ラグドールは、まるでぬいぐるみのような愛らしい見た目をした猫種です。
艶のあるセミロングの被毛がとても美しく、透き通るような青い目にはつい惹きつけられます。
性格は優しくて愛情深く、子供がいる場合や他のペットがいる場合でも問題ありません。
現在ラグドールを飼育している、あるいは飼育を検討しているという方は多いのではないでしょうか。
そして、猫を飼うときに考えなければいけないことの1つがペット保険に加入するかどうかです。
ここではラグドールに多い病気についてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事をまとめると
ラグドールに多い病気やケガは以下の3つ。
- 肥大型心筋症:心臓の筋肉が肥厚し、心臓の機能が低下する病気。突然死の原因となることもある。
- 尿石症:尿路に結石が形成される病気。排尿困難や血尿などの症状を引き起こす。
- 毛球症:毛づくろいによって飲み込んだ毛が腸内に詰まる病気。嘔吐や下痢などの症状を引き起こす。
要約
ラグドールは、性格が穏やかで、飼いやすい猫種として人気を集めています。
しかし、肥大型心筋症や尿石症、毛球症など、かかりやすい病気もあります。
定期的な健康診断や、適度な運動や食事管理などによって、健康を維持するようにしましょう。
また、ペット保険に加入しておくことで、万が一病気やケガに遭った際にも、経済的な負担を軽減することができます。
猫は猫種によってそれぞれ特徴があり、なりやすい病気も異なります。
ここでは、ラグドールの特徴と遺伝性疾患についてみていきましょう。
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身体的特徴
まずは、ラグドールの身体的特徴についてご紹介します。
身体的特徴や性格を理解したうえで飼育を行うことで、病気になるリスクを低減することができますよ。
ふさふさの被毛
ラグドールの特徴は、ふわふわとした美しい被毛です。
しかし、被毛が多いからこそ毛球症には気を付けなければいけません。
毛球症とは、グルーミングをしたときに飲み込んだ毛が胃の中で塊になる、色々な症状を引き起こす病気のことです。
多少であれば体外に排泄されるため問題ありませんが、大きな塊になると食欲不振や嘔吐、下痢、腹痛などの症状が起こります。
身体が大きい
ラグドールは身体が大きい猫種で、成猫の平均体重はオスで5~7㎏、メスで4~5㎏ほどです。
また、大きいオスは10㎏ほどまで成長することもあります。
その分だけ関節に負担をかけやすいので、注意が必要だといえるでしょう。
人に抱かれるのが好き
甘えん坊な性格のラグドールは、猫には珍しく人に抱かれるのが大好きです。
座っていると、自ら膝の上に乗ってくる子も少なくありません。
寂しがらないように、たっぷりと甘えさせてあげましょう。
遺伝性疾患
純血種は近親交配で生まれる個体が多いことから、遺伝性疾患を持っていることが少なくありません。
ここでは、ラグドールに多い遺伝性疾患をご紹介します。
肥大型心筋症
肥大性心筋症は、猫の心筋症のうち3分の2を占めると言われています。
初期は無症状な場合が多く、飼い主が自然と気付くことはあまりありません。
しかし、症状が進行すると元気や食欲がなくなったり、苦しそうに呼吸をするようになったりします。
はっきりと症状が出ている場合は、命にかかわる事態だといえるでしょう。
尿石症
尿石症は、腎臓や膀胱、尿道などで結石ができ、様々な症状が引き起こされる病気です。
猫の場合は、シュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が多いといえます。
尿石症の原因は、バランスの悪い食事や飲む水の量、ストレス、細菌感染、体質などで、日常の食生活に気を遣うことである程度予防することができます。
猫伝染性腹膜炎(FIP)
猫伝染性腹膜炎(FIP)はウイルス感染により引き起こされる病気で、一度発症すると非常に高い確率で死に至ります。
お腹が膨らんできた、下痢や便秘をしている、苦しそうに呼吸をする、急に攻撃的になった、いつも通りの歩行ができない、顔面が引きつっているなどの症状があれば、猫伝染性腹膜炎(FIP)を疑う必要があるといえるでしょう。
進行性網膜委縮
進行性網膜委縮は、目の奥にある網膜が変性・委縮することによって視力が低下する病気です。
遺伝性の疾患であり、最終的には失明してしまいます。
初期は夕方から夜の時間帯にかけて目が見えにくくなるため、暗い場所を怖がる、音に敏感になるなどの変化があったら、進行性網膜委縮を発症している可能性があるといえます。
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎は、腎臓に嚢胞という袋状のものができる病気です。
嚢胞の数は徐々に増えていくと、徐々に腎臓の機能が低下していきます。
症状は慢性腎不全と類似しており、多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水などがあります。
これらの症状が見られたら、すぐに病院に連れて行くようにしましょう。
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、子宮の内部に膿が溜まる病気です。
始めのうちは無症状ですが、状態が悪化すると少しずつ食欲減退や吐き気などの症状が現れるようになります。
また、子宮が破れて腹腔に細菌が漏れ出てしまった場合には、短時間で死に至ります。
早い段階で手術を行えば助かる場合が多いので、おかしいと思ったらすぐに受診させてください。
難産
難産とは、出産のときに胎子をスムーズに分娩できない状態のことです。
ラグドールの難産の発生率は標準の1.5倍だと言われており、通常よりも高い確率で難産が起こることが分かります。
ラグドールに子猫を生ませる場合には注意が必要だといえるでしょう。
愛猫が病気になったときに治療するのが大切なのはもちろんのことですが、普段から病気の予防を心掛けることはもっと重要です。
ここでは、ラグドールを飼育するときに気を付けたいことについてご紹介します。
飼育時に気をつける事
まずは、ラグドールを飼育するときの基本的な注意点についてみていきましょう。
十分にスキンシップの時間を取る
ラグドールは、人に抱かれることが大好きな性格です。
甘えん坊な性格なので、十分にスキンシップの時間を取ってあげましょう。
スキンシップを取ることで、ストレスも溜まりにくくなりますよ。
念入りに被毛のケアをする
毛球症を防ぐためにも、念入りに被毛のケアを行ってください。
毎日ブラッシングを行い、特に換毛期には丁寧にケアをしましょう。
ただし尻尾はいじりすぎると毛が抜けて貧相になってしまうことがあるので、ブラシを軽く通す程度にしてください。
生活面の注意点
ここでは、運動量や食事などに関する注意点についてご紹介します。
カロリーが過剰にならないフードを選ぶ
大人しめの性格のラグドールは、カロリーを摂取しすぎると肥満になってしまいます。
1歳までは高タンパク、高カロリーの食事を与えて問題ありませんが、それ以降は成長の速度が緩やかになるため、カロリー摂取が過剰にならないように注意しましょう。
タウリンを十分に摂取させる
ラグドールにとって一番怖いのは、心臓病です。
心臓病を予防するためにも、キャットフードを購入する際にはタウリンが十分に含有されているかどうかを必ず確認するようにしてください。
グルコサミンやコンドロイチン硫酸を摂取させる
身体が大きいラグドールは、関節に負担をかけがちです。
そこで摂取させたいのが、グルコサミンやコンドロイチン硫酸です。
この2つが含有されたキャットフードを選び、関節を守りましょう。
また、必要に応じてサプリメントの使用も検討してください。
積極的に遊びに誘う
人懐っこいラグドールですが、あまり活発な性格ではなく、すぐに運動不足になってしまう傾向があります。
健康維持のためにも、飼い主のほうから積極的に遊びに誘って十分に運動させるようにしましょう。
ここでは、ラグドールがかかりやすい肥大型心筋症、尿石症、毛球症の主な症状、治療費用の目安についてまとめました。
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かかりやすい病気 |
主な症状 |
治療費用 |
肥大型心筋症 |
・運動を嫌がる
・疲れやすくなる
・呼吸回数が増える
・後ろ足が麻痺する |
15,000円 |
尿石症 |
・トイレに行く回数が増える
・おしっこが少ししか出ない
・おしっこをするときに痛がる
・血尿が出る
・おしっこが濁る
・粗相をする
・落ち着きがなくなる |
45,000円 |
毛球症 |
・食欲がなくなる
・吐き気を催す
・下痢をする
・腹部を痛がる
・発熱する
・元気がなくなる |
10,000円 |
なりやすい病気は、年齢によってもことなります。
愛猫の年齢でどのような病気になりやすいのかを把握しておくと、正しい対策が取りやすいといえるでしょう。
子猫~成猫
子猫から成猫のうちにラグドールが罹患しやすい病気としては、尿石症と進行性網膜委縮が挙げられます。
特に尿石症は規則正しい生活を送ることで予防が可能なので、しっかりと意識しながら生活するようにしましょう。
また、猫カゼも要注意です。猫カゼは主にヘルペスやカリシなどのウイルスに感染することで発症し、くしゃみ、咳、鼻水、発熱などのカゼ症状を呈します。
子猫は免疫力が低く重症化することもあるので、十分に気を付けましょう。
成猫~
愛猫が高齢になったときに注意したのは、肥大型心筋症と多発性嚢胞腎です。
手遅れになる前に早期発見できるように、動物病院での定期健診には忘れずに連れていくようにしましょう。
また、他の猫と同様に老猫になると慢性腎臓病になるリスクが上がります。
水をたくさん飲む、おしっこが薄くなる、おしっこの量が増える、食欲がない、などの症状が見られたら、慢性腎不全を疑ってください。
ここでご紹介したように、ラグドールは様々な病気になるリスクを抱えており、治療することになった場合にはかなりの費用がかかります。
しかし、ペット保険に加入していれば万が一のときも安心です。
ここでは、ペット保険を選ぶときのポイントをご紹介します。
保険選びのポイント
ペット保険を選ぶときにまず重視したいのは、補償内容です。
猫種や年齢、現在の健康状態などによって、かかりやすい病気やリスクの高さは異なります。
愛猫がどのような病気になりやすいかを把握したうえで、それらの病気をカバーしているペット保険を選ぶといいでしょう。
また、優先順位をはっきりさせておくことも大切です。
ペット保険には色々な種類があり、それぞれ補償範囲や補償割合、保険料、更新年齢の制限、支払限度日数、特約、付帯サービスなどが異なります。
始めに優先順位をはっきりさせたうえで各ペット保険を比較し、どれに加入するかを決めるようにしてください。
保険料、補償内容の比較表
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