【獣医師監修】犬の寿命は?シニア期のペット保険加入で医療費に備える

【獣医師監修】犬の寿命は?シニア期のペット保険加入で医療費に備える

個人的な話ですが、わたしは17歳8ヶ月の小型犬を飼っています。

わたしの愛犬も13歳まではほとんど病気らしい病気はせず元気いっぱいだったのに、14歳で皮膚に腫瘍ができてからは、歳を重ねるごとに小さな体調不良をはじめ、命に関わる大きな病気を経験してきました。

シニア犬の飼い主のひとりとして感じるのは、シニア期の犬には若い頃以上に細かいケアが必要だということです。

この「細かいケア」に含まれるものが、おかしいと感じたらすぐに動物病院を受診する習慣です。

しかし、動物病院での治療費は、人間の病院のような公的な保険制度がないためすべて自費治療です。

そのため、愛犬が重い病気だったらどうしよう、という不安にプラスして高額な治療費がかかるかも知れないという不安で動物病院の敷居が少し高くなってしまうのも少なからずあるのではないかと思います。

この不安を解決するのに一役買ってくれるのが、ペット保険です。

ペット保険とは、月々の保険料を保険会社に支払うことで、動物病院での治療費の自己負担を減らすことができるサービスです。

自己負担の割合は、保険会社や加入プランによって異なり、補償内容も各保険会社によって様々です。

もちろん、ペットを飼い始めると同時に、何かあった時のために月々しっかりお金を積み立てておくという選択肢もあると思います。

しかし、実際はなかなか難しいというのが現実ではないでしょうか。

最近はシニア期の犬も加入できるペット保険や加入プランも増えてきています。

「うちの子はもうお年だからペット保険は入れない」と自己判断なさらずに、ペット保険について情報を集めて、突然の病気やケガなどの医療費に備えることをお勧め致します。

犬の寿命について

(一社)ペットフード協会が毎年実施している全国犬猫飼育実態調査によると、2021年の犬の平均寿命は14.65歳というデータが発表されました。

小型犬か中型・大型犬の違いや犬の年齢の換算方法によって異なりますが、これを人間の年齢に換算するとおよそ80歳です。

犬は人間の4~7倍のスピードで歳をとります。

人間の一日は彼らにとって4日~7日、そして3か月は人間の1年以上です。

「1週間前から具合が悪い」=「1か月以上具合が悪い」ということを忘れないで、おかしいと思ったら早めに診察を受ける様にしましょう。

高齢の犬がかかりやすい病気と治療費について

シニア期、特に10歳を超えて多くなるのは心疾患と腫瘍です。

心疾患

心疾患の中で最も多いのは僧帽弁閉鎖不全症です。

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁という弁がしっかり閉じなくなることで、本来左心室から全身に送られるはずの血液の一部が左心房に逆流してしまう病気のことです。

この様に全身に十分な血液を送り出せないことで、以下の様な症状がでてきます。

●症状

  • ・疲れやすくなり、元気がない
  • ・咳をする
  • ・呼吸が浅く、早い
  • ・下の色が紫色をしている(チアノーゼ)
  • ・苦しくて横になって眠れない
  • ・失神する

●治療

まずは心臓の状態を把握するために聴診をはじめ身体検査を行い、レントゲン、超音波検査、心電図検査、血液検査を行います。

治療は外科手術よりも、血管拡張剤や強心剤、利尿剤などを状態に応じて服用する内科治療が一般的です。

これらの内服薬は心臓を治すお薬ではなく、心臓の働きを助け、身体に溜まった余分な水分を尿として排出し、症状を改善し病気の進行をなるべく遅らせるためのお薬なので、途中でやめることなく飲み続ける必要があります。

●治療費

動物病院での治療費は法律の規定により、一律ではありません。

そのため同じ内服薬でも病院によって治療費は異なります。

治療内容 治療費(参考)
レントゲン検査 1枚5000円~6000円
心電図 3000円~
心エコー 5000円~
血液検査 15000円~
内服薬 一日200円~1000円

内服薬は、長期間の服用が必要なため、治療費の累積は高額になる可能性があります。

腫瘍

皮膚や内臓をはじめ、骨や血液など体中いたるところに腫瘍はできる可能性がありますが、犬に多いのは乳腺腫瘍や皮膚にできる腫瘍など表面にできる腫瘍、身体の中のリンパ球が腫瘍化するリンパ腫(複数のリンパ節が腫れる多中心型、消化器型、縦隔型、皮膚型などがあります)などです。

腫瘍には悪性と良性があり、悪性の場合は転移や再発する可能性があるため、外科手術、抗がん剤治療、放射線治療などそれぞれの腫瘍にあった治療を選択します。

●治療

まずは「デキモノ」がなんであるかを確定診断する必要があります。

針生検を行う場合や、「デキモノ」の一部の組織、胸水などの貯留物、または「デキモノ」そのものを切除し、病理診断します。

腫瘍によっては、外科手術だけで切除したあとは経過観察で問題ない場合や、手術の後に抗がん剤治療の併用を行う場合、外科手術は効果が無く放射線治療を選択する場合などがあります。

治療内容 治療費(参考)
針生検 2000円~5000円
病理検査 10000円~20000円
抗がん剤 1回20000円~
放射線治療 1回50000円~
CT検査 1回30000円~

このように腫瘍の診断と治療にかかる費用はとても高額です。

年齢別のお世話の仕方・注意点

犬のライフステージの違いによる心身の特徴とかかりやすい病気、愛犬が元気で長生きするためにお勧めすることを含め、年齢別のお世話の仕方と注意点についてまとめました。

成長期(0歳~1歳くらいまで:大型犬は~2歳)

離乳してから成熟するまでの時期です。

●心と身体の特徴

一般的には親犬と離れて新しい生活環境に移動し、新しい環境で人間との生活や社会化について学ぶ時期です。

親や兄弟と離れた不安から、無駄吠えや破壊行動などの問題行動が起こりやすい時期でもあります。

しかし、小さくて可愛いからといって、犬に要求されるままに何もかも許してしまうと、最終的には飼い主を悩ませる犬に成長してしまいます。

この時期のエネルギー要求量は成犬期の約2倍ともいわれ、成長に必要なバランスの取れた食事を与える必要があります。

また、この時期は性成熟する時期でもあり、小型犬では生後半年くらいから交配可能になります。

●お世話の仕方・注意点

まずは、最低限のしつけを行い、人間と共に生活するルールを教える必要があります。

具体的には

  • ・人の手や身体を噛まない
  • ・無駄吠えをさせない
  • ・トイレのトレーニング
  • ・ひとりでもお留守番ができるようにする

などです。

しつけについて悩んだら、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

この時期は、小型犬の場合は低血糖に、そして大型犬の場合は過剰なエネルギー摂取やカルシウム剤の過剰摂取によって骨軟骨症(離断性骨軟骨炎)などの整形外科疾患になりやすいので注意が必要です。

もう一つ、この時期にぜひやって頂きたいのはお家での歯のケアです。

歯をきれいに保つことは長生きの秘訣ですが、この時期に歯のケアを習慣づけておかないと、成長してから急にやろうとしても嫌がって出来ないことが多いからです。

また、不妊手術や去勢手術に関しては色々な考え方がありますが、わたし自身は手術を行うことをお勧めしています。

メス犬の場合は、初回発情前に不妊手術を行うことで乳腺腫瘍の発生率をかなり抑えることが可能です。

成犬期(1歳~7歳)

●心と身体の特徴

元気いっぱいな時期なので、運動不足やコミュニケーション不足などでストレスが溜まると問題行動を起こしやすい傾向があります。

また、小型犬、特にトイプードルは高いところから飛び降りて前肢を骨折することが多く注意が必要です。

不妊・去勢した後に食欲旺盛になる犬も多く、飼い主が犬の要求に耐えられずにおやつや食事を与えることであっという間に太ってしまうのもこの時期です。

●お世話の仕方・注意点

この時期に一番気をつけることは食べすぎによる肥満です。

肥満は、高脂血症や糖尿病、ガン、関節疾患などのリスクを増加し、寿命を縮めます。

食事やおやつを調整して、愛犬が適正な体重を維持できるように心がけましょう。

そして、引き続き歯のケアは重要です。日本では3歳以上の成犬の約80%が歯周病もしくは歯周病予備軍と言われています。

すでに歯石がしっかりついてしまい、歯周病になっている場合は、動物病院で治療をしてもらいましょう。

治療後はご自宅でのケアを全く行わないとすぐにまたもとの状態に戻ってしまうので、ご自宅でのケアについてもかかりつけの先生に相談することをお勧めします。

太らせないようにすること、そして歯をきれいに保つことは健康で長生きの秘訣です。

シニア期(7歳~)

犬では小型犬~大型犬の成長速度の差が大きく、各品種の平均寿命の50%~75%を中年期、75%~100%を高齢期と分類しているため、7歳以上をシニア期としました。

●心と身体の特徴

耳が遠くなったり、目が悪くなったり、筋力が衰え始める時期です。

特に犬は前肢よりも後肢の筋肉が衰えやすいのが特徴です。

わたしの愛犬を見ていても、動物病院に来院される飼い主様のお話を伺っても思うことですが、シニア期になると今まで我慢できたことが我慢できなくなり、不安が少し強くなる傾向があると感じます。

具体的には、

  • ・急に噛むようになる
  • ・暴れて爪切りなどのケアができなくなる
  • ・お留守番ができなくなる

などです。

そして10歳過ぎると夜鳴きや徘徊などの認知症の症状がでる場合もあり、悩まれる飼い主様も少なくありません。

また、腫瘍や心疾患など病気が増える時期でもあります。

●お世話の仕方・注意点

歳をとっても愛犬が快適に過ごせる様に食事や運動、生活環境を見直す必要があります。

具体的には、

  • ・食事は食べやすい様にやわらかくするなどの工夫をする
  • ・食べる姿勢が楽なように少し高さのある台の上に食器を置く
  • ・お散歩は短い時間で回数を増やす
  • ・安心して過ごせる様にお気に入りの場所を作ってあげる

などです。

元気なワンちゃんは、緩い坂道をゆっくり登るお散歩コースを取り入れると、弱ってくる後肢の筋肉を無理なく鍛えられます。

また、やさしく声をかけながら撫でてあげることはコミュニケーションになると同時に、身体を触ることで病気の早期発見に役立ちます。

普段から愛犬をよく観察し、飲水量や食べ方、歩き方、舌の色や呼吸の様子などをチェックすることを心がけ、おかしいと思ったら動物病院を受診することをお勧めします。

病気の早期発見のためには、出来れば半年に1回、最低でも年に一回は健康診断を受けましょう。

保険の選び方

元気な成長期や成犬期であっても、病気やケガの可能性はゼロではありません。

また、シニア期に多い腫瘍の治療の様に、手術や抗がん剤治療が必要になり、心疾患の治療の様に長期間の通院やお薬の内服が必要になることも考えられます。

ペット保険は、ペットの医療費の一部を補償し、自己負担を減らしてくれるサービスですが、一般的に補償内容が多ければ多いほど、月々の保険料の金額は高くなります。

そこで、補償内容の重視するポイントや優先順位についてお伝えします。

ペット保険選びのポイントは?

シニア期のペット保険を選ぶにあたって最も優先順位が高いのは、

  • ・保険会社に支払う月々の保険料と更新の際の保険料
  • ・補償内容

の2点だと思います。

保険会社に支払う保険料について

保険料は最も安いものでは月に500円~、金額が多いプランでは1万円前後です。

しかし、シニア期のペット保険の保険料は若い時に加入するよりも少し高めで、加入条件も少し厳しくなります。

できれば一度加入したら終身続けられる保険を選ぶ方が安心です。

また、加入してから終身までずっと同じ保険料ではなく、保険料の見直しがあるのが一般的なので、その点も考慮して保険を選びましょう。

補償内容について

補償内容は保険会社やプランによって様々です。

シニア期のペット保険の補償内容は、長期の通院治療が必要な場合や手術が必要な場合を考えて、通院治療と入院や手術の補償も網羅するプランを選ぶことをお勧めします。

なお、ペット保険は病気やケガに備える目的なので、ワクチン接種やフィラリア予防など予防に関するものや、保険加入以前にかかっていた病気やケガについては補償対象外です。

さらに、保険会社による補償は無制限ではなく上限(支払限度額または支払限度日数・回数)があるので、加入前に限度日数や金額等をきちんと確認しましょう。

歳をとっても愛犬が快適に過ごすことが出来て、そして飼い主様の不安が少しでも解決できるように、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

大熊真穂

大熊真穂

現在複数の動物病院で臨床獣医師として勤務しながら専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信している。
▼ドリトルけいのいぬねこ健康相談室
https://www.dolittlekei.com/
ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」こと。

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