
急性型は16週までの若鳥で発症し、食欲不振、羽毛の発育異常(折れや出血)、下痢、昏睡状態、免疫力の低下などの症状が見られます。
慢性型は成長期までのオウムで発症します。
全身の羽毛が抜けたり、羽の生え変わりのたびに折れや出血などの羽毛発育異常が進行していきます。
大型のオウムの場合はくちばしや爪が伸びすぎたり、弱くなったりする症状も見られます。
どの型でも死亡する危険性が高く、ワクチンが存在しないため対処療法的な治療しかできません。
OBFDウィルスは感染力が高いので、清潔な飼育環境を心がけ、感染の可能性がある鳥は隔離するようにしましょう。
オウムにはいろいろな病気のリスクがあることが分かりました。
病気やケガをしたとき、長引く通院や手術で治療費が高額になった時、補償をしてくれるペット保険の比較ポイントをまとめてみました。
オウムは犬猫といったメジャーなペットに比べて、加入できるペット保険会社の数がどうしても少なくなります。
とはいえ、オウムの治療費を支払い対象にしたペット保険もいくつか存在します。
例えば、アニコムの「どうぶつ健保ふぁみりぃ」は鳥、ウサギ、フェレットを対象にした保険です。
またSBIプリズム少額短期保険の「鳥類、爬虫類プラン」では、オウムが支払い対象に入っています。
ただし、オウムの保険に関しては加入できる年齢の上限が犬猫に比べて低いことがあります。
自分のオウムが加入できるのか、よく確かめてください。
ペット保険には補償の対象外となる部分がいくつかあります。
まずは、免責金額です。
免責金額とは飼い主が自分で負担する治療費のことです。
だいたい免責金額が大きい(自己負担が多い)プランほど保険料は安くなりますが、その分保険金が請求できないケースも多いです。
次に、保険の開始期間前の病気やケガです。
人間の医療保険と同じく、ペット保険も加入後すぐに補償が開始されるわけではありません。
補償開始前に発症した病気は補償されないことがあります。
最後に、補償外となる病気やケガの範囲です。
予防注射で予防できる疾患や、自然災害によるもの、飼い主の過失や故意によるケガを補償対象外にし、保険金が請求できないようにしている会社は多いです。
中には治療費や発症率が高い病気が補償対象外になっているペット保険もあります。
ペット保険会社やプランを比較する際は補償の内容だけでなく補償外の範囲も確認することが必要です。
取扱保険会社 | |
特徴 | 1.新規引受年齢は3歳11ヶ月まで(継続は終身可能です) |
取扱保険会社 | |
特徴 |
1:補償割合100% 各プランの補償限度額/日数まで治療費の実費をお支払いいたします。 2:各プランの保険料は年齢が上がっても変わりません 3:新規加入可能年齢は0歳から満20歳未満まで(終身更新が可能です) |