【300人に調査】ペットの医療費はいくらかかる?地域差と新生活前に知っておきたい実態

電卓と聴診器、犬のぬいぐるみの写真

この記事をまとめると

ペット医療費の実態と備え方を解説。
ポイントは以下の4つ。

  • 新生活では環境変化で医療費が増える傾向
  • ペット医療費は全額自己負担で病院ごとに差がある
  • 医療費は想定より高いと感じた飼い主が約55%
  • 都市部は診療費が高く、地域差にも要注意

要約

ペットの医療費は全額自己負担で、しかも病院ごとに差がある。
特に新生活では出費の増加や環境の変化で医療費が高くなる。約55%の飼い主が想定以上に高いと感じ、地域差も影響するため事前の備えとペット保険の検討が重要である。

新生活で増える「ペット医療費」の不安

ペットと暮らすうえで、避けて通れないのが医療費の問題です。どんなに気を付けていても、ペットは生きものである以上、病気やケガのリスクが伴います。

それに加えて、新生活では出費が増えがちで、環境が変わることで予測が難しくなるため、ペット医療費に対する不安が高まる傾向にあります。

引っ越し・転勤・進学で環境が変わると医療費も変わる?

結論から言ってしまうと、引っ越しや転勤、進学などで環境が変わると、医療費も変わることがほとんどです。
新生活は、生活環境や生活リズムが大きく変わるタイミングで、ペットもストレスから体調を崩しやすくなります。

また、飼い主側も忙しくなって、受診のタイミングが夜間や休日になることもあるでしょう。

こうしたことから、環境が変わると医療費も変わることが多いのです。

ペット医療費は全額自己負担が基本

ペットには人のような公的な医療保険制度はなく、病気やケガにかかる治療費や予防のための処置の費用など、基本的に医療費は全額自己負担です。
さらに、動物病院の診療費は、人の病院と違って国が料金を決めているわけではありません。

動物病院は「自由診療」が基本なので、同じ検査や治療でも病院によって金額が異なってくるのです。
そのため、軽い通院で数千円で済むこともあれば、まったく同じ治療内容なのに1万円以上かかるということも普通に起こります。

新生活で引っ越しが伴えば新たな動物病院に行くこととなり、料金がガラッと変わって医療費の負担が増えるということも珍しいことではありません。

300人にアンケート!ペット医療費の実態調査

新生活では医療費が変わる傾向にありますが、地域によっても医療費の差はあるのでしょうか。
そこで、ペット保険ステーションでは、全国のペットと暮らす飼い主さん300人を対象に、ペット医療費の実態調査を行いました。

Q1 直近1年間で、ペットの医療費はいくらかかりましたか?

ペット医療費の年間支出額の分布を示す棒グラフ。1万円未満が45%で最多、次いで1〜3万円未満が20.3%。10万円以上も11%存在する。

直近1年間のペットにかかった医療費で最も多かったのは、「1万円未満」が45.0%でした。
予防接種などの最低限のケアで済んだ飼い主さんが約半数を占める一方で、5万円以上の医療費がかかった飼い主さんも23.7%見られます。

健康状態による負担の二極化が見て取れますが、子犬やシニア犬は医療費がかかりやすく、成犬は比較的医療費の出費が少ないため、そうした背景があると推測できます。

Q2 これまでで、最も高額だった1回のペット医療費はいくらでしたか?

ペット医療費の最高額の分布を示す棒グラフ。1万円未満が38.3%で最多だが、10万円以上も13.7%と意外に多い。

これまで最も高額だった1回のペット医療費でも、最も多いのは「1万円未満」38.3%でした。
しかし、1回で「10万円以上」を経験した飼い主さんが13.7%いることは見過ごせません。

これは、突発的な事故や病気による手術、高額な治療によって1回に10万円以上の支出を余儀なくされる可能性が誰にでもあることを示しています。
実際、私もこれまで4匹の愛犬を見送りましたが、うち2匹は1回10万円を超える治療が10回以上ありました。

新生活では出費が重なるため、こうした高額治療になり得る可能性も想定しておくと安心です。

Q3 ペットを迎える前に想定していた医療費と比べて、実際はいかがでしたか?

ペット医療費の想定と実際の差を示す棒グラフ。想定通りが37%で最多、想定より高かったは合計54.7%。想定より安かったはわずか8.3%。

ペットを迎える前に想定していた医療費と実際を比べた質問では、「想定よりかなり高かった」28.0%、「想定よりやや高かった」26.7%と、半数を超える54.7%の飼い主さんが想定より高かったと感じていることがわかります。

これは、多くの人が実際にペットを家族として迎えた後に、「こんなに医療費がかかると思わなかった」と感じている実態が浮き彫りになった結果と言えるでしょう。

ペットの医療費は一般論が先行しがちですが、個体差も大きく、当てはまらないことも多々あります。
どれだけ医療費がかかるかは、実際にお迎えしてみなければわからないことなので、余裕を持って備えることが大切です。

Q4 ペットを迎える前に、お住まいの地域のペット医療費について調べましたか?

ペット飼育前の医療費調査状況を示す棒グラフ。全く調べなかったが40%で最多、ほとんど調べなかったも30.7%。合計70.7%が事前調査不足。

ペットを迎える前に、住んでいる地域のペットの医療費については、「全く調べなかった」40.0%、「ほとんど調べなかった」30.7%と、70.7%の飼い主さんが地域の医療費の相場を確認しないままお迎えした実態が見えます。

確かに、地域の医療費の相場はまとめられているものもなく、わかりにくいですね。動物病院のサイトを1つ1つチェックして料金を確認するのは大変なことでしょう。
ただ、日本獣医師会は不定期に「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(※1)」を行っており、おおよその全国の平均治療費を確認することは可能です。

こうした情報収集不足が「想定より高かった」という感覚に直接つながっていると考えられ、ペットをお迎えするときの「もしもの備え」の重要性を示しているのではないでしょうか。
※1参考:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査結果 令和5年9月

Q5 ペット医療費について、地域差を感じたことはありますか?

ペット医療費の地域差認識を示す棒グラフ。特に感じたことはないが46.3%で最多。地域差を感じた人は合計21%にとどまる。

ペット医療費の地域差では、最も多い回答が「特に感じたことはない」46.3%でした。
もちろん、今回の調査は新生活を送っている飼い主さんだけが対象ではないため、引っ越しなどをしていない場合では地域差は感じにくいでしょう。

しかし、「他地域より高いと感じた」11.0%、「他地域より安いと感じた」5.7%、「引っ越し後に差を感じた」4.3%と、21.0%の飼い主さんは地域差を感じているようです。

今回のアンケートを都道府県別に詳しく分析したところ、埼玉県や千葉県、神奈川県、東京都、福井県、京都府、大阪府、兵庫県では、医療費を高いと感じている傾向にありました。
公的なデータは存在しませんが、比較的大都市圏は医療費が高くなる傾向にあるため、平均よりも少し高めに見積もっておいたほうが安心です。

ペット医療費に「地域差」が生まれる理由

なぜペットの医療費に地域差が生まれるのでしょうか。ここでは、主な理由について見ておきましょう。

都市部と地方で診療費の水準が異なる

都市部は家賃や人件費、設備維持費などが高くなりやすく、その分診療費が高めになる傾向にあります。
一方、地方では比較的コストが低く抑えられるため、比較的控えめな診療であることが多いのです。

私たちでも都市部と地方では給料に差がありますよね。

夜間救急・高度医療の有無による差

地域に、夜間救急や高度医療に対応している動物病院があるかどうかも、医療費の差につながりやすいでしょう。
夜間診療や休日診療を受ければ、普段の診療費とは別に夜間診療費などがかかります。

また、高度医療は高額な費用がかかるため、こうした動物病院がある地域は医療費が高くなりがちです。

犬・猫の飼育頭数と競争環境

犬・猫の飼育頭数が多い地域は動物病院も多く、競争環境にあることも医療費に影響していると言えます。

動物病院がたくさんある地域では比較・検討しやすく、納得できる診療費の病院に行くことが可能です。
しかし、動物病院が少なく選択肢がない場合では、その動物病院が提示する金額での診療を受けるしかありません。

新生活前に知っておきたいペット医療費の備え方

今回の医療費実態調査では、ペットを迎える前に医療費を調べなかった人が約7割いました。
新生活は出費が増えるからこそ、最低限知っておきたい医療費の備え方を解説します。

かかりやすい病気・ケガと平均費用

かかりやすい病気やケガはペットによって異なりますが、アニコム損害保険会社の「家庭どうぶつ白書2024」では、犬や猫に多い病気は以下の通りです。(※2)

  • ・皮膚疾患(犬・猫)
  • ・消化器疾患(犬・猫)
  • ・全身性の疾患(犬・猫)
  • ・歯・口腔疾患(犬・猫)
  • ・耳・目の疾患(犬)
  • ・循環器疾患(犬)
  • ・内臓疾患(犬)
  • ・泌尿器疾患(猫)
  • ・誤飲や骨折(犬)

また、平均費用では犬全体で年間約115,221円、猫全体で約90,814円という報告でした。

ただ、これはあくまでも0歳〜15歳までのペット全体の数字です。
10歳を超えたあたりから平均費用が15万円を超え、14歳では約25万円が平均となっています。

さらに、調査にはない16歳以降はもっと医療費がかかるため、今からしっかり備えておくことが大切です。
※2参考:アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2024」

突然の高額治療に備えられている?

ペットの病気やケガは誰にも予測できないもので、突然の高額治療が必要になることもあります。
実際、今回のアンケートでも、1回10万円を超える治療費がかかった飼い主さんも13.7%(41人)おり、決して少ない数字ではありません。

お金がなくて治療が受けさせてあげられないというのは、ペットの命を預かっている以上避けなければいけないことですね。

急な高額治療に備えられているか、もう一度よく考えてみましょう。

貯蓄だけで備えるリスク

ペットの医療費を備えるうえで貯蓄は大切ですが、連続の通院や入院、手術などの治療が重なると、貯蓄だけでは追いつかなくなることもあります。
また、ひとつの病気にかかったからといって、他の病気にかからないわけではありません。

特にペットがシニア期に入れば複数の病気の治療が重なりやすいため、貯蓄だけで備えることにはリスクがあることを理解しておくことが大切です。

アンケート結果から見えた飼い主のリアルな声

ここでは、今回のアンケート結果から見えた、飼い主さんのリアル声を整理してみました。

思ったより医療費がかかった」飼い主の割合

「思ったより医療費がかかった」と回答した飼い主さんは、54.7%(約164人)と、5割以上です。
現実とのギャップに驚いたと同時に、不安になった飼い主さんも多いと見受けられます。

医療費が原因で治療を迷った経験

飼い主さんの中には、医療費が原因で治療を迷ったこともあるようです。
実際、犬の情報メディア「INUNAVI」の調査によれば、5万円以上の治療を諦めるという飼い主さんが一定数いることが確認できます。(※3)

動物病院ではどれくらいの費用がかかるか目安を教えてもらえるため、不安がある場合は事前に聞いて準備しましょう。
※3参考:INUNAVI「愛犬の医療費は備えてる?わんちゃんの病院代事情!5万円以上の治療は諦める飼い主さんも〇%【飼い主300人アンケート】」

事前に知っておきたかったこと

ペットの医療費について、お迎え前に「調べなかった」という飼い主さんが約7割いたように、動物病院の相場感やお迎えするペットがかかりやすい病気などは最低限知っておきたかったようです。

また、ペット保険があることを知らない飼い主さんもおり、知っていれば事前に備えることができ、医療費を心配することなく過ごせたという声もありました。

ペット医療費を抑えるためにできること

ペットの医療費をゼロにすることはできませんが、結果として負担を抑えられる方法はあります。
ここでは、ペット医療費を抑えるためにできることを見ていきましょう。

定期健診と早期発見の重要性

ペットの定期検診や体調不良の早期受診による病気の早期発見は、重症化によって高額な治療になるリスクを下げることにもつながります。
若いペットでは1年に1回、シニアのペットでは半年に1回の定期検診を意識しましょう。

かかりつけ動物病院を持つメリット

かかりつけの動物病院を持つことも、医療費を抑える方法のひとつになります。

新しい動物病院に行くと、ペットの状態を把握するために血液検査やレントゲン検査、エコー検査など検査のフルコースになってしまうことも珍しくありません。
かかりつけの動物病院を持つことで、獣医師がペットの状態の変化に気づきやすく、検査や治療の判断がスムーズに行えます。

新生活前の情報収集がカギ

新生活前に、動物病院の情報を調べておくこともポイントです。

診療費の目安や診療時間、休診日などを知っておくだけでも、夜間や休日診療を避けることができるでしょう。
もちろん、救急診療が必要な場合も出てきますが、普段の受診が診療時間内でできるかどうかは大きな違いになります。

まとめ:新生活前に「ペット医療費」を把握しておこう

今回は、ペット医療費の実態調査をご紹介しましたが、新生活前にペットの医療費を把握しておくことは大切です。
最後に、もう一度おさらいしておきましょう。

ペット医療費は想定以上にかかる可能性がある

多くの飼い主さんが「思っていたより高い」と回答していたように、ペットの医療費は、想定以上にかかる可能性が高いです。

ペットは生きものである以上、常に病気やケガのリスクが伴います。どれくらいの医療費がかかるか調べておきましょう。

地域差を知ることで心構えができる

動物病院は自由診療なので、地域や病院によって診療費に差があります。
特に都市部は診療費が高い傾向にあるということを知っておくことで、心構えができるでしょう。

早めの備えが安心につながる

ペットの医療費は、必要になってから準備するのではなく、早めに備えておいたほうが安心につながります。
医療費に躊躇して必要な治療を受けさせてあげられないということがないように、早めに備えておきましょう。

もしもの医療費に備えてペット保険も検討しよう

ペットの医療費がいくらかかるかは、誰にも予測できません。貯蓄だけではリスクがあるため、もしもに備えてペット保険も検討しましょう。

高額な治療費でも自己負担を抑えられる

ペット保険は、補償対象となる病気やケガの治療費の一部を保険会社が負担してくれるため、高額な治療費でも自己負担を抑えることができます。
もちろん、保険タイプや補償割合、保険料など自分に合ったものを選ぶことが大切ですが、ペット保険は心強い味方となってくれるでしょう。

実際、私自身もペット保険に加入していますが、医療費を心配することなく、ちょっとしたことでも動物病院を利用するようになりましたよ。

新生活と同時に見直したい補償内容

新生活のタイミングで、今のペット保険がペットの状態に合っているかを見直しておきましょう。

たとえば、ペットがシニア期に入る場合は、通院や入院が増える傾向にあるため、フルカバータイプのペット保険にしたり、自己負担を抑えるために補償割合を70%にするなど、見直すポイントはたくさんあります。

また、現在は安い保険料でも、シニア期以降は保険料が高額になるものもあるため、補償内容と合わせて保険料もチェックしてみることをおすすめします。

ペットと長く安心して暮らすために

新生活はワクワクすることもたくさんありますが、予期せぬ出費も増えがちです。
特にペットの医療費は、いつ・いくらかかるか予測しにくい支出のひとつです。

ペットと長く安心して暮らすためにも、今できる準備から始めていきましょう。

この記事の監修者

高田菜月

高田菜月

老犬・老猫のトータルケアサロン開業を目指すペットライターです。経験や知識を活かして各種メディアで記事の執筆や監修を行っています。
【保有資格】
ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格 / ペットフード安全管理者 / メディカルトリマー

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