ラガマフィンはラグドールがルーツで、穏やかで飼い主とのコミュニケーションを好む猫です。
この記事では、ラガマフィンの性格や飼い方のコツとかかりやすい病気等についてまとめました。
【獣医師監修】ラガマフィンの性格や飼い方のコツは?病気や怪我についても解説
【獣医師監修】ラガマフィンの性格や飼い方のコツは?病気や怪我についても解説

ラガマフィンは、アメリカでラグドールをベースに他の猫種との交配を経て作られた猫種で、ラグドールの見た目の特徴やなりやすい病気を受け継いでいます。
ラガマフィンの基本的な性格
ラガマフィンは、飼い主によく懐く穏やかでおとなしい猫種とされています。
個性にもよりますが、抱っこをされてもあまり嫌がらずにそのままじっとしている猫が多い様です。他の猫や犬などとも上手に付き合えるともいわれており、初めて猫を飼う方におすすめの猫です。
ラガマフィンと相性の良い環境
ラガマフィンは体重が4.5kg~9kgと比較的大型の猫で、身体が成熟するまで4年くらいかかるといわれています。
おっとりとした性格で激しい遊びは好まないものの遊び好きのため、やや広めのスペースが必要です。甘えん坊で飼い主との触れ合いを好むので猫のためにある程度の時間を使える方や、飼育環境や相性などを検討した上で2頭飼いもおすすめです。
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猫にとって1匹と多頭飼いどちらが幸せかラガマフィンは長毛種のなかではそれほど被毛が長い方ではありませんが、こまめなブラッシングなどのお手入れは必要です。毛玉を切ろうとして皮膚をバッサリ切ってしまうことがあるので、毛玉が出来てしまった場合は動物病院やトリミングサロンに相談しましょう。
また、ラガマフィンは長毛種のため暑さにはあまり強くないので、特に夏場には温度管理を行い熱中症に注意しましょう。
ラガマフィンの健康管理について、特に重要な以下の3つのポイントについて解説します。
- ・適切な食生活
- ・運動の必要性
- ・定期的な健康チェック
適切な食生活
猫は肉食動物で、もともとは小動物を捕食していました。そのため、病気などの理由がない限り、猫には高たんぱくの食事が推奨されています。
特にラガマフィンは、がっちりとした体格を維持するためにたんぱく質が多めの食事がおすすめです。基本的には、総合栄養食と新鮮なお水が中心の食事がおすすめです。
また、太りやすい傾向があるため加工品のおやつや人間の食事は与えない様にする、一日の食事量を量って与えるなどの体重管理をこころがけましょう。
なお、手作り食の場合は、リンとカルシウムのバランスや必要なビタミンの不足などが懸念されるので、動物栄養学を学んでから実践することをおすすめします。
運動の必要性
食事の管理と共にある程度の運動も必要です。
キャットタワーの設置やフードの置き場所を工夫するなど自然に運動ができるような環境を作ることやおもちゃを使って一緒に遊ぶなど、愛猫が少しでも身体を動かして生活できるように心がけましょう。
定期的な健康チェック
猫は、人間よりも早く歳を取ります。
健康的な生活を送るためには、定期的な健康チェックは必須です。最低でも年に1回は血液検査・尿検査などの健康診断を受けましょう。
ラガマフィンはラグドールをもとに作出された猫で、その特徴を引き継いでいます。
そのため、ラグドールに多い肥大型心筋症にかかりやすく、消化器疾患、下部尿路疾患、遺伝性疾患の多発性嚢胞腎も注意したい疾患です。
消化器疾患、下部尿路疾患、肥大型心筋症、多発性嚢胞腎の主な症状と治療費の目安を表にまとめました。
主な症状 | 治療費の一例 | |
---|---|---|
消化器疾患 | 食欲不振 元気消失 腹痛 下痢 嘔吐 |
検便:1,000円~2,000円~ 血液検査:10,000円~ 皮下注射(下痢止め等):2,000円~ 皮下点滴:1,500円~3,000円 抗生剤・消炎剤投薬(7日分):内服薬1,500円~3,000円 |
下部尿路疾患 | トイレに頻繁にいく トイレの中に座っている時間が長い 陰部を頻繁に舐めている 痛がって鳴く 尿が出ていない |
尿検査:1,000円~4,000円 血液検査:10,000円~ レントゲン検査: 1枚5,000円~6,000円 エコー検査:5,000円~6,000円 抗生剤・消炎剤投薬(7日分):内服薬1,500円~3,000円 尿道カテーテル留置:3,000円~ |
肥大型心筋症 | 食欲低下 動きが悪く寝てばかりいる 呼吸が早い 咳をする 後肢が突然麻痺する 痛がって鳴く |
レントゲン検査: 1枚5,000円~6,000円 エコー検査:5,000円~6,000円 内服薬(血管拡張剤等):一日100円~ *症状が悪化し、血栓が詰まった場合は入院で酸素吸入や点滴と血栓溶解剤の投与などが必要→入院費:一日10,000円~ |
多発性嚢胞腎 | 食欲低下 多飲多尿 やせてくる |
尿検査:1,000円~4,000円 血液検査:10,000円~ エコー検査:5,000円~6,000円 血管拡張剤等の内服薬:1日200円前後 点滴治療(皮下または静脈):一回1,500円~5,000円 *最終的には慢性腎不全に移行し、死に至る遺伝性疾患で完治はできないため対症療法で治療を行います。 |
*動物病院によって治療費の設定が異なるので、治療費については一例としてお考え下さい。
ラガマフィンの年齢別の変化・特徴と、かかりやすい病気を年齢別にまとめました。
子猫期(0~1歳)
多くの猫にとって、生活環境が大きく変わる時期です。
特に生後2か月前後は母猫からの移行抗体が減少してくる時期で、免疫が不安定になります。この時期は、ワクチン接種を受けて感染症を予防することを心がけましょう。
また、猫は生後6ヶ月前後で性成熟を迎えます。不妊去勢手術を受けた場合は、肥満に注意しましょう。
<上部気道感染症(猫風邪)>
くしゃみ、鼻水、発熱、目やになど人間の風邪の様な症状が見られ、原因はヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアなどの感染です。
治療は点眼薬や点鼻薬、インターフェロンの投与などを行います。一旦症状がおさまっても再発する場合や、流涙や鼻づまりなどの症状が治らないケースもあります。
<消化器疾患>
消化器疾患とは食道や胃、腸など消化器系の病気のことです。子猫の時期に特に多いのは下痢や嘔吐、そして異物誤飲です。
特に飼い始めたばかりの子猫の時期は、環境の変化によるストレスや、寄生虫の感染などによる下痢が多く見られます。
異物の誤飲を防ぐためには、誤飲しそうなおもちゃなどを置きっぱなしにしないことが一番の対策です。
いたずら好きな猫の場合には、留守番はケージに入れる様にする等工夫しましょう。
<猫伝染性腹膜炎>
猫伝染性腹膜炎は1歳未満のオスの子猫に発症しやすいと言われています。
ある統計では、理由は不明ですが雑種より純血種での発生が多いという結果で、わたしの臨床経験上でも同じように純血種の猫に多い印象があります。
猫伝染性腹膜炎ウイルスは、ほとんどのイエネコが感染していると言われる猫腸コロナウイルスが突然変異してできたと言われています。
症状は食欲元気の低下、発熱、体重減少が見られ、腹水や胸水が貯まるウエットタイプとブドウ膜炎、肝臓や腎機能が低下し神経症状がみられるドライタイプの二つのタイプがあります。
この病気は、どちらのタイプも非常に治療の反応が悪く、残念なことに予後不良の場合がほとんどです。
なお、アニコム家庭動物白書2022によると、ラガマフィンのルーツ猫であるラグドールが他の猫種と比較してこの病気にかかりやすいというデータが報告されています。
成猫期(1歳~7歳)
比較的元気で病気になりにくい時期ですが、前述のとおり肥満に気をつける必要があります。
また、若いうちからブラッシングやご自宅での歯磨きなどのケアを習慣にすることも大切です。
<外耳炎>
外耳炎は猫種に関わらず、比較的多い疾患です。
原因はマラセチア菌という常在菌の増殖や細菌感染、耳ダニなどの外部寄生虫、過剰な耳のケアなど様々です。
治療は点耳薬や駆虫薬など原因に合わせた治療を行います。
<下部尿路疾患>
下部尿路疾患とは、膀胱と尿道の病気のことで、特に多いのは特発性膀胱炎です。
しかし、下部尿路疾患は、尿石症や尿路感染症、腫瘍などが原因であっても頻尿や排尿困難、血尿などの同じような症状がみられるので、何が原因なのかを調べることが大切です。
また、尿道が閉塞している場合は、命に関わるのでなるべく早く治療する必要があります。愛猫がきちんと排尿しているかどうか毎日確認しましょう。
シニア期(7歳~)
健康上のトラブルが増えてくる時期です。
ラガマフィンは、腎疾患や心疾患が気になる猫種です。普段の愛猫の様子をよく観察し、少なくとも年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。
<慢性腎臓病>
シニア期の猫が最もかかりやすい病気の一つです。
症状は多飲多尿、食欲不振、毛並みが悪くなる、痩せてくるなどで、この様な症状が見られた時には腎臓の機能の7割近くがダメージを受けている状況です。そして、壊れてしまった腎臓の細胞は元通りに再生させることはできません。
治療は、内服薬の投薬や食餌療法、輸液療法などで、残った腎臓の機能をなるべく良い状態に維持することを目的として行います。
<甲状腺機能亢進症>
シニア期の猫に多い内分泌疾患です。
原因は、甲状腺過形成、甲状腺濾胞腺腫、甲状腺癌で、甲状腺の機能が亢進しすぎることで、異常に食欲が旺盛になり、その割には体重が減少していきます。鳴き声が大きくなる、昼夜に関わらず良く鳴くなどの症状が見られたらこの病気を疑います。
診断は、触診や血液検査を行い、甲状腺ホルモンの値を確認します。
治療は、食事療法や甲状腺の働きを止める内服薬の投薬を行う内科療法か、甲状腺の摘出手術を行う外科療法を行います。
ペットには、人間の様な公的な健康保険制度はありません。そのため、動物病院での治療費の負担は全額自己負担です。
状況によっては手術や長期間の通院、治療が必要になる場合や、それに伴いペットの医療費も高額になる可能性があります。
何かあった時のための備えとしてペットのためにご自身で備えるという方法もありますが、突然のケガや病気など予想もしなかった事態に備えておくための選択肢の一つとして、ペット保険があります。
ペット保険とは、保険料をペット保険会社に支払うことで、飼い主が動物病院に支払う医療費の一部をペット保険会社が補償してくれるサービスです。
現在多くのペット保険会社がありますが、保険会社や契約プランにより、保険料や補償の内容等は異なります。
また、自分とペットにあった保険を選ぶには、情報を集めて比較検討をすることが大切です。
どんな補償内容が必要かは人によって異なりますが、ここではペット保険の選び方のポイントについてお伝えします。
ペット保険選びのポイント
ペット保険を選ぶポイントは以下の3つです。
- ●保険料
- ●補償内容の違い
- ●加入時の年齢
<保険料>
一般的に補償内容が多ければ多いほど、さらにペットの年齢に比例して保険料は高くなり、実際に支払う保険料は月額500円~1万円くらいまでとかなり差があります。
どの補償内容が必要なのか検討し、保険料とのバランスを考えて決めましょう。
<補償内容>
補償内容は、手術のみ補償するプラン、通院も含め手術や入院も補償するプランなどいろいろなプランがあり、補償割合も30%~90%などがあります。
保険料とのバランスもありますが、「万が一の事態に備え高額になりがちなペットの治療費の負担を軽くし、さらに通院のハードルが下がる」という意味では通院と手術・入院を補償するプランがおすすめです。
<加入時の年齢>
ペット保険はペットの年齢が高ければ高いほど保険料が高くなるのが一般的で、ある程度の年齢になると加入できないプランもあります。
反対に、シニア専用の保険やシニアになっても継続できるペット保険もあります。
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10歳以上の高齢(シニア)でも入れるペット保険とは?現在猫の平均寿命は15歳を超えているため、上記の様にシニアになっても使えるペット保険に加入することをおすすめします。
また、動物病院での支払い時に補償額を差し引いて窓口精算できる(対応可能動物病院のみ)ペット保険やLINE等で簡単に保険請求の申請ができるペット保険など、手続きの煩雑さが少ないペット保険もあります。
さらに、医療やしつけについて獣医師に24時間無料電話相談ができるサービスが付帯しているペット保険もあり、特に初めて猫を飼う方にはこの様な相談ができる付帯サービスがあるペット保険がおすすめです。
なお、ペット保険は病気やケガのために備える目的のものなので、ワクチンや不妊・去勢手術、ノミ・マダニなどの予防に関するものや保険加入前に発症している病気や先天性疾患に関しては補償の対象外なので注意しましょう。
ペット保険の補償には限度額や限度日数・回数など制限があるので、保険料や補償内容・年齢などの加入条件と併せて確認しておくと安心です。
この記事の監修者

現在複数の動物病院で臨床獣医師として勤務しながら専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信している。
▼ドリトルけいのいぬねこ健康相談室
https://www.dolittlekei.com/
ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」こと。
ご契約の際は引受保険会社のパンフレット、webサイト等で商品資料をご確認の上、お申込みください。
また、重要事項等の説明もあわせてご確認くださるようお願い申し上げます。
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- 【アニコム損害保険株式会社】W1911-0067(代理店は保険契約の締結の媒介を行います)
- 【楽天損害保険株式会社】R232203420
- 【日本ペット少額短期保険】承認番号:018-044(190326)
- 【au損害保険株式会社】募集文書番号 B16C310686(1703)
- 【SBIいきいき少額短期保険株式会社】B2-19-C-0472(2019.11)
- 【リトルファミリー少額短期保険株式会社】(2022年8月承認)2022-087