【獣医師監修】スコティッシュフォールドに多い病気やケガは? ペット保険加入の必要性

スコティッシュ・フォールドの写真

スコティッシュフォールドは飼育頭数も多く、非常に人気の猫種です。
しかし、品種後発性疾患が多いのは否めません。
この記事によりスコティッシュフォールドに多い病気について知って頂き、病気の予防や早期発見にお役に立てれば幸いです。
また、動物病院での治療費の負担を軽くするだけでなく、安心を提供してくれるペット保険の選び方についてご紹介します。

スコティッシュフォールドの特徴・遺伝性疾患

スコティッシュフォールドは、折れ曲がった耳や短毛が特徴だと思われがちですが、実は立ち耳や長毛のスコティッシュフォールドもいるのをご存知でしょうか?
ここでは、スコティッシュフォールドの特徴と遺伝性疾患についてお伝えします。

身体的特徴

スコティッシュフォールドの耳は最初から折れ耳ではなく、生まれた時には立ち耳です。
その後約3週間で折れ耳になっていきます。
ただし、すべての子猫の耳が折れるとは限らず、スコティッシュフォールドの子猫の3割くらいしか耳が折れないと言われています。

毛の長さ

短毛と長毛が存在しますが短毛種が比較的多く、中間くらいの毛の長さのスコティッシュフォールドもいます。
この様に耳の折れ方や毛の長さが様々である理由は、折れ耳同士の交配は遺伝的な異常が表れやすいため、繁殖過程で様々な猫種と交配してきたという経緯によると言われています。

遺伝性疾患

骨軟骨異形成症

折れ耳のスコティッシュフォールドによくみられる遺伝性疾患で、骨の成長と関節軟骨の構造に異常が生じ、関節の可動域が狭くなる病気です。
特に手根関節、足根関節、尾椎に強く症状がでて、痛みを伴うことがあります。
症状は、四肢の跛行や関節がコブの様に腫れるなど強い痛みある場合や、ちょっと動きが悪いくらいの軽度の症状しか出ない場合があります。
治療方法は、痛みの緩和を目的に、サプリメントや鎮痛剤を投薬します。

多発性嚢胞腎

多発性嚢胞腎とは、腎臓内に嚢胞が多数形成される遺伝性疾患です。
両方の腎臓にできた嚢胞が、ゆっくりと数が増えて大きくなり、その結果正常な腎臓の細胞の組織が少なくなり、最終的には腎不全となり死に至ります。

多発性嚢胞腎はペルシャ猫に多い遺伝性疾患ですが、スコティッシュフォールドという品種を作る過程で、折れ耳同士の交配が行えないためにペルシャと交配していた経緯があり、発症リスクが高くなったと言われています。

飼育時に気をつけたいポイント

スコティッシュフォールドの飼育時に気をつけたいポイントをまとめました。

飼育時に気をつける事

スコティッシュフォールドは、耳の形状から外耳炎になりやすい傾向があります。
普段から耳や身体に触り、よく観察する習慣をつけることが異常に早く気づくきっかけになります。

ただし、汚れが気になるからと、ご自宅での過剰な耳掃除は外耳炎を悪化させる可能性があります。
お家でのお手入れは、耳洗浄用のクリーナーをしみこませたコットンで軽く拭く程度にしましょう。

生活面の注意点

スコティッシュフォールドは、比較的おっとりとした性格です。
また、食欲が旺盛な猫が多く、太りやすい傾向があります。 特にオスで肥満傾向がある場合は尿路結石ができるリスクが高くなるので、食事はミネラル分や脂肪分、カロリーの少ないものを与えましょう。

かかりやすい病気・ケガ・治療費用

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気は外耳炎、下部尿路疾患、肥大型心筋症があります。それぞれ主な症状と治療費の目安を表にまとめました。
なお、動物病院によって治療費の設定が異なるので、治療費については一例としてお考え下さい。

主な症状 治療費の一例
外耳炎 耳の後ろを掻く
耳の中から臭いがする
耳の中が汚れている
頭を振る
耳処置:1,000円~3,000円
抗生剤・消炎剤投薬(7日分)
内服薬1,500円~3,000円
外用薬 2,000円前後
下部尿路疾患 トイレに頻繁にいく
トイレの中に座っている時間が長い
陰部を頻繁に舐めている
痛がって鳴く
尿が出ていない
尿検査:1,000円~4,000円
レントゲン検査:1枚5,000円~6,000円
エコー検査:5,000円~6,000円
抗生剤・消炎剤投薬(7日分)
内服薬1,500円~3,000円
尿道カテーテル留置:3,000円~
肥大型心筋症 食欲低下
動きが悪く寝てばかりいる
呼吸が早い
咳をする
後肢が突然麻痺する
痛がって鳴く
レントゲン検査:1枚5,000円~6,000円
エコー検査:5,000円~6,000円
*症状が悪化し、血栓が詰まった場合は入院治療し、酸素吸入や点滴と血栓溶解剤の投与などが必要
→入院費:一日10,000円~

年齢別の注意点

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気を年齢別にまとめました。

子猫期(0~1歳)

上部気道感染症(猫風邪)

母猫からの移行抗体が減少してくる生後2か月前後にかかりやすい病気で、くしゃみ、鼻水、発熱、目やになど人間の風邪の様な症状が見られます。
原因はヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアなどの感染です。

治療は点眼薬や点鼻薬、インターフェロンの投与などを行います。
一旦症状がおさまっても再発する場合や、流涙や鼻づまりなどの症状が治らないケースもあります。

消化器疾患

消化器疾患とは食道や胃、腸など消化器系の病気のことです。

この時期に特に多いのは下痢や嘔吐、そして異物誤飲です。
特に飼い始めたばかりの子猫の時期は、環境の変化によるストレスや、寄生虫の感染などによる下痢が多く見られます。

また、異物の誤飲を防ぐためには、誤飲しそうなおもちゃなどを置きっぱなしにしないことが一番の対策です。いたずら好きな猫の場合には、留守番はケージに入れる様にする等工夫しましょう。

猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎は1歳未満のオスの子猫に発症しやすいと言われています。
ある統計では、理由は不明ですが雑種より純血種での発生が多いという結果で、わたしの臨床経験上でも同じように純血種の猫に多い印象があります。

猫伝染性腹膜炎ウイルスは、ほとんどのイエネコが感染していると言われる猫腸コロナウイルスが突然変異してできたと言われています。
症状は食欲元気の低下、発熱、体重減少が見られ、腹水や胸水が貯まるウエットタイプとブドウ膜炎、肝臓や腎機能が低下し神経症状がみられるドライタイプの二つのタイプがあります。
この病気は、どちらのタイプも非常に治療の反応が悪く、残念なことに予後不良の場合がほとんどです。

成猫期(1歳~7歳)

外耳炎

折れ耳だけでなく、立ち耳の場合でも外耳炎は比較的多い疾患です。
原因はマラセチア菌という常在菌の増殖や細菌感染、耳ダニなどの外部寄生虫、過剰な耳のケアなど様々です。
治療は点耳薬や駆虫薬など原因に合わせた治療を行います。

下部尿路疾患

下部尿路疾患とは、膀胱と尿道の病気のことで、特に多いのは特発性膀胱炎です。

しかし、下部尿路疾患は、尿石症や尿路感染症、腫瘍などが原因であっても頻尿や排尿困難、血尿などの同じような症状がみられるので、何が原因なのかを調べることが大切です。

また、尿道が閉塞している場合は、命に関わるのでなるべく早く治療する必要があります。
愛猫がきちんと排尿しているかどうか毎日確認しましょう。

シニア期(7歳~)

慢性腎臓病

シニア期の猫が最もかかりやすい病気の一つです。
症状は多飲多尿、食欲不振、毛並みが悪くなる、痩せてくるなどで、この様な症状が見られた時には腎臓の機能の7割近くがダメージを受けている状況です。
そして、壊れてしまった腎臓の細胞は元通りに再生させることはできません。

治療は、内服薬の投薬や食餌療法、輸液療法などで、残った腎臓の機能をなるべく良い状態に維持することを目的として行います。

甲状腺機能亢進症

シニア期の猫に多い内分泌疾患です。
原因は、甲状腺過形成、甲状腺濾胞腺腫、甲状腺癌で、甲状腺の機能が亢進しすぎることで、異常に食欲が旺盛になり、その割には体重が減少していきます。
鳴き声が大きくなる、昼夜に関わらず良く鳴くなどの症状が見られたらこの病気を疑います。

保険の選び方

ペットには、人間の様な公的な健康保険制度はありません。
そのため、動物病院での治療費の負担は全額自己負担です。
状況によっては手術や長期間の通院、治療が必要になる場合や、それに伴いペットの医療費も高額になる可能性があります。

何かあった時のための備えとしてペットのためにご自身で備えるという方法もありますが、突然のケガや病気など予想もしなかった事態に備えておくための選択肢の一つとして、ペット保険があります。

ペット保険とは、保険料をペット保険会社に支払うことで、飼い主が動物病院に支払う医療費の一部をペット保険会社が補償してくれるサービスです。
現在多くのペット保険会社がありますが、保険会社や契約プランにより、保険料や補償の内容等は異なります。

ペット保険選びのポイント

ペット保険を選ぶにあたって優先順位が高いのは、

  • ・保険会社に支払う保険料
  • ・加入時の年齢
  • ・補償内容

の3つだと思います。

保険会社に支払う保険料について

保険料は最も安いものでは月に500円~、金額が多いプランでは1万円前後です。
補償内容が多ければそれに伴って保険料も高くなるので、情報を集めて比較検討する必要があります。

また、保険会社や加入プランによって異なりますが、加入してから終身までずっと同じ保険料ではなく、保険料の見直しがあるのが一般的です。
若い時は安い保険料でも更新の度に保険料が上昇するプランや、ある程度の年齢になったら保険料が一定になるプランなど色々なプランがあります。

加入時の年齢

ペット保険は、ペットの年齢が高ければ高いほど保険料が高くなるのが一般的で、ある程度の年齢になると加入できないプランもあります。
猫の平均年齢を考えると、シニアになっても継続できるペット保険を選択することをおすすめします。

9歳以上の高齢でも入れるペット保険はこちら

保険会社によっては動物病院での支払い時に補償額を差し引いて窓口精算できる(対応可能動物病院のみ)ペット保険や、医療やしつけについて獣医師に24時間無料電話相談ができるサービスが付帯しているペット保険もあります。

窓口精算ができるペット保険はこちら

特に初めて猫を飼う方には、このような治療費の補償以外の付帯サービスがあるとより安心です。
なお、年齢が上がるにつれて保険料が高くなり加入条件が厳しくなるのが一般的で、プランによっては加入できなくなる場合もあります。
最近ではシニア用(8歳~)のペット保険も増えていますので、将来のことも考えて情報を集めておくと安心ですね。

補償内容について

補償内容は保険会社やプランによって様々で、

  • ・病気やケガによる通院や入院を含め手術もすべて補償する
  • ・手術に関する治療費のみ補償する
  • ・保険会社が補償する割合は30%、50%、70%が多い(90%や100%もある)
  • ・1回の手術につき50万円を補償するなど手術に特化している

などがあります。

補償内容を選ぶポイントとしては、スコティッシュフォールドの場合は外耳炎など何度も通院が必要になる場合も考慮すると同時に、尿路結石などの手術が必要になるケースを考えて通院治療だけでなく手術の補償も網羅するプランが安心です。
なお、ペット保険は「病気やケガに備える」という目的のものなので、不妊去勢手術、ワクチン接種やノミ・ダニ予防など予防に関するものや、保険加入以前にかかっていた病気やケガについては補償対象外です。

また、保険会社やプランによっては、先天性疾患の補償をしないケースもあります。
スコティッシュフォールドの品種好発性疾患や遺伝性疾患が補償の対象であるか、保険の加入前に確認しておくことも大切です。
なお、保険会社による補償は無制限ではなく上限(支払限度額または支払限度日数・回数)があります。
補償内容をしっかり確認してご自身と愛猫にとって必要なプランを選びましょう。

この記事の監修者

大熊真穂

大熊真穂

現在複数の動物病院で臨床獣医師として勤務しながら専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信している。
▼ドリトルけいのいぬねこ健康相談室
https://www.dolittlekei.com/
ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」こと。

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ご契約の際は引受保険会社のパンフレット、webサイト等で商品資料をご確認の上、お申込みください。
また、重要事項等の説明もあわせてご確認くださるようお願い申し上げます。