アメリカン・カールに多い病気やケガは?
身体的特徴
アメリカン・カールの身体的特徴といえば、後方に反り返った耳です。
カールという名前にも耳の形が現れています。
生まれたての赤ちゃんはぴんとした耳をしていますが、生後約1週間前後で耳が後ろに反り始めます(ただし同じアメリカン・カールでも耳が反るのは半分の確率といわれています)。
アメリカン・カールの耳はデリケートなので、触るときは注意が必要です。
筋肉質で骨太な体をしており、運動や遊びが大好きな品種です。
性格は穏やかで賢いですが、甘えん坊で子どもっぽい一面も持ち合わせています。
遺伝性疾患
骨軟骨異形成症
アメリカン・カールがかかりやすい遺伝性疾患には、骨軟骨異形成症があります。
遺伝性の関節病で、成長時に関節軟骨の構造異常が起こります。
多くの場合、手首やかかとに固い骨の塊(骨瘤)ができるのが特徴です。
骨の塊は正常な関節の動きを邪魔して、四肢(特にかかと)の腫れや関節炎を引き起こします。
重症化すると歩行に問題が起きたり、高いところに上るのを嫌がるようになります。
アメリカン・カールは骨軟骨異形成症にかかりやすい品種なので、関節に負担を与えないような生活を心がけてください。
また、普段から足の腫れや歩行に問題がないか観察することも大事です。
飼育時に気をつける事
病気になりやすい耳は正しい方法でお手入れを
アメリカン・カールの特徴的な耳は、病気にかかりやすいという弱点があります。
特に注意したいのが外耳炎です。耳の様子に異常がないか、日ごろから観察しておきましょう。
外耳炎は耳を清潔な状態に保っておくことが予防につながりますが、反った耳を強く引っ張るなど耳掃除の方法を間違えるとケガをしてしまうことがあります。
またシャンプー液が耳の中に入ってしまうと、外耳炎の原因になってしまう場合があります。
耳のお手入れをする時は、よく注意を払って正しい方法でおこなってください。
自信がないときは動物病院やトリマーなどの専門家に聞いてみるとよいでしょう。
生活面での注意点
3次元で運動できる環境を用意しよう
アメリカン・カールは筋肉質な体型で、運動を好む活発な性格をしています。
飼育する際は3次元の空間を生かした遊びができるよう、環境を整えてあげましょう。
室内でもキャットタワーやキャットウォークを設置することで、運動させやすくなります。
またアメリカン・カールは太りやすい品種でもあるので、運動を十分させることは肥満防止の意味でも重要です。
人懐っこく、甘えん坊な気質をしているため、遊ぶときは5分程度でも一緒に遊んでコミュニケーションをとってあげることが大事です。
また、筋肉質な体をサポートするため食事の内容は高タンパク高カロリーを心がけてください。
病名 | 症状 | 治療と費用 |
---|---|---|
外耳炎 | ・耳のかゆみ、痛み ・悪臭 ・耳垢が増える ・炎症による腫れ |
・診察料
約700~800円 ・検査費 約500~2000円 ・点耳薬 約2,000円 ・切開手術 約10万円 |
尿石症 | ・頻尿 ・血尿 ・排尿渋り ・排尿時の痛み ・発熱 |
・検査費
約2,1000~2,5000円 ・注射 約5,400~13,500円 ・手術 約50,000円 |
腎不全 | ・飲水量の増加 ・食欲不振、体重減少 ・下痢 ・嘔吐 ・けいれん ・脱水 ・(急性腎不全の場合) 尿の量が減る、尿が出なくなる ・(慢性腎不全の場合) 尿の量が増える |
・血液検査 約4,000円 ・尿検査 約1,500円 ・皮下輸液 約2,000~3,400円(1回) ・手術 約30万 |
子猫期(0~1歳)
外耳炎
外耳炎は、鼓膜から外の部分(外耳)に炎症が起きる病気です。
外耳炎の原因は湿気や細菌、アレルギーによるものなど多様です。
外耳炎にかかると耳がかゆくなったり痛くなったりし、首を傾げたり後ろ足で耳をひっかくような動作がみられるようになります。
また耳が赤くなったり、変なにおいがしたり、耳垢が増えるなどの症状も見られます。
アメリカン・カールの反りかえった耳は外耳炎にかかりやすいので注意が必要です。
特に湿気が多い時期は外耳炎が発生しやすくなりますので、耳の観察をこまめに行ってください。
早期発見・早期治療をすれば2週間程度で治りますが、慢性化すれば治療が長引いてしまいます。
成猫期(1~7歳)
尿石症(尿路結石症)
尿石症とは、尿に含まれる成分が結晶化して結石となり、尿の通り道に詰まってしまうことで起きる病気です。
結晶ができる部分には腎臓、膀胱、尿道などがあります。
結石は成分によっていろいろな種類がありますが、猫に多いのはリン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)です。
トイレ砂やトイレシートの上がキラキラ光っていたら、尿に結石が混じっている可能性があります。
症状としては、頻尿や血尿、発熱、食欲減退などがあげられますが、最も恐ろしいのが結石が尿道を完全にふさいでしまう尿道閉塞です。
尿道閉塞になると、尿が出なくなり、体の中の不要物を外に排泄できなくなってしまい、尿毒症や膀胱破裂などの危険性があります。
1日以上排尿がなければ、早急に病院に行きましょう。
高齢猫期(7歳以上)
腎不全
腎不全とは、腎臓がダメージを受け、十分に機能しなくなった状態をさします。
腎臓は体の中の不要物を尿という形で体外に排出するとても大切な臓器です。
その腎臓の働きが弱くなれば、下痢や嘔吐、脱水、けいれんなどのさまざまな異常が現れるようになります。
腎不全は高齢の猫に多く見られ、死亡率が高い危険な病気です。
猫は本来水をあまり飲まない生き物ですが、腎不全になると水をたくさん飲むようになります。
また急性腎不全では尿の量が極端に減り、慢性腎不全では逆に尿の量が増えます。
普段から愛猫の飲水量や尿の頻度、量に気を配り、腎不全の疑いが見られたときは早めに動物病院へ連れていってください。
保険選びのポイント
アメリカン・カールには様々な病気リスクが存在することが分かりました。
万が一、病気やケガをしてしまったとき必要な治療費を補償してくれるペット保険に加入しておくと安心ですね。
ペット保険には様々な種類があります。
補償内容の検討に加えて、ペット保険選びで重視したいポイントについてみてみましょう。
保険金請求のしやすさ
保険金をどのように請求するのかは各ペット保険会社によって違います。
基本的には一度動物病院の窓口で飼い主が治療費を支払い、ペット保険会社に保険金を請求。請求内容が認められると保険会社から保険金が支払われるという仕組みをとります。
請求書は手に入りやすいか、保険金を受け取るまでかかる日数は短いかなど保険金が実際に支払われるまでのステップを比較のポイントにしてください。
また、提携している動物病院で保険証を見せれば、人間の健康保険証のようにその場で保険料が割引されるペット保険もあります。
かかりつけの動物病院がどのようなペット保険と提携しているかも確認してみましょう。
年齢別の保険料を確認しよう
ペット保険は1回加入すればペットが生きている間ずっと払い続けるものです。
大きな負担のない範囲で保険料の支払いができるものを選びましょう。
ペット保険の多くは年齢とともに保険料が上がっていきます。
0歳で加入する場合と、7歳で加入する場合とでは保険料がかなり違います。
現段階では保険料が安くても、将来的に支払いができないほど保険料が膨らんでしまっては意味がありません。
各ペット保険会社のサイトには年齢・猫種別の保険料無料見積ツールや保険料一覧表が用意されています。
これらを上手に使って、ペット保険会社と各種プランの比較を行ってください。
また持病があったり、年齢が高すぎる場合は加入できないペット保険もあります。
できるだけ、年齢が若く健康なうちに加入を検討しておきましょう。