12周年

シャルトリューに多い病気やケガは?

シャルトリューの写真

シャルトリューの
特徴と遺伝性疾患

身体的特徴

シャルトリューはなめらかなブルーグレーの被毛を持つ魅力的な猫です。

丸い頭と頬が特徴的で、口元はまるでほほえみを浮かべているようです。

「フランスの笑う猫」という異名を持つのもうなずけます。

性格はとても人懐こく、猫ながら犬のような忠実さを垣間見せる猫です。

猫の中には嫉妬深い品種もいますが、シャルトリューは比較的穏やかな気質で、多頭飼いにも向いているといわれています。

鳴き声もあまり上げません。

遺伝性疾患

シャルトリューの遺伝性疾患として気を付けたい病気が、多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)です。

この病気はペルシャ猫に多い遺伝性疾患です。

シャルトリューは絶滅期にペルシャ猫との交配で個体数を増やしたという歴史があり、ペルシャ猫に多い疾患を発病しやすくなっているのです。

多発性嚢胞腎は腎臓に多数の嚢胞(液体の貯まった袋のようなもの)ができて、腎臓機能が低下する病気です。

症状は多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水症状など腎不全と特徴が似ています。

病気の進行速度はとても遅いため、発病後病気が進行するまで症状が目に見えないこともあります。

残念ながら予防法や治療法は確立されておらず、治療は基本的に食事制限や投薬などの対処療法になります。

飼育時に
気をつけたいポイント

飼育時に気をつける事

密集した毛による皮膚疾患と熱中症には要注意

シャルトリューは分類上短毛種に位置付けられますが、実際の被毛は中程度の長さです。

アンダーコートの毛は分厚く、密集しているのが特徴です。

そのウールのような美しい毛はシャルトリューの魅力の1つでもありますが、日本の気候(高温多湿)では皮膚疾患を引き起こす原因ともなりがちです。

こまめなブラッシング(週3回程度)やシャンプーで定期的に被毛のお手入れをしてあげるとともに、皮膚に異常がないかを確認してあげることが必要です。

また密集した毛には保温効果があります。

一方熱がこもりやすいというデメリットもあるので、夏場は熱中症にも要注意です。

暑い季節はエアコンなどを使用して、シャルトリューの体温上昇をおさえる工夫をしてあげてください。

生活面での注意点

大柄のハンティングキャットだから、おもちゃは頑丈なものを

シャルトリューはハンティング能力が高く評価され、かつては修道院でネズミ捕りを行うワーキングキャットとして活躍していたという歴史もあります。

もちろん体を動かすのは大好き。

室内でも運動できる環境を整えてあげることが大事です。

猫の運動用おもちゃといえばキャットタワーが主流ですが、大柄な体つきのシャルトリューに与える場合は、丈夫で作りがしっかりしているものを選びましょう。

やわなつくりのおもちゃはケガの元になります。

かかりやすい
病気・ケガ・治療費用

シャルトリューがかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。

いざというときを考えて、治療費の準備をしておきましょう。

病名 症状 治療と費用
多発性嚢胞腎 ・飲水量の増加
・尿の量が増える
・脱水症状
・嘔吐
・貧血
・超音波検査費
約3,000~5,000円
・皮下輸液
約2,000~3,400円(1回)
・処方食
約4,000円
尿石症 ・頻尿
・血尿
・排尿渋り
・排尿時の痛み
・発熱
・検査費
約2,1000~2,5000円
・注射
約5,400~13,500円
・手術
約50,000円
腎不全 ・飲水量の増加
・食欲不振、体重減少
・下痢
・嘔吐
・けいれん
・脱水
・(急性腎障害の場合)
尿の量が減る、尿が出なくなる
・(慢性腎障害の場合)
尿の量が増える
・血液検査
約4,000円
・尿検査
約1,500円
・皮下輸液
約2,000~3,400円(1回)
・手術
約300,000円

年齢別の注意点

子猫期(0~1歳)

熱中症

シャルトリューの被毛はアンダーコートが分厚く、熱を逃がさない構造になっています。

しかし高温多湿の日本では、これが熱中症の原因になってしまう場合もあります。

猫は本来暑さに強い動物ですが、汗をかく場所が鼻と足の裏に限定されており、体にこもった熱を逃がす機能は限定されています。

熱中症になると、舌を出して荒い呼吸を始めたり、呼吸困難に陥ります。

またよだれを大量に流したり、ふらふら歩いたり、ぐったりしているときも要注意です。

重症化するとけいれんや血圧低下によるショック症状をひきおこして、死亡することもあります。

気温や湿度が高くなる季節にはエアコンなどを使って、過ごしやすい環境になるよう気を配ることが必要です。

また人間の子どもと同じく、夏場車中に長時間閉じ込めておくのは厳禁です。

成猫期(1~7歳)

尿石症

尿の中にはミネラル成分が含まれています。

このミネラル成分が尿の通り道である腎臓、膀胱、尿道などで結晶化してしまう病気が尿石症です。

結石は成分によっていくつかの種類に分けられますが、猫に多いのはリン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)です。

尿石症の症状としては、頻尿や血尿、排尿時の痛み、排尿を渋るようなそぶりなどがあげられます。

発熱や食欲不振といった症状がおこることもあります。

最も恐ろしいのは結石が完全に尿道をふさいでしまう尿道閉塞です。

尿は体の毒素を外部に排出する役割があるのですが、その尿が外に出られないことで体に毒が回る尿毒症や膀胱破裂の危険性が高まります。

1日以上排尿行為が見られない場合は、すぐに病院を受診しましょう。

なお、結石は尿に交じって排出されることもあります。猫砂の上にキラキラした光が見えたら、それは結石かもしれません。

普段から愛猫の尿を観察して、病気の早期発見につなげてください。

高齢猫期(7歳以上)

腎不全

腎臓は体の中の毒素や不要物をこし取り、尿として体の外に排出させるとても重要な臓器です。

この腎臓の機能が十分に働かなくなった状態を腎不全といいます。

腎不全は腎臓の機能が低下する速度によって急性腎障害と慢性腎障害に分かれます。

急性腎障害では~数日で腎臓の機能が急激に低下します。

一方急性腎障害では進行スピードは遅く、初期は無症状であるため発見が遅れがちになってしまいます。

どちらの場合も、進行すれば尿毒症の症状が現れます。

急性腎障害の場合は、急激に症状が悪化することもあれば、腎臓を保護する治療を行って腎臓機能が回復することもあります。

一方慢性腎不全の場合、腎臓機能が回復することはなく、病気の進行を緩やかにする治療法が取られます。

腎不全は高齢の猫にとても多い病気です。

多飲多尿などの疑わしい症状がみられる場合は、速やかに動物病院を受診することをお勧めします。

保険の選び方

保険選びのポイント

シャルトリューには様々な病気リスクが存在することが分かりました。

万が一、病気やケガをしてしまったとき必要な治療費を補償してくれるペット保険に加入しておくと安心ですね。

ペット保険には様々な種類があります。

補償内容の検討に加えて、ペット保険選びで重視したいポイントについてみてみましょう。

保険金請求のしやすさ

保険金をどのように請求するのかは各ペット保険会社によって違います。

基本的には一度動物病院の窓口で飼い主が治療費を支払い、ペット保険会社に保険金を請求。請求内容が認められると保険会社から保険金が支払われるという仕組みをとります。

請求書は手に入りやすいか、保険金を受け取るまでかかる日数は短いかなど保険金が実際に支払われるまでのステップを比較のポイントにしてください。

また、提携している動物病院で保険証を見せれば、人間の健康保険証のようにその場で保険料が割引されるペット保険もあります。

かかりつけの動物病院がどのようなペット保険と提携しているかも確認してみましょう。

年齢別の保険料を確認しよう

ペット保険は1回加入すればペットが生きている間ずっと払い続けるものです。

大きな負担のない範囲で保険料の支払いができるものを選びましょう。

ペット保険の多くは年齢とともに保険料が上がっていきます。

0歳で加入する場合と、7歳で加入する場合とでは保険料がかなり違います。

現段階では保険料が安くても、将来的に支払いができないほど保険料が膨らんでしまっては意味がありません。

各ペット保険会社のサイトには年齢・猫種別の保険料無料見積ツールや保険料一覧表が用意されています。

これらを上手に使って、ペット保険会社と各種プランの比較を行ってください。

また持病があったり、年齢が高すぎる場合は加入できないペット保険もあります。

できるだけ、年齢が若く健康なうちに加入を検討しておきましょう。

保険料、補償内容の比較表

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