年齢別の注意点
子犬(0~1歳半)
股関節形成不全
大型犬の子犬が発病しやすい病気に、股関節形成不全があります。
この病気の多くは生後4ヶ月~1歳までに症状が確認されます(中には2,3歳で症状が現れる犬もいます)。
また幼いころに発病したとしても症状が目立たず、体重が増加し脚に負担がかかるようになってから病気に気が付くこともあります。
股関節形成不全は股関節の発育の過程で異常が起こり、大腿骨を受けとめる骨盤のくぼみが浅くなる病気です。
主な症状は歩行異常です。
激しい運動や幼少期の食事内容の偏りなどの他、遺伝的要因が発病の原因になります。
特に親犬が股関節形成不全の場合、7割の確率で発病するといわれています。
重症化すると股関節脱臼になり、大規模な手術が必要になります。
病気の進行を防ぐためには適切な体重管理を行い、肥満を防ぐことが大切です。
また子犬のうちに栄養を過剰に与えすぎたり、足に負担をかける激しい運動をすることも避けるようにしましょう。
成犬(1歳半~5歳)
胃捻転
成犬期は犬の一生の中でも最も健康な時期ですが、思わぬ病気で命の危険にさらされることがあります。
胃捻転は大型犬に起こりやすい致死率の高い病気で、犬の年齢を問わずに発病の可能性があります。
この病気は、胃が体内でねじれてしまうことで発病します。
胃がねじれる明確な原因は不明ですが、胃内のガス・液体の増加、食後の激しい運動などによる胃拡張が胃捻転に繋がるといわれています。
発病すると吐きたそうなのに嘔吐物が出てこない、呼吸が苦しいなどの症状が現れ、さらに呼吸困難や脈圧低下に症状が進みます。
放置すると、死亡してしまうことがある怖ろしい病気です。
胃捻転は食後に発生することが多くなっています。
予防方法としては、1回の食事量を少なめにする(食事を分割して与える)、食後に水を与えすぎない、食後すぐの運動・激しい運動を避けることがあげられます。
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高齢犬(5歳~)
拡張型心筋症
心筋症は、心臓の筋肉の厚さに異常が起こり、心臓の機能が弱くなってしまう病気です。
拡張型心筋症は心筋症の一種です。心筋が通常より薄くなることで収縮力が落ち、体内の血液循環がうまくいかなくなります。
ドーベルマン、セント・バーナードなど大型犬によくみられる病気で、メスよりオスの犬の発病率が高いです。
初期症状は食欲の低下、呼吸がしづらそう、元気がないなどちょっとした体調不良とも考えられるものです。
しかし飼い主が病気に気が付かず放置すると、やがては心不全、不整脈、呼吸困難、失神等の症状が現れ、命を落とすこともあります。
心筋症の明確な予防方法はありませんが、なるべく早期の段階で病気を発見し、治療につなげることで進行を遅らせることができます。
拡張型心筋症になりやすい大型犬の場合、中年以降は特に気を付けて健康観察や健康診断を行ってください。
また、体重を適切に管理して心臓になるべく負担を与えないようにすることも大事です。
ペット保険は必要なのか?
犬を飼う以上、様々な病気やケガの可能性があります。
そこで犬を飼い始めたら、あらかじめ犬の医療費について考えておく必要があるでしょう。
人間には国民健康保険制度があるため、窓口で個人の支払う医療費は全体の1割~3割になります。
また高額療養費制度を使えば、高い手術を受けても自己負担は一定額に抑えられます。
一方犬については、このような制度がありません。
医療費は飼い主が全額負担することになります。
犬の病気の中には、発病すれば長期の治療が必要になるものもありますし、高額の手術費がかかるものもあります。
医療費が足りないせいで、愛犬に十分な治療をさせてあげられないのは大変悲しいことです。
ペット保険に加入しておけば、犬の医療費の負担を減らすことができます。
ペット保険の基本的な仕組みは人間の民間医療保険と似ています。
毎月一定の保険料を払うことで、いざペットが病気になった時に既定の保険金を受け取ることができるという仕組みです。
ペット保険には様々なプランが用意されており、医療費の何%を補償してもらうか(50%プランなら医療費の半額を保険金として受け取れる)によって保険料が変わってきます。
例えば、普段からペットのための積み立てをしているけれど大きな病気にも供えたいという人は、補償割合が少ないプランに入って保険料を抑えることができます。
逆に定期的な貯金がなかなかできないというタイプの人なら、補償割合が大きいプランに入るのがおすすめです。
このようにペット保険を使えば、飼い主の状況に合わせて医療費の準備を行うことができます。
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「大型犬」に向いている
保険の選び方&ポイント
「大型犬」におすすめのペット保険を選ぶポイントについてみていきましょう。
自分の犬がどのカテゴリーに当てはまるか確かめよう
ペット保険における犬の料金はだいたい「大型犬」「中型犬」「小型犬」の3つのカテゴリーに分かれています。
基本的に大型犬の保険料は最も高くなります。
この大型犬、中型犬、小型犬の違いですが、実はペット保険会社によって解釈が違います。
犬種による分類はペットショップや動物図鑑の記載とは異なる場合があります。
ペット保険を比較する際には自分の犬がどのカテゴリーに当てはまるのか、保険会社ごとに1つ1つ確認していきましょう。
ペットが高齢になっても払い続けられる保険料かどうか
ペット保険を比較する時、まず飼い主が気になるのが保険料ではないでしょうか。
ペット保険の保険料は、基本的に年齢が上がるほど高額になっていく仕組みになっています。
保険料は、契約期間中ずっと払い続けるものです。
現在の犬の年齢では金額が安くても、高齢になってから飼い主が払えない保険料になってしまっては意味がありません。
各ペット保険会社のパンフレットには、年齢によってどのぐらいの保険料がかかるのかシュミレーションできる料金表が付いているはずです。
ペット保険を比較する際は現在だけでなく、5年、10年後の保険料もチェックしましょう。
どの程度まで補償してくれるか
ペット保険では、動物病院で払うすべての医療費が補償対象になるわけではありません。
例えば、予防接種で防げる病気や自然災害が原因のケガは、ほとんどのペット保険が補償対象外にしています。
また、ペット保険には免責金額つきのプランがたくさんあります。
これは医療費が一定額以上にならないと保険金が支払われないかわりに、保険料を安く抑えているプランです。
入院や手術の回数に制限があるプランもあります。
ペット保険を選ぶ際は、以下の点に注目しながら補償範囲を比較することをお勧めします。
・補償対象になる病気
・入院・手術の回数制限
・免責金額
・保険開始期間
保険金の支払い手続きは簡単か
ペット保険の保険金支払い方法は、各会社によって様々です。
基本的には、動物病院の窓口で飼い主が医療費の全額を支払い、後で保険金を請求するという流れになっています。
ただこの方法だと飼い主側に一旦現金を用意する必要が生まれますし、請求の手続きが面倒というデメリットもあります。
一方ペット保険の中には、 動物病院と連携して窓口精算を可能にしているものもあります。
こちらのタイプでは窓口で保険証を提示することでその場で保険が適応され、自己負担分のみの支払いで済ますことができます。
かかりつけの動物病院で、窓口精算ができるペット保険があるのかどうか確認してみましょう。
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