「ペット保険の告知義務」はバレない?嘘の告知や違反した末路

「ペット保険の告知義務」はバレない?嘘の告知や違反した末路

この記事をまとめると

ペット保険の「告知義務」の重要性と違反リスクを解説。
ポイントは以下の4つ。

  • 嘘の告知は高確率で発覚し、契約解除の可能性
  • 保険金が下りない・返還請求・詐欺罪のリスクあり
  • 軽症や経過観察でも告知が必要なケースが多い
  • 正確な告知と保険会社への相談がトラブル防止策

要約

ペット保険では病歴などを正しく申告する「告知義務」があり、違反すると契約解除や刑事罰の可能性がある。
軽症でも自己判断せず告知し、疑問は保険会社に相談することが大切である。

ペット保険の「告知義務」とは?

告知義務とは、ペット保険に加入するときに、ペットの基本情報や病気・ケガなどを正直に伝えるルールのことです。

告知は保険法や保険約款により義務づけられており、正しく申告しないと契約に影響が出る可能性があります。
なぜ告知義務があるのか、もう少し掘り下げて見ていきましょう。

なぜ告知が必要なのか

告知が必要なのは、すべての加入者が公平に保険を利用できるようにするためです。

ペット保険は、加入者同士が支え合う「相互扶助(そうごふじょ)」の仕組みで成り立っています。
この制度を公平かつ健全に維持するためには、すべての加入者がペットの健康状態や年齢などを正しく申告することが欠かせません。

もし病気を隠して加入したり、年齢をごまかすような不正があると、ほかの加入者との不公平が生じてしまいます。

さらに、保険会社が想定外の支払いを強いられれば、将来的に保険料の値上げや補償内容の縮小といった悪い影響が、すべての加入者に及ぶ可能性もあるのです。

このように、不正や不公平を防ぎ、安心して保険を利用できる仕組みを守るためにも、告知は重要な役割を果たしています。

告知が必要な内容とは?

告知が必要な内容は保険会社によって異なりますが、ペット保険の一般的な告知内容は以下の通りです。

  • ・ペットの基本情報
  • …種類、生年月日、体重など
  • ・既往歴・持病
  • …これまでにかかった病気やケガ、先天性疾患など
  • ・ワクチンの接種状況
  • …ワクチン接種の有無や接種日
  • ・通院歴
  • …過去〇ヶ月以内の病気やケガによる動物病院の利用状況※ペット保険によって異なる
  • ・現在の健康状態
  • …下痢気味など現在見られる症状
  • ・他社のペット保険の契約状況
  • …保険契約の有無や満了日
  • ・かかりつけの動物病院情報
  • …病院名、電話番号など

ここで注意したいのが、病名が確定されていなくても獣医師から症状を指摘されたことがある場合も告知義務があることです。

治療を行わない経過観察なども含まれるため、動物病院を利用したときは通院日や獣医師から言われたことをメモしておくことをおすすめします。
なお、保護犬・保護猫などで生年月日が分からない場合は、必ず獣医師に推定年齢を確認し、加入したい保険会社が指定している月日を記入してください。

告知義務違反は本当に「バレない」のか?

検索時に「ペット保険 告知(もしくは告知義務)」と入力すると「バレない」「バレなかった」というキーワードが出てきますが、告知義務違反は高確率でバレます。

加入時に発覚しなくても、通報があったり、その後の保険金請求時で発覚するケースは多く、実際には「バレない」ということはありません。
嘘の告知をしてもリスクしかないため、告知義務を正しく守って申告することが大切です。

保険会社はどこまで調べるのか

ペット保険の保険会社が告知内容を調べるタイミングは3つあり、その都度専門の保険調査員や保険会社の獣医師が細かく確認します。

告知内容を調べるタイミング

  • ・加入時
  • ・保険金請求時
  • ・通報時

場合によっては診療明細書を発行している動物病院に直接連絡したり、本格的な調査チームが介入して過去の通院歴や申告内容が精査されます。
もしかしたら、中には「動物病院を変えたらバレないだろう」と思う人もいるかもしれません。

しかし、紹介状や検査データがある場合や、獣医師との会話の中で前の病院のことを言っている場合など、いくらでも調査できる情報があります。

また、不自然な症状など初診ではないと判断すれば複数の動物病院に照会をかけることもあり、完全に隠し通すことはほぼ不可能なのです。

獣医師は中立の立場で回答する

保険会社から問い合わせがあった場合、獣医師は中立な立場で正直に答えます。
そのため、「もしかしたら獣医師が協力してくれるかも?」という甘い期待も通用しません。

これは実際、2013年に飼い主さんのために良かれとペット保険をすすめた獣医師が、病気やケガの発症日を改ざんして保険金を不正請求し、詐欺罪で起訴されたという事件があったためです。
この件を受けて、日本獣医師会はペット保険に関する指導を徹底しました。

現在では診断日や症状の記録などにおいて厳格な対応が求められており、獣医師が飼い主に協力することはないというのが現実です。

※参考:日本獣医師会
https://jvma-vet.jp/topics/topic_view.php?rid=1253
https://jvma-vet.jp/nichiju/suf/publish/2015/20150401_02.pdf

告知内容はどう確認される?

保険会社は、加入時の告知内容を見て、必要に応じて動物病院のカルテや診断書を照会して確認します。
もし嘘の告知で病気などを隠していても、加入前に発症していた病気や通院歴がわかれば「告知義務違反」と見なされてしまうでしょう。

特に、加入してすぐに保険金請求があった場合や、申告された内容と治療履歴に矛盾があると判断された場合には、照会の頻度も高まります。

カルテ照会は獣医師の協力のもとで行われ、飼い主が知らないうちに進められるのが一般的です。

カルテは3年以上保存されていることもある

動物病院のカルテは、獣医師法施行規則によって最低3年間の保存が義務付けられています。

近年ではカルテを電子化しているなどして、10年以上保存されている場合も珍しくありません。
実際に筆者が愛犬のペット保険に加入する際に、10年以上前に数回だけかかったことのある動物病院に情報の確認をしたところ、紙のカルテでしっかり残っていました。

また、別の動物病院でも保険会社から問い合わせがあったことを受付のスタッフから教えてもらったこともあり、保険会社がしっかり調査していることを実感しました。
告知において「昔のことだからバレないだろう」は通用しないため、正しく告知することが大切です。

※参考:農林水産省「獣医師法21条2項、獣医師法施行規則11条の2」
http://www.020329.com/x-ray/sinryou/pdf/2-3.pdf

「バレた時」のリスクとペナルティ

何度も言いますが、告知義務違反は大きなリスクを伴います。
嘘の告知がバレたときは、重大なペナルティが科され、刑事罰に問われることもあるのです。

①保険契約の解除

保険会社は、嘘の告知を理由に、契約を一方的に解除することができます。

このとき、すでに保険料を支払っていた場合であっても返還されることはありません。
当然、補償も受けられなくなります。

②保険金が支払われない

嘘の告知が発覚した病気やケガについて、保険金が支払われないことがあります。

もし契約が解除にならなかった場合でも、その病気やケガに関する治療費は補償対象外として扱われ、その後も全額自己負担となります。

③保険金の返還を求められる

保険会社から保険金を受け取っていた場合、保険金の返還を求められます。

一括返済できない場合は保険会社に相談して、分割にしてもらうなどの対処が必要です。
返還を拒否した場合は、民事訴訟を通じて返還請求されることもあります。

④保険金詐欺として刑事告発される

嘘の告知が悪質だと判断された場合、保険金詐欺として詐欺罪に問われることもあります。

詐欺罪は有罪となれば10年以下の懲役が科され、罰金刑はないのでそのまま収監ということもあり得るでしょう。
このように、告知義務違反には大きなリスクが伴うのです。

告知しなかった場合のトラブル例

実はペット保険の告知義務違反は、意図して嘘の告知をした場合だけでなく、うっかり告知していなかった場合でも起こり得ます。

ここでは、告知しなかった場合のトラブル例を見ておきましょう。

よくある「告知しなかった」パターンとその末路

「一度だけの通院だし」「もう治ったから」などの理由で、過去の病気や症状を告知しなかった結果、告知義務違反と判断されて保険金が支払われなかったケースもよくあります。
ほかにも、

  • ・自然に治った
  • ・獣医師に明確な診断名を言われていない(病気だと思わなかった)
  • ・検査だけで治療をしていない
  • ・経過観察中で薬も出ていない
  • ・病名を正確に覚えていなかった
  • ・前のことで通院したことを忘れていた

など、自己判断で告知しなかったことにより、保険会社とのトラブルに発展してしまうことも珍しくありません。
これらはすべて告知義務の対象になります。

最悪の場合契約が解除されてしまうこともあるため、自己判断で告知しないということはやめましょう。

「軽い症状だから大丈夫」は危険?

「ちょっとした下痢だった」「くしゃみしていただけ」「痒がっていたけどすぐに治った」など、軽い症状だからといって告知しなかった場合でも、告知義務違反になることがあるため注意が必要です。

ペット保険加入後にこれらの症状が再発した場合、保険会社は「以前にも同じ症状で通院していたのではないか?」とカルテなどを照会することがあります。

また、保険会社専属の獣医師が診療記録などを確認し、加入前からの病気の可能性があると判断されれば、保険金が支払われないのはもちろん、契約そのものが解除されるリスクにつながります。

実際、SNSでは「保険金が下りずに保険会社ともめている」というトラブルの投稿を目にすることがありますが、よく見ると軽い症状があったけど治ってたから告知しなかったという内容です。
ちょっとした症状でも正直に告知しておくことが、後悔しない保険選びにつながるでしょう。

正しく告知するためのポイント

嘘の告知は絶対にダメですが、うっかり告知義務違反にならないようにするためにも、ペット保険に加入するときは正しく告知することが大切です。

ここでは、正しく告知するためのポイントをご紹介します。

どこまで正直に申告すべき?

基本的に、「これは申告するべき?」と迷ったことも、すべて申告しましょう。

軽症だと思っていたことが保険会社にとっては重要な情報であるケースもあり、正直に申告することで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
逆に申告しなくていいのは、避妊・去勢手術、ワクチン接種、健康診断など、予防目的の診察についてです。

また、一時的な嘔吐や下痢などですでに完治していると獣医師が判断しており、保険会社の告知項目である「過去〇ヶ月以内に動物病院を〜」にあてはまらない場合も告知する必要はありません。

しかし、症状がなくても経過観察中であったり、保険会社が指定している病名にあてはまる場合は、期間に関係なく正直に申告してください。

不安な場合はどうすればいい?

不安な場合は、まず保険会社に相談しましょう。
ほとんどのペット保険が加入前の相談窓口を設けており、具体的なケースに応じて丁寧にアドバイスをしてくれます。

実際に筆者はさまざまなペット保険を調査するのに相談窓口に電話したことがありますが、愛犬の状態以外にこちらの個人情報を聞いてくるようなことはありませんでした。

ペット保険会社によって告知内容や加入条件は異なるため、最も確実な方法と言えます。

また、正しく告知する上で、動物病院を利用したことがある場合は、診断名や内容を確認しておくことも大切です。

まとめ|正しく告知して後悔のない保険選びを

ペット保険は、加入している飼い主さん同士の助け合いで成り立っているものであり、高額になりがちな治療費の負担を軽減してくれるとても心強い存在です。

だからこそ、嘘の告知によって、ペット保険の存在自体が危ぶまれるようなことはあってはいけませんね。

告知義務違反は、意図しなくてもうっかり起こしてしまう可能性があるものなので、正しい知識と意識を持つことが大切です。
繰り返し言いますが、ペット保険の告知義務違反にはリスクしかありません。

最後にもう一度、心構えをおさらいしておきましょう。

告知義務違反によるトラブルを防ぐための心構え

ペット保険を安心して利用するためには、正しい告知が何よりも重要です。

「バレないだろう」と安易に考えると、後に契約が解除されて高額な医療費を自己負担しなければならない状況にもなりかねません。

ペット保険は万が一の備えとしてだけでなく、加入している安心感を与えてくれるものです。
だからこそ、最初の段階で誠実な告知を行い、保険会社との信頼関係を築くことが大切と言えるでしょう。

おすすめの保険会社の選び方

保険会社を選ぶ際には、保険料の安さだけでなく、補償内容や告知項目の詳細にも注目しましょう。

告知内容はどの会社でも似ていますが、「加入できない病気」や「補償対象外となる病気」は保険会社によって異なります。

とくに、すでに持病がある場合や過去に治療歴がある場合は、複数の保険会社を比較検討するのがおすすめです。

保険の選び方

さまざまなペット保険があり、どの保険が良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。

筆者も初めてペット保険を選んだときは、どこを見ればよいのか、何が良いのかさっぱりわかりませんでした。
しかし、その後実際に3社のペット保険に加入し、さらに毎年すべてのペット保険を細かく調査してきました。

だからこそわかる、失敗しないペット保険を選ぶポイントをお伝えするので、保険選びの参考にしてください。

保険選びのポイント

ペット保険を選ぶときに見るべきポイントは以下の3つです。

  1. 1. シニア期以降の保険料
  2. 2. 補償対象外の病気
  3. 3. 更新時の条件

ペット保険は、保険タイプや補償割合、回数制限の有無などさまざまな種類がありますが、どんな目的で加入するかによって適したペット保険は異なります。
ただ、どのペット保険に加入するにしても、この3つのポイントを軸に考えると、後悔するようなペット保険を選ぶことはないでしょう。

ここでわかりやすく解説するので、ぜひ覚えておいてくださいね。

①シニア期以降の保険料

ペット保険は現在の保険料ばかりに目が行きがちですが、シニア期以降の保険料もしっかり確認しましょう。
若い頃は保険料が安くても、シニア期以降に月数万円と高額な保険料になるペット保険もあります。

ペットはシニアになると病気になりやすく、治療費も高額になる傾向にあるため、保険料を支払うことに必死で治療がままならないというのは、何のためのペット保険かわからなくなってしまいますね。

だからと言って、シニア期になってからペット保険を乗り換えることはペットの状態によって加入できなかったり、条件付きの加入となるなどリスクが伴います。
加入する時点で、シニア期以降の保険料も確認しておけば、そうした事態も避けることができるでしょう。

②補償対象外の病気

自分のペットがかかりやすい病気が、補償対象外になっていないか確認しましょう。
ペット保険の補償内容がどれも同じではないように、補償対象外の病気も保険会社ごとに異なります。

中には、ペットがかかりやすい病気を最初から補償対象外としていたり、シニア期以降になってから補償対象外とするペット保険もあるので注意が必要です。

確認しないで加入してしまうと、いざその病気で保険金を請求しても支払われず、ペット保険に加入したことを後悔してしまうことにもなりかねません。

また、一部のペット保険は病気が完治しない限り、年度が替わっても回数がリセットされずに使えないということもあります。
心臓病や腎臓病など、シニアになると完治しない病気にかかる可能性が高いことも考えてペット保険を選びましょう。

③更新時の条件

ペット保険は1年ごとの自動更新ですが、更新時に特定の病気や部位が補償対象外になったり、更新できない可能性がないかも確認しましょう。

加入したときの条件で更新できるペット保険は限られており、多くは更新時に特定の病気や部位が補償対象外になる可能性があることを重要事項説明書や約款などに明記しています。
ただ、約款に書いていてもできる限り条件をつけないように企業努力している保険会社もあるため、気になるペット保険があればSNSなどで口コミを確認すると良いでしょう。

また、更新できない可能性については注意が必要です。
こちらも約款などに明記されていますが、

  • ・2年連続で回数制限に達した
  • ・年間の補償限度額に達した
  • ・トータルでの補償限度額に達した

など、その条件はさまざまです。
この場合、上限に達した時点で保険契約が終了となってしまい、再度加入し直すかほかのペット保険に新規加入する必要があります。

すでに病気などでペット保険を利用していることから、加入すること自体が難しかったり、加入しても条件つきとなるので予めそうしたペット保険は避けておいた方が安心でしょう。

この記事の監修者

高田菜月

高田菜月

老犬・老猫のトータルケアサロン開業を目指すペットライターです。経験や知識を活かして各種メディアで記事の執筆や監修を行っています。
【保有資格】
ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格 / ペットフード安全管理者 / メディカルトリマー

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