スコティッシュ・フォールドに多い病気やケガは?
折れ耳の可愛らしいスコティッシュ・フォールドは、大変人気の高い猫種です。
名前の由来は「スコットランドの折りたたまれた物」であり、スコットランド起源の猫で、1960年代に発見された耳の折れた猫からブリーディングされて誕生した猫種です。
比較的歴史の浅い猫種であるスコティッシュ・フォールドが掛かりやすい病気やケガには、どのようなものがあるのでしょうか。
スコティッシュ・フォールドは、どのような特徴を持つ猫なのでしょうか。
身体的特徴や、遺伝性疾患を知っておくことで、日ごろのケアに反映することができますから、ぜひ知っておきましょう。
身体的特徴
実は、スコティッシュ・フォールドの赤ちゃんは、折れ耳ではありません。
生まれた時は立ち耳で、生後2週間〜3週間の間に時間を掛けて、折れ耳になっていきます。
さらに、スコティッシュ・フォールドすべてが折れ耳ではないことをご存知ですか?
立ち耳のスコティッシュ・フォールドも存在し、その場合は「スコティッシュ・ストレート」と呼ばれています。
短毛種、長毛種の2種類
スコティッシュ・フォールドには、短毛種、長毛種の2種類が存在します。
短毛種が比較的多い傾向にあり、毛並み、触り心地ともにとてもよいのが特徴です。
「スコティッシュ・フォールド」と言われて多くの人がイメージする猫は、短毛種でしょう。
長毛種と短毛種の中間くらいのセミロングタイプもいます。
長毛種は数自体が少なく、かつゴージャスな印象を纏っているため人気となっていますが、お手入れは大変な傾向にあります。
猫自身、丁寧にグルーミングしますが、週に一度はブラッシングをしてあげましょう。
そうすることで、毛球症(もうきゅうしょう)を防ぐこともできます。
毛球症は、グルーミングした際に飲み込んでしまった毛が、胃や腸でさまざまな症状を起こす病気です。
飲み込んだ毛は、ほとんどの場合毛球にはならず、食事と一緒に便となって排泄されます。
毛球が出来てしまった場合も、定期的に毛球を吐きだして体外に排泄しますが、長毛種の場合、胃の限界量を超え、腸で詰まりをおこした場合に毛球症を発症するため、注意が必要です。
遺伝性疾患
遺伝性疾患ではありませんが、スコティッシュ・フォールドは罹りやすい病気があります。
「骨軟骨異形成症」というもので、本来はクッション的な役割を果たし、関節を保護する軟骨が骨のように硬くなり、足首や関節がうごかなくなる病気です。
症状が重い場合は、歩行困難になることもあります。
スコティッシュ・フォールドのチャームポイントである折れ耳は、実は骨の軟骨が突然変異した結果、あのような折れ耳になったという経緯があります。
骨軟骨異形成症になると、耳以外の軟骨が変異してしまうのです。
歩き方がおかしいと感じたら、早めに病院を受診しましょう。
愛らしいスコティッシュ・フォールドと、健やかで楽しい生活を送るために、注意すべきポイントは以下の通りです。
清潔であることをとにかく心掛ける!
可愛らしい折れ耳が特徴的なスコティッシュ・フォールドですが、その折れ耳が病気の原因となることもあります。
耳の中に湿気が溜まりやすく、菌が繁殖し、トラブルになりやすいため、定期的に耳掃除を行うことが必要です。
週に1度は綿棒などで耳掃除をし、清潔に保つようにしましょう。
飼い主が自分で掃除をするのが不安な場合や、異常がある場合はなるべく早めに動物病院を受診しましょう。
生活において注意すべきポイント
スコティッシュ・フォールドが罹りやすい病気やケガ、そして治療費用の目安は以下の通りです。
病名 | 症状 | 治療と費用 |
---|---|---|
尿路結石 | ・頻繁にトイレに行く ・排尿がない ・血尿、排尿時に痛そう ※スコティッシュ・フォールドは、標準よりも2、3倍高い確率で尿路結石を発症する統計が出ています。 |
・通院の場合 3,000円~5,000円 ・手術の場合 150,000円(10日間) |
外耳炎 | ・頭を振る ・耳を掻く |
・30,000円(6回の通院) |
子猫期(0~1歳)
スコティッシュ・フォールドの折れ耳は軟骨変化が原因となっていることは、先述のとおりですが、そのほかにも「骨瘤」と呼ばれる関節部がこぶ状に腫れた症状が出る病気などに罹りやすい傾向にあります。
骨瘤になると正常な関節運動が妨げられ、慢性的な関節炎を引き起こします。
四肢の腫れが一般的によく見られ、軽症な場合は無症状であることから、比較的発見が難しい病気です。
重症化すると関節痛を引き起こし、足を痛がり、高いところに上りたがらないなどの様子が見られます。
骨を治す決定的な治療法がないため、段差を減らす、鎮痛消炎剤を投与するなど、対症療法を行います。
成猫期(1~7歳)
スコティッシュ・フォールドが5歳~7歳くらいになりやすい病気として「多発性嚢胞腎」があります。
腎臓に異常な嚢胞が発生する病気で、左右の腎臓に液体を含んだ球状の嚢胞ができ、腎臓の正常な組織を圧迫して腎不全を起こす病気です。
比較的ゆっくりと進行し、初期は無症状で、健康診断時の超音波検査で発見するケースが多くなっています。
治療は、慢性腎不全の治療となります。
高齢猫期(7歳以上)
スコティッシュ・フォールド特有の病気ではありませんが、比較的発症しやすい病気として「肥大型心筋症」などがあげられます。
肥大型心筋症は心臓病の一つであり、大動脈血栓塞栓症や心不全により後ろ足が麻痺するなどの症状が出ます。
突然死のリスクもある、怖い病気です。
症状が分かりにくく、病気が進行してから気づくことが比較的多い病気ですが、定期的に心臓エコー検査を行うことで、早期発見も可能です。
治療としては、血液心不全に対する治療を行います。
呼吸困難を起こしている場合は、酸素吸入を行って状態を落ち着かせ、動脈血栓症が起きている場合は血栓を溶かす治療をします。
スコティッシュ・フォールドは、比較的病気に罹りやすい傾向がある猫種といえるでしょう。
そんなスコティッシュ・フォールドに健やかな日々を過ごしてもらうためには、定期健診などを受診し、病気の早期発見に努めることと言えます。
健康診断でもし病気が見つかった場合、安心して治療に専念できるのがペット保険です。
急な病気やケガでもサポートしてくれるペット保険の存在は、大きな支えとなります。
では、ペット保険を選ぶ際には、どのようなポイントをチェックするべきなのでしょうか。
スコティッシュ・フォールドに適した保険選びを考える
ペット保険を選ぶ際には、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。
補償内容は、保険によって異なりますから、自分たちが必要とする補償がきちんとカバーされているか、比較検討し、吟味する必要があります。
愛する猫のケガや病気の時に慌てないためにも、若いうちから加入しておくことで、安心してペットとの生活を楽しむこともできますし、保険料を安く抑えることも可能です。
ペット保険に加入する際には、以下のような項目をチェックしておきましょう。
加入年齢に該当している
ペット保険は加入時期により、掛け金が変動することもあります。
また、年齢によっては加入自体できないケースもありますので、よく確認しましょう。
若いうちに加入することで、掛け金を押さえることもできます。
入院補償が充実している
急なケガや病気でいざ入院となった時に心強いのが、入院補償です。
入院1日から支給されるタイプや、3日目以降支給されるタイプなど、さまざまなものがありますのでよく検討しましょう。
手術時の補償が充実している
大ケガや病気による手術は、「全額自己負担」となります。
ペットの一大事、精神的にも大きなストレスを感じるような状況下において、経済的プレッシャーだけでも除くことができたら、と思うのではないのでしょうか。
愛するペットの万が一の時に、心強い補償です。
通院治療もカバーしている
通院までカバーしているペット保険は、お守りのような心強い存在です。
通院を迷った時にも「補償されるなら、行ってみよう」と思えるので安心です。
保険料、補償内容の比較表
取扱い保険会社・少額短期保険業者一覧